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#149 思考様式の学びは使う言葉で確認できる 24/4/23

みなさん、こんにちは。
今日は、学びについてまた考えてみます。

先日、自社の中期的な経営方針を考える場をオブザーブしている際に、議論の景色から感じたのが考えるきっかけです。

「学ぶ」とは、コンピューターでいうとOSが入れ替わる、更新されるようなもの、と先日112でエントリーしました。

さて、会議では、各事業責任者が2030年過ぎの、担当事業の粗々な長期構想を披露する議題がありました。ある事業責任者のプレゼンテーションを聞いていて、「うん、なるほど」と自分なりに消化してしまう場面がありました。

それが、事業戦略の語り口でした。自社の強み・競争優位や、組織・サービスケイパビリティを表現するために用いる言葉が、およそ7~8年前とほとんど変わってないことに気づきました。なお、決して悪いと言っているのではありません。

例えば、戦略論の中の一丁目一番地に差別化戦略があります(なおわたしは経営戦略に明るいわけではありません。にわか知識レベルです)。

何が競争優位か、ですから、変化がないことはある意味でいえば、その強み、もしくは強みの源泉たる組織カルチャーやそれを生み出す自社内の資源・しくみを維持できていると、ポジティブに捉えることも十二分に可能と考えます。

その強みを、少しデフォルメしますが、「顧客課題を引き受ける力」と表現します。その言葉が、8年前と同様に、そして同じ文脈で語られていました。

逆を言えば、わたしたちのその事業が勝負しているマーケットでは、プリミティブに捉えれば、お客様の課題やニーズが解決されず継続している、と言うことができます。あるいはプリミティブであるがゆえに、7,8年程度ではそれを解決するサービスを持つ企業が出てきていない、とも推察されます。

そう考えれば、わたしたちの強みがまだ生かせる、ブラッシュアップして解決力を高める可能性がまだまだ存在する、と捉えることができるかもしれません。ですから、事業責任者も、同じ文脈、同じ言葉を使っているのかもしれません。

一方、学びの視点から見れば、やはり7,8年も更新がかかっていないことは気になる側面もあります。

プリミティブな課題が変わっていないとしても、そうだとしたら、自分たちの強み、そのものはアップデートしたり、スパイラルアップさせていったりすることが必要です。もちろん、それはサービスやソリューションを磨き上げて、高度化し続けています。

そうだとしたら、それを表現する言葉、文脈もまた更新されていることが見てとれるのが本来なのかもしれません。

そうした意味で考えると、自分たちのサービスや強みの更新も、漸次的改善の変化度合いに歩留まってしまっている危険性もあります。

一方、言葉は、所詮言葉でしかないわけです。言葉をちょこちょこ変化させていても、中身が伴わなければ、文字どおり言葉遊び、の自己満足に終始してしまいます。ここが難しいところです。

それでもなお、3~4年程度のスパンでは、言葉と文脈のブラッシュアップはあったほうが良いかもしれません。必然ではありませんが、表に出てくる表現自体が変わることは、自分たちが学んでいる1つのサインにもなりえるからです。

さらにいえば、事業責任者はじめ事業の経営層たちは、ある程度のスパンで議論したり考えているため、その変化を認識しています。しかし、日々はお客様やエンドユーザーに向き合っている従業員からすると、「7,8年前と言っていることが変わっていないな、大丈夫かな」と疑問を持つかもしれません。

使う言葉を意図的に更新することも含め、学ぶ・学んだとは、思考様式・行動様式のようなOSが入れ替わり、変化し、それによって表に出る言葉も変わってくることが、1つのサインになるな、と考えました。

さて、みなさんは、自分が学んだ=変わったことを、他者が認識してくれるようなサインをどこにおいていますか。
それでは、また。

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