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#215 耳の痛い指摘は短期的に厳しいが、長期的にはやさしい 24/7/11

みなさん、こんにちは。
今日は、フィードバックを考えます。

ミドルマネージャーをはじめ、メンバーを預かる役割の人は、彼ら彼女らの成長を支援する職務を果たします。この成長を促す際に、欠くことのできない1つがフィードバックと考えます。

なぜなら、フィードバックが気づきを提供するからです。

気づきとは、本人が自覚していない、無意識に使っている岩盤のようなものです。たとえば、価値観、固定観念、社会的規範、行動の型、思考パターン、バイアス、成功・失敗体験、世界観、仕事観、倫理観などマインドセットです。まとめて、OS(オペレーティングシステム)と喩えてみます。

このときに、課長や現場責任者の役職者からよく質問や相談を受けるのが、「厳しい指摘ができない」です。

いくつかの要因が考えられます。
まず、外形的な外部環境要因です。10年ちょっと前から、ハラスメントが敏感に、声高に言われるようになりました。その傾向は、増長し、〇〇ハラと造語が生まれ続けています。

その世の中の流れを汲み、企業内など内部環境では、ミドルマネージャーはマル査の脅威に怯えながら、役割を果たしています。

感情的にはなってはいけない、
従業員満足度調査や360度評価などで、ちょっとでもメンバーからのネガティヴな声があれば追及される、などです。

ミドルマネージャーは、虎のしっぽを踏まぬよう、戦々恐々とした心理的不安定な状態で役割を果たそうとしているように見えます。管理職になるのは罰ゲームである、との言葉も現れる次第です。

この背景をさらに掘り下げて考えてみます。
働く環境が急速に変化しつづけていることです。それは一言で言うと、前例踏襲型が通用しなくなっている、です。

環境変化の具体的ないくつかを挙げてみます。
・デジタル化やデータ活用など仕事の課題がますます複雑になっていること
・長期トレンドの人材不足で、従業員の離脱が許されない規範になっていること
・新卒・中途、ジェンダーダイバーシティなど多様性に対する耐性を身につけていくこと
・リモートワークとオフィスワークの複合により、同期・非同期コミュニケーションとケアのカバレッジが行き届かないこと
・兼務など、自分もプレイヤーとしてそこそこのプレイングが求められること

この環境の中で、内部的にミドルマネージャーには、人材育成の職務が期待されます。期待さらると言えば耳障りが良いですが、職責として課されているが的確でしょう。この点は人事に携わる1人としても自問自答があります。

そんな前提がありながら、メンバーの成長のためには、ときに耳の痛いことを指摘したり、問いかけたり、が求められます。フィードバックです。

フィードバックが機能する、相手に聞いてもらえる・心に届くには、手前の信頼関係が成立していることです。

そのためには、1on1など日常的な個々との時間の中で、どれだけその個人に興味を持って接しているか、です。職務上やらないといけないから、が少しでも透けてしまえば、メンバーは上長の10倍敏感にそのことに気づきます。

なぜなら、上長にとっては、メンバのone of themです。が、メンバーから見たら上長は1分の1、allだからです。

ですから、避けたいことは以下の行動です。
ちょっと自分の仕事が忙しいからと予定をリスケしたり、スキップしたりすることです。あるいは、緊急事態を除いて、急にお客様との打ち合わせが入ったから、上司との打ち合わせが入ったから、とメンバーとの予定を変更することが度重なると、「自分に興味がないのだな」「優先度が低いんだな」と、ネガティブなシグナルが伝わることを自覚しておくことです。

逆に、そうしたことをできるだけ回避し、メンバーから見て「忙しい中、自分との予定は守ってくれる」と感じてもらえれば、その行為だけで信頼度は上がります。そうなれば、ときに成長のための、耳の痛いフィードバックも聞き入れてくれる態勢・耐性がメンバーにも確立できます。

耳の痛い話は、その場その場の短期的には厳しいことが多いです。フィードバックを受けた側も、葛藤と混乱が生じ、しばしモヤモヤします。ですが、長期的にみれば、「あのときのフィードバックを受けて、改善したことで、いまがあるな、成長できたな」と感じてくれることになります。

ですから、短期的に耳の痛いことは一見厳しいものの、長期で見ればやさしいことが多いです。

さて、みなさんは、フィードバックをしたり、受けたり、どのように生かしていますか。
それでは、また。

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