見出し画像

#27 理想の姿は大事だが、常に現実が先にある 23/12/23

みなさん、こんにちは。
今日は、経営方針・計画と現実を考えます。

中期経営計画や事業変革の節目には、抽象度の高い論点を志向します。そのときに、理想と現実のアンビバランスをどう整えるか、考えてみます。この手の議論では、しばしば空中戦になることが多く、そこだけを切り取ると、生産性が低いことが問題と考えます。

当社でも数年に一度、このような局面が訪れます。
わたし自身も、経営企画や人事のポジションから参画したり、あるいはファシリテーションを担った経験もあります。ちょうど数ヵ月前まで、この手の方針、戦略策定のプロジェクトに参画していました。

このプロセスにおいては、経営陣、経営企画に加え、外部のコンサルティング会社にプロジェクトファシリテーションを委託することも多いのではないかと考えます。

今回もそうした座組みでプロジェクト組成されました。
その最近の経験からも、冒頭の問題提起を考えるに至りました。

さて戻ります。
なぜ生産性が低くなる傾向になるのか。
なぜなら、そもそも神学論争的な議題であることと、その性質を内包しているから、と考えます。さらに、ありたい方向、ToBe、理想の一方向からのアプローチになりがちな点が2つめの理由と考えます。
一方、現実や現在を見落とす、見過ごすことも多いから、とも考えます。

まず議題そのものは、ミッション・ビジョン・バリュー(MVV)、最近の言い方ではパーパス、あるいはバリュープロポジション(顧客価値)と、極めてコンセプチャルなお題です。

決まった後の結果を振り返ると、言葉尻以外に、現在の設定と本質は変わらない、と感じることも多いのではないでしょうか。

次に、議題の持つ性質です。
まず、当然ながら正解がない、決めの問題です。

さらに、性質を分解すると、
・経営陣個人の価値観やbeingが元になる。
・価値観を理解しあうのは、高カロリーである。
・皆が合意に達する前に、時間切れになる。
・言葉のキレ味、気持ち良さ、が勝ちやすい。
ゆえに、ほどよい納得感のもと、妥協的合意の着地が多くなります。

突き詰めると、互いに空気を読む配慮が働くか、議論していること自体のやってる感が原因となり、意思決定するリーダーシップが不足してしまうことです。これが生産性が高くない構造だと考えています。

では、どうすると、より生産的になり得るか。
わたしはこう考えます。

今ここにある現実・現場、を基点にすることです。
現実・現場の典型的な具体をできるだけ複数並べて、それらを観察しながら、意見交換することです。

あるべき、ありたいのToBeから逆算する思考、バッグキャストはめっちゃ大事です。超長期の時間軸をとって、現状を前提にしない発散思考もまた、めっちゃ大事です。10×のテンバガーの考え方もあります。

が、しかし、抽象度の高い空中戦の議題こそ、今ここに存在する状況や現実を観察し、そこに体重を乗せるのがよい、とわたしは経験的に感じます。

もっともらしい意志的な理論(アスピレーション)より、ロジカルな分析的科学的な理論よりも、「常に現実が先にある」と考えます。これがわたし自身がいくつかの、これに類する仕事経験から学んだことです。

みなさんは、抽象度の高いテーマに対して、どのように考えていらっしゃいますか。
それでは、また。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?