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#54 1on1が人材開発と事業戦略の実行を促進する 24/1/19

みなさん、こんにちは。
1on1ミーティングを、人材育成に活かしたいと考える理由を考えます。

昨今の人事トレンドになった感もある1on1を、どのように人材開発に活かせるでしょうか。

当社では、Yahooの1on1が話題になる10年以上前から、マネジメントの仕組みとして取り入れています。しかしながら、現場によってはその実行具合はバラツキがあり、それに依存していました。それを標準的な活動に昇華するため、人事部門では事業部門に働きかけを行いました。

1on1の定着を進める中で、導入当初、ある現場の声を聞きました。現場責任者、そしてそのチームメンバーの双方から「もっと話したい」と声がありました。

また別の現場責任者は、こんな葛藤を打ち明けてくれました。「お互いが好意を持っているチームメンバーの男女が、仕事中もそのような行動が見られた。他のチームメンバーも困惑していたが、どうしたらよかったのか」でした。その両名はやがてそのチームからを離任し、別々の異動先に配置したそうです。そして、現場責任者が後悔していたのは、「予兆となる行動があったのに、リスクを予見して、その2人に対してできることがあったと思う。が、どうすればよかったのか」でした。

こうしたメンバーの行動、チームの生産性に影響を与えることに対処していこうとすると、自ずと、そのメンバーとの密な、ときに深く入り込む対話が求められます。問題が複雑であればあるほど、感情労働であればあるほど、対話量と、比例して総和時間を作る必要があります。

ですから、良いマネジメントに必要な条件は、実行量とその時間を確保できる環境です。片や、多くの現場責任者は、マネジメントに専念しているわけではなく、半分の時間は自らの業務遂行をしています。

ゆえに、人事部門や経営層は、マネジメントするための環境がどれだけ整っているのかを把握し対策を実行に移さないと絵に描いた餅になってしまいます。

まず環境とは、シンプルにいえば、管掌メンバー数×マネジメント時間、がその1つです。
そこに、顧客の要求度、業務の難易度、仕事の裁量度など、複数の独立変数が絡み合います。
このように、現場責任者がマネジメントに従事する環境を作ることが、練習・実行量自体を増やし、結果、マネジメントが上手になっていくと考えます。

このマネジメントの上達と、それを通じたメンバーの人材開発を、1on1を基点に促進しようとの考えです。1on1を選択する理由は、外部環境の変化に適用しやすい、機敏に対応できるから、です。

外部環境の変化とは、具体的には、経営戦略が変わることです。たとえば、市場シェアをナンバー1を取りに行くギアチェンジをする、です。品質価値を人材によって担保するサービスから、標準化された仕組み、パッケージによる品質価値を提供するサービスに転換して、規模を取りに行くような変化が求められます。

その時に、顧客に対するカスタマイズ力とサービスの標準化力、相矛盾する品質提供の仕方をどうバランスするか。各現場の裁量で、現実の顧客ニーズにアジャストするには、最前線のメンバーの変化をタイムリーに捉えることが肝要です。どちらか一方への転換であれば、今のやり方を捨てなくてよいかもしれません。

ですが、大きな転換ですから、今までの考え方、マインドセット、やり方、成功パターンをアンラーンしたほうが新しいことは入りやすくなります。そのカギはやはり、現場責任者の上手なマネジメントと、現場から生みだされる人材、つまりその人材を安定的に補強するための人材育成ではないか、と考えます。

結局、差別化はヒトでしかできない。新しいサービスを創るのも人、現場をよくするのも人、人が価値を生みます。
現場で働く個人が持てる力を100%フルに発揮できること、ここがわたしたち事業の提供価値であり、コンセプトです。つまり差別化要素を創るのは、人材に行きつきます。

みなさんはいかがお考えになりますか。
それでは、また。

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