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#165 問題解決が次の問題を生み、一方の改善がもう一方の行動を助長する 24/5/9

みなさん、こんにちは。
今日は、スパイラルダウンを考えます。

(実例を基に編集しています)
こういうことです。
わたしたち採用部門がやっている行動が、相手方の行動を逆方向に助長している=To Beの障壁になっていることが結構あります。これが考えるきっかけです。

採用活動を改善しようと、求人オーダー元のライン組織や転職マーケットのエージェント企業に対して、継続的に働きかけます。その改善には、理想とするTo Beに向けて相手方に要求する事柄もあります。

たとえば、選考合格の内定基準です。言い換えると、どのように応募者を評価するのか、です。面接官の合格判断理由が、採用部門からするとわかりづらいことが度々ありました。

2年ほど前に、内定基準を求人単位で定めることにしました。これは、わたしたち事業の求人は複数多岐にわたる一方、それぞれの仕事内容、人材要件が似通っているため、転職希望者やエージェントからは「違いがわかりづらい」、との声が多かったことへの対策でした。

最終面接であろうと、1次面接であろうと、最終的な評価=合否は、現実にはいろいろな要素を総合評価して決まります。

しかしながら、それでは面接官本人だけが、悪く言えば面接官の好き嫌いで決まっている印象を与えかねません。

それは、その印象やメッセージが、応募者やキャリアカウンセラーにフィードバックがかかることと同義です。

ですから、あくまでも内定ラインの最低基準として設定し、かつその求人で必要とされるコアスキルを表現するものと定義しました。

2年強運用してきて、その功罪はあります。が、罪の部分がとりわけ目立つようになってきました。それは、功の得たい効果が確立してきて、次の課題ステージに進んだと捉えることができます。

ここでようやく本題です。
わたしたち採用部門が、この合格基準を強く浸透させ、推し進めてきました。その結果、面接官が応募者をその基準目線でしか評価しないことが見えてきました。厳密には評価理由を、その基準に沿う形でしか説明できない状態になってしまいました。

これは何が問題か、です。
応募者のスキルや経験の高低に関わらず、その基準を満たしているか否か、ゼロイチの評価判断だからです。

基準はあくまでも最低ラインの設定ですから。たとえば、その求人に合致した経験・実績、スキルがオーバースペックくらいのレベルの応募者も、ちょっと基準には足りないけどほかの要素が秀でているから合格とする場合も、同じ評価判断の説明になってしまいました。

もちろん、評価フィードバックを聞きにいけば、評価理由のあれこれは出てはきます。しかしながら、多くの場合、実績やスキルの「程度」を適切に評価付けしていることはほとんどありません。

それはさらに何が問題かといえば、オファー年収条件や等級制度に基づく格付けを決められないことです。

このように、合格基準で評価する取り組みを推進するあまり、面接官の評価もそれにそって、マニュアル的、形式的な評価しかできなくなってしまいました。

こうして、自分たちの良しとする改善行動が、かえって狙った相手方の行動を意図しない方向に助長することが間々起こります。

さてみなさんは、改善活動を推し進めたときの失敗や意図と違う結果になったときにはどう対処されますか。
それでは、また。

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