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#141 仕事は良いこと・悪いことが同時に起きている 24/4/15

みなさん、こんにちは。
今日は、業績や政策、人材、活動などを「評価する」ことを考えます。

何かを目標にして取り組む際には、実現したいゴールを設定することは言うまでもありません。その解像度の高低は脇に置きます。

このゴール、実現したい状態は、言い換えれば達成基準です。会社やビジネスパーソンであれば、「達成した」と株主や上長から評価を受けるものさしです。

達成したか、していないか。
白か黒かで評価をする場合はあまり言うことありません。成果主義が行き届いていると考えます。

しかし、現実に多くのモノゴトは、二分法の良いか悪いか、を評価してもあまり意味はありません。なぜなら、試験の合否や、選挙の当落、宝くじが当たった・当たらない、とは異なるからです。

ほとんどのことは、上手くいっていることと、計画どおりには進んでいないこと、改善が必要なことが、同時多発的に起きています。

たとえば、会社であれば年度予算の達成度合いや中期経営計画の進捗状況、業務変革・DX導入の進み具合、従業員の定期人事考課、政策の効果、どれをとってもほどんどのことは、二分法では片付けられません。GoodとBad/Moreが同時並行に起こっているからです。

ですから、上手くいっていることは、どんな点がよい具合にできているのか、そして、それはなぜなのか。一方、あまり芳しくない、計画とはギャップが生まれていることは、何がギャップになっているのか。これらを具体的に、解像度を上げて推し量る、その上で自分たちなりに咀嚼・解釈することが一歩です。

そのうえで、Good、Bad、Moreの凸凹な現状、現在のゴール達成状況を俯瞰的にメタ認知してみたとき、総合的にはどのような自己評価をするのか、が評価のBetter to how のあり方だと考えます。

たとえば、わかりやすい財務指標の業績目標を取り上げてみます。
売上1,000万円を予算目標として持っていたとします。その計画は、前年度実績から23%成長するターゲットとします。

その根拠は、そのサービスが戦うマーケットの成長率予測が16%、自社はそのサービスドメインに進出し始めたばかりでシェアと呼べる大きさではありません。よって、マーケットの成長率より高いターゲットを設定し、アスピレーションから23%に置いたとします。

結果、売上実績900万円で、予算には100万円届きませんでした。定量では、予算達成率90%、前年成長率110%でした。

さて、この業績パフォーマンスにどんな評価をつけるでしょうか。

たとえば、業績評価は6段階の上から、SS、S、A、B、C、Dとします。目標達成率100%基準はA評価とします。
ここからは実際に私が良く目にする実話に基づき、課長4名の評価とその理由を例示してみます。

課長A氏
「目標には届かなかったものの、前年より10%は伸ばしたのでAとします」

課長B氏
「目標を未達成のため、B評価とします。ほかに考慮余地もありません」

課長C氏
「目標は未達成ですが、900万のうち半分程度を新規顧客からの受注で数字を作りました。その分を加味して、A評価としたいです」

課長D氏
「達成率90%も、提案つくるにあたっては、かなり上長の私や、企画部門の支援を受けていたため、自力での受注は少なかったです。よってCかBで迷っていますが、C評価で持ってきました」

このように、売上目標に対して、ストレートに評価するケースや、ほかのいくつかの要素を加味して評価する基準を用いる判断があります。

この中のどの評価モノサシを是とするかは、その企業の思想や哲学、価値観を人事評価制度に反映させる部分です。絶対的に結果主義で判断するのもあり、またいくつかの要素を加味して総合的に評価するのもあり、と考えます。また企業内でも、担っている仕事の性質によって、その重心の乗せ方に多少の裁量や違いがあっても構わないと考えます。

しかし、いわゆる基幹の業績・パフォーマンスに関する目標に対しては、到達基準を明らかにして、それが達成できたのか・できなかったのか、に重心を乗せて評価することが適切だと考えます。

上記の例でいえば、市場の成長率や、自社のアスピレーションとしての成長期待、そのメンバーの実力値など、いくつかの要因を踏まえて予算計画を策定していることが多いからです。

そして、その前提を覆して、達成していないけれど前期からの成長はさせているから、としてしまうと、では予算は何だったのか、となってしまいます。

ですから、事前の目標を決める際に、到達基準を明らかにして、それをクリアすべきターゲットとして設定することが望ましいと考えます。

このあたりが、総合的に、凸凹の程度を評価する際に押さえておきたい前提です。その前提、原理原則を評価する人の全員が理解した上で、もし多少の付加要素を加味するなら、それは評価運用として、より良いのではないかと考えます。

さて、みなさんは目標の到達基準をどのくらい明らかにできていらっしゃいますか。
それでは、また。

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