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#103 人事と管理職の仕事は人材発掘【2/2】24/3/8

みなさん、こんにちは。
前回に続き、人材育成を、人材を発掘する、人材を育てる、人材を活かす、に分解して考えてみます。

おさらいです。
前回は、わたしが最もキーだと考える「発掘する」までの話でした。

ミドルマネージャーは、事業のしくみと現場のベクトルを合わせ、アラインメントをとるセンターピンです。
人事は、経営と従業員のベクトルを合わせ、かつ従業員のキャリア開発とのアラインメントもとっていくコミュニケーションパートナーです。
両者に期待されることは、
「発掘する、育てる、活かす」です。

発掘の仕方は、リーダーシップ行動を実践していることの観察を通じてです。たとえば、自分の意見を表明している、自分で(決められることは)決めている、顧客・経営・課長・メンバー当事者、と複眼的に課題を捉えている、などです。
発掘するしくみは、MBO目標管理を使った評価レビューやタレントマネジメントの取り組みです。

ここまでが前回のおさらいです。

では発掘したら、その人材を「育てる」が2番目です。
まず所属部門における職務(≒テクニカルスキル)を中心に、その部門の中心的業務の生産性を上げる企画=課題解決までの経験を提供することです。
その過程では、経験学習を回すのが良いと考えます。

短期の小さなPDCAは、主にミドルマネージャーがリアルな仕事を中心にタイムリーに支援します。
中長期のPDCAは、その現場での仕事経験の積み重ねを一段俯瞰した立ち位置から、人事の提供する研修など日常から離れた場を通じて大きなPDCAが回るように支援します。

そうして大小&長短のPDCA(しかけ)と、ミドルマネージャーと人事(第三者)を通じて、「育てる」サイクルを確立します。
どちらも、仕事の経験を、どう自分に意味づけるか、何を学んだか、がアウトプットイメージです。

なお、わたしは、この2つの役割をごっちゃにして「育てる」を実行していることが、人材育成に関する課題のひとつだと考えています。わたし自身もまだまだ及第点には達していないのですが。

最後に、3つ目が「活かす」です。
2番目の「育てる」と、3番目の「活かす」は実際には入れ子構造で交錯することも多いと考えます。
どの部門の業務にも、濃淡はあれど、業務の性質特徴やそこで成果を出すポイントに違いがあります。
ですから、そのジョブにアサインメントをする際に、そのメンバーの個性にあったポジションや仕事を任せたいところです。

メンバーの個性とジョブアサインは、たとえば以下の2×2マトリクスで考えられます。

軸は「得意/不得意」×「楽しい/退屈・飽き」です。
      楽しい    退屈・飽き
得意    自己効力感  成長鈍化 or 実は価値が高く意味がある 
不得意   成長実感   必要な壁 or 自己肯定感低下の判断(重圧)

特に、本人が得意と自覚しているけれども、それを活かす業務は習熟しているから飽きた、退屈してしまう、のセグメントが重要と考えます。その業務セグメントが、本人にとっても、チーム・組織にとっても、価値が高いケースが間々あります。ここに意味づけをできるかどうか、が「活かす」腕の見せ所です。

もう1つは、不得意×退屈・飽きのセグメントです。
ここは、メンバーの長期的なキャリア志向と成長に向けて、絶対に必要な仕事であれば、つぶれないよう注意しながら、同様に意味づけをして任せることです。プレッシャーが強すぎたり、成果を出せない時間が長くなりそうな場合は止める判断を早めに行うことも備えが必要です。これも上長や人事の「活かす」腕の見せ所です。

なぜなら、人は誰しも持って生まれた(発達段階で身につけたものも含め)ものがあります。だから、それを発揮したらよいとの前提に立ち、その点を見抜くのは上長や人事の手腕にかかっています。

さて、みなさんの会社の人材育成は、どのようなしくみで回っていますか。
それでは、また。

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