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doll's dream

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私の好きなみなさんの文章をまとめさせてもらってます。 noteは素敵な作品が溢れていて素晴らしいですね!
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最近、何が面白くて、何がつまらないのか分からなくなった気がする。

さようなら

さようなら、さようなら、冬の花咲く
さようなら、さようなら、うみねこは啼く
のこされ島のこもごもをのせ
さようなら、さようなら、夕の陽がにじむ
さようなら、さようなら、ぼくの叔父さん

20141204

回転遊技

【詩】

ミシミシと歯車が動きだし

あらゆるものを巻き込んで

回転数をあげてゆく僕らは

遠心力に弾き出されぬよう

必死にそれにしがみついて

はるか遠くの景色を眺める

近くを見たら目が眩むから

はるか彼方の未来を眺める

遊園地の回転遊技のように

まわるこの世界の縁にまだ

必死にしがみついて今日も

tamito

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#詩

私の理性をほどくには充分すぎる光
君は現実味に欠けるほどまぶしい

ダイヤルロックが外れるように
カチリと目が合った
わたし達は正しい

夜の底をかすめて
また朝を見上げたときに
好きな人に好きだと
ひたすら叫びたくなる
この寂しさに名前が無いのは
日本語のちいさな欠陥

闘い続けている

【詩】

委ねてしまえば楽になること

左脳ではわかっているだけど

理屈じゃなくて胸のどこかが

頑ななまでにそれを拒絶する

その椅子にすわるだけなのに

気持ちにこたえるだけなのに

胸のなかナニかが頭もたげる

譲れないナニかが手足を縛る

僕らが生きてゆくこの時代に

ナニが必要でナニが不必要か

わからないから闇雲にこころ

だからいまも闘い続けている

だからいまも闘い続けている

もっとみる

いつの時代も過去は鮮やか
青春はやはり不治の病
失っていくものは全部愛しいけれど
縋る気持ちが呪いに変わっていく

影法師

【詩】

誰かの名を呼ぼうとしても

誰かの名を知らないことに

気づく短い秋の夕暮れどき

痩せっぽっちで背丈の高い

影法師が脳裏に浮かぶけど

その名を僕は知る術もない

名を呼べぬ胸が叫んでいる

締めつけられる痛みに耐え

それでも僕は素知らぬ顔で

自分の影法師を踏んで歩く

tamito

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#詩

Call me baby

足りない、足りない
何か、何が?
錆びついた味覚
そろそろ潮時、かしら

拙い足で、走っていくから
甘い胸に抱き留めてよ
この世で初めて
私の割れた瞳を見つけてよ

足りないのは愛か誠か
親密に呼んで、
もっと

不透明極まりない
情勢は分からない
死にたくない
死にたくない
君を好きなまま、

さようなら さようなら
私は私に 別れを告げて
さようなら さようなら
私は私に 出会うのです

無題

たったひとつ
あなたに言いたいことが見つからない
あなたがそれだけで救われるような一言
わたしは毎夜考えるけど

たったひとつ
あなたの大事なものを知らない
あなたが守らなければならないもの
わたしは毎夜考えるけど

たったひとつ
あなたを笑顔にする方法が分からない
あなたに教えなきゃならないから
わたしは毎夜考えるけど