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ちょっとだけ良い動画配信やテレビ会議を構成する物理機材(マイク編)

※本内容はコチラの詳細編になります。

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動画配信で本当に伝えたいメッセージを伝えたり、リモートワーク前提の世の中でWeb会議で良質なコミュニケーションを行ううえで、音声は切っても切り離せない要素だ。

本編では相手への聴こえ方に焦点を絞り、動画配信やWeb会議をもっと快適にするマイクに加えて、従来の環境でより音声状況を改善できるサービスも説明しようと思う。自分への聴こえ方を改善するためのヘッドホンについては個人差によるところが大きいと思われるため、本編では割愛する。

なお、録音環境として、一般的なWeb会議ツールであるZoomを使用し、マイク部から30cm程度離れた位置から録音を行っている。

音声の比較(PC内蔵マイク)

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現在僕が使っているノートパソコンはLenovo社のT470sだ。

仕様書を見ると、詳細な記述は無いが標準で「デジタルマイクロフォン」が搭載されているので、何も考えずに会議に参加した場合の基準として試してみよう。

音響のプロでない立場からすると、現状のPCの内蔵マイクも優秀で静かな環境であれば問題なく使えるような気がする。

音声の比較(ヘッドセット)

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次に、持ち運びを前提としたWeb会議用にと購入したSENNHEISER PC 8 USBを試してみよう。

そもそも特定方向からの音声を拾いやすい単一指向性かつ、ノイズキャンセリング機能が内蔵されているモデルであるが、静かな環境においては内蔵マイクと大きくは変わらないように思える。

音声の比較(コンデンサマイク)

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物理機器の最後として、こじらせて、ではなくより上質な音声をと購入したMarantz MPM2000Uを試してみよう。

先程の2つと比較すると少しクリアになったように?感じる程度でそこまで大きな違いは無いようにも思える。(筆者の耳が良くないだけかもしれない)

通常の業務利用ではオーバーであって、動画配信での見栄えや目指す品質と合わせて購入することを検討するものになるだろう。

ノイズキャンセリングソフトについて

最近ではオフィス内でもオープンスペースやフリーアドレスが増え、騒音が多い中でWeb会議を行う場合が増えていると思う。

最近ではデバイスや場所といった物理環境で騒音を抑えるのではなくソフトウェア的にノイズをカットしてくれるツールが多く存在する。

次は趣向を変えて、実際のツールを通して聞こえ方がどう変わるかを試してみよう。

ノイズキャンセリングソフト(Krisp)

Krispはブイキューブ社が提供するノイズキャンセリングソフトで、自分の音声だけでなく、相手のノイズをカットできるのが特徴だ。

有償になるが持っているパソコンの仕様によらず使えること、フリーで自分と相手、双方のノイズカットを60分体験できることを踏まえ、負荷度合いを含め、試してみると良いだろう。

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気づいたら個人で使うであろうプロプランが500円に値下げされていた

なお、環境として一般的にありえそうな前述のPC内蔵マイクとSENNHEISER PC 8 USBを使い、環境音の再現としてコチラをテレビから流した状態でどのくらいカットされるかを確認する。

音声の比較(PC内蔵マイク+Krisp)

まず、単純に内蔵マイクでノイズキャンセリングを施さずにそのまま通すとどの様になるか確認してみよう。

声は比較的聞こえているものの、キンキンとしたノイズが乗っている状況になり、声自体も静かな環境と比べるとややこもった声になったように思う。短時間の連絡等であれば問題かもしれないが、Web会議等をこの状態で続けると人によっては嫌な思いをさせてしまうかもしれない。

上記を踏まえ、Krispでノイズカットを行ってみる。

冒頭だけノイズが入ったが、すぐにカットされ聞こえなくなった。これだけでも営業や普段から移動が多いオフィスワーカーにとっては快適な環境になると思われる。

相手のノイズカットにも役立つため、イヤホンにしてKrispを通すだけでも価値はあると思う。

音声の比較(ヘッドセット+Krisp)

次に、前述のヘッドセットを雑踏の中で使った場合と、それにKrispを組み合わせて使った場合で比較してみよう。

そもそも指向性があり、ハードウェアとしてのノイズキャンセリングによってある程度周囲の音声は抑えている点では素晴らしい。通常使いはこれで全く問題は無さそうに思える。

続いてKrispを通した場合、ほぼノイズも聞こえなくなった。かなりの音量をテレビに流している

【番外編】ノイズキャンセリングソフト(RTX Voice)

RTX VoiceはKrispと同様のノイズキャンセリングソフトだが、Nvidia製のグラフィックボードであるRTXシリーズを搭載したパソコンで利用できるのが特徴だ。

Nvidiaから無償で提供されているので月額コストがかからないことも重要だが、グラフィックボードに音声処理を任せることができるので、負荷低減の目的でWeb会議等と併用時にメリットが出てくるだろう。

処理は元からモデルが決まっているというより、使っている中で処理が最適化されてような挙動をしているため、使い始めは少し効きが弱いように感じるが、少しすれば効果が出て負荷も落ち着くようになるはずだ。

使用感をDiscordで繋がっている配信等を行っているメンバーのものを聴いたりしている範囲ではほぼノイズが無くなり、クリアに聴こえるようになったのには驚いた。

裏技的にGTXシリーズでも使えるので、僕はGTXボードを搭載した状態で使用している。方法は調べれば出てくるので割愛するが、Nvidia製のグラフィックボードを利用されている方は是非検討してもらいたい。

まとめ

1. 静かな環境であれば、PC内蔵マイクでも十分利用に耐えうる
2. カフェや家庭内でノイズが発生するような環境であればそれなりの機材を使うか、Krispを始めとしたノイズキャンセリングソフトを月額で利用することが望ましい
3. コンデンサマイクはプロでない限り趣味(ただし、導入の結果もたらされるやる気向上はプライスレス)

今回試した範囲で言えば、ノイズへの対応を考えると指向性やノイズキャンセリング機能を持ったマイクを利用することにはメリットがあるように思う。

今回は相手に対する聴こえ方に焦点を絞って、一般的な業務利用の観点で比較を行ってみた。今後の皆様のリモートワークライフでの検討に役立ててもらいたい。

なお、所属しているOnline BroadcastersというDiscordのコミュニティでは、こんな感じの話ができるメンバーがたくさんいるので、ご興味ある方は是非参加を!

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