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医者女子

この記事を読んでいる方の中に、お医者様はいらっしゃるのでしょうか。
もしくは医者を目指している方、興味のある方はどれくらいいらっしゃるのでしょうか。

今回は、女医として10年近く過ごしてみた私からの、主に医者を目指す女子に対して、あるいは医学生、若い女医さんに対しての人生プランの考え方についてお話ししたいと思います。

長くなるので、だんだん記事を増やしていきたいです。


①そもそも医師を目指すわけ
今、医師を目指している方。
どうして医師になりたいと思いましたか?

かっこいいから?
高収入だから?
成績がいいから?
親に言われて?

色々な理由があると思います。
学生の間は社会人として働いている姿はあまり想像できず、ぼんやりとした姿で目指すことになってしまうことはどの職業でも同じだと思います。

しかし、今学校でちょっと成績がいいから…
なんとなく、安定していそうだから…

と選んでしまうと、その後かなり後悔したり、苦労するかもしれませんよ。
理由をお話ししていきますね。


理由その1:医者はほとんど全員物凄く頭がいい、だけではない

今、学校の成績がそこそこ良く、医学部を狙える学力があるとします。
東京大学理科III類A判定の人は神がかり的に頭がいい人なのでそういう人はさておき、
ギリギリ受かるかな?
頑張れば届くかな?
というかたは、今は周りの人と比べると頭がいい状態かもしれませんが、医学部に入学すると絶望的に皆頭が良く愕然とするかもしれません。

今まで、頭がいいというアイデンティティで自我を保っていた方は、入学式から1ヶ月でかなりメンタルをやられるかもしれないです。

なぜなら、医学部の学生は皆、賢いだけでなく、裕福で、垢抜けており、そして当然頭がいいからです。

医学部に合格するような子供が育った家庭環境はかなり裕福であることが多く、入学祝いが外車、マンションだったりすることも珍しくありません。

一般家庭育ちだった私はかなりショックを受けました。

国立大ですらその有様なので、私立大の学生は桁違いなのでしょう。
私立大学出身の友人は、入学式の時にお互い「君の病院何床?」と聞き合うと言っていました。
ちなみに、入院施設を持つ病院を所有しているという意味であり、相当な収入がある家庭であるという意味です。
その友人も、私から見ると相当に裕福な家庭の息子でしたが、出身大学内ではお金がない方だったとのことでした。

さらに、入学時からイケイケの男女が多く、当時勉強に全力投球してみなりに気を使う余裕もなかった私は相当焦りました。
地方国立医学部に入るような人は、勝手にダサいのではないかとたかを括っていたのです。

実際は相当可愛い・かっこいい人が多いのです。恐ろしい。

では、学力で勝負して勝てるか?というと皆一様に頭が良く、なんなら浪人したくないがためにレベルを落として受験した人もたくさんいるため、「なぜあなたがこんなところに?」と思うほど頭がいい人もたくさんいます。

ギリギリなんとか滑り込み合格した人間は、学力でも敵うことは無いのです…


ただし、そこに「やる気」があると話は違います。

医学部受験は相当に厳しく、しかし入学後はサークル、飲み会など新しい遊びがたくさんあるので、楽しくなってしまい本来の勉学が疎かになる人がたくさんいます。

特に、親に厳しくされ、仕方なく医学部に入ったような人はそこで勉強に燃え尽き、今まで親にセーブされていた遊びに夢中になってしまうことも少なくありません。

頭の出来はかなり良いのに、何回も留年してしまうような人も中にはいるのです。

その中で、心から医学を学びたく、医者になりたいと入った人はやはりコツコツと勉強ができるので最終的には成績優秀、また卒業後も医師という仕事にやりがいを見出せる方が多いように見えます。

そして、そんなふうに仕事に全力投球できる人はそう多くはないのです。

連日の勤務、雑用、その合間を縫って最新の治療について学び、勉強をし続ける。

結構しんどいです。
さらに、家庭を持つとますます時間がなくなります。
勉強しなくても、日々の業務は回るので、まあなんとなくやってればいいか…となってしまいます。

でも、そこでコツコツと勉強し続けられる人は純粋に仕事が好きな人なのかなと思います。
本当に好きな人は、もともと頭のいい、しかし仕事の嫌いな人よりも良い医療を提供できるように思います。

あなたは本当に医者になりたいですか?
一生勉強し続けられますか?
体力的にも厳しい仕事です。今一度自分の胸に手を当てて考えてみてもいいかもしれませんね。

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