仕事を辞めた後の「つらい」をなくすために 【“深く考える人”が幸せになれる 仕事の辞め方ガイド 3-7】
このマガジンでは、繊細な人や深く考える性質の人が「仕事を辞めたい」と思った時に現れる様々な葛藤について、
「誰よりも仕事を辞めたい人に寄り添う」を目指して、記事を書いています。
今回で、とうとう最後のテーマとなります。
前回は、退職直後にやるべきことや、陥りがちなポイントについてお話ししました。
今回は、退職後の過ごし方のポイントをお話しします。
「仕事を辞めたい」と思ってからさまざまな葛藤を経て、
諸々の面倒ごとが全て済み、
晴れて自由になった退職直後。
ですがしばらくは、
自由でありながら、同時に心理的には様々な不安も起きやすくなる時期です。
その不安に呑み込まれてしまうと、
自由なはずの時間の多くが、
本当の自分のための時間ではなくなってしまいます。
この記事を読めば、退職後にありがちな不安を打ち消し、
全ての時間をきちんと自分の時間にすることができるようになると思うので、ぜひ参考にしていただけたら幸いです。
周りの妬みをそのまま受け取らないために
これまで仕事を辞めるにあたっての様々な葛藤を乗り越えて、
ついに自由な時間を手にすることができました。
本当に、よくやりました。
ですが周囲には「ただ仕事を辞めて楽になった人」と捉えてくる人がいる可能性もあります。
「こっちは頑張ってるのに」と心ない嫉妬心のようなものを向けられたり、
マウントを取ってくる人もいるかもしれません。
ですが私たちにとっては紛れもなく、
苦労して自分の人生を勝ち取るための、第一歩を踏み出した
そんな状況です。
ドロップアウトしてしまったわけでも、
逃げたわけでもないわけです。
この状況は、紛れもなく自分のために、自分が手に入れてきた一つの道です。
なので他者の視点は関係ありません。
人がなんと言おうと、自分の中の意味づけに重きを置いて良いのです。
ですがこの先、今まで体験したことのなかった自由を感じながら、
様々な不安も沸き起こるかもしれません。
こちらの記事でもお話ししたように、
自分の状況に変化を起こしたすぐ後は、
「マリッジブルー」のように、
自分を元に戻そうとするような心のバグが起こりやすくなります。
「今苦しい気持ちなのは、退職という選択が間違いだったからだ。」
「退職をしたせいで、お金が不安になった。」
そんな勘違いに、囚われやすくなります。
ポイントは、これは今が「結果」であることにばかり、焦点を当てているから起こっているのだということです。
しかし、晴れて退職した今、
この地点は実は「スタート」でもあります。
退職を選択した、本質の目的を思い出してみてください、
まさに自分の人生はここからということになりませんか。
そう考えると「結果」は、これから自分が作っていくものであり、
決して今目に見えるような簡単なところには、ありません。
そのことを意識しておくと、楽になれるし、
これから正しい方向へ自分を導いていけると思います。
最初はとにかく休む
上記のように、退職後には「自分の中の他者」が、
自分に向かって色々と余計なことを言ってくるものです。
惑わされないためには、自分のペースで過ごすのを意識することが重要です。
そしてそれにはとにかく休む期間を作ることが大切です。
私の場合、実際に退職後に勉強を始める予定をしていましたが、
退職して1ヶ月目はまだそれを始めずに、「とにかく休む」期間と決めていました。
「休む」をすることで、
これから自分の人生を歩むのに必要不可欠なことが可能になります。
それは、仕事をしていた頃には当たり前だった、
自分を縛る癖を抜くことです。
つらかった仕事をしていた頃は、
「あれをやらなければ」「こうするべき」
といった思考を、日常生活や思考の細部に渡るまで適用していませんでしたか?
そのままの思考法で自由な時間を過ごそうとすると、
自分のものであるはずの時間は無意識のうちに「やるべき」事で埋め尽くされ、
結局疲弊してしまったり、疲弊したことで「やはりこの選択は間違いだった」と自分を責める原因にもなりかねません。
「自由な時間に、やるべきことをやって当然だろう?」
「『堕落人間』になってしまわないように、自分を律し続けなくては」
そう思うかもしれません。
しかし「やるべき」というのは、実は全て他者視点の思考なんです。
私たちが本当にやりたいのは、
自分の人生をこの手に取り戻すことですよね。
私たちは本質的には、自分の「やりたい」に向かって生きていきたいんですよね。
その根本的な目的を考えると、
あえて強めの表現をしますが、今まで植え付けられてきた「べき」思考は「毒」になります。
ここでは、その「毒」抜きをする必要があるのです。
頭の中で余計な声がたくさん聞こえているのは、
今まで他者のために自分で自分を縛り付けてきた証拠です。
だから私からの切実なお願いになります。
そういう方はどうか、
まずは自分をたくさん甘やかしてください。
「いやー、そうは言ってますけど、私は”普通に頑張り”ますわ…」
と流し見しようとしたそこのあなたこそ、本当に本当に、聞いて欲しいです。
だって、その”普通に頑張る”が、自分を苦しめてきたのではないでしょうか…?
そしておそらくそれは、あなた自身の声じゃありません。
親とか、先生とか、上司とか、意識の高いインフルエンサーとか「外部」の声であるはずです。
なぜかというと”普通に”って自分の基準じゃないからです。
社会の基準です。
それに本当に「やりたい」と思ったら、「べき」なんて言葉、使いません。
これから先、一切努力をするなとは言いません。
でも、一時的に、今までやったことのない「気を緩める」をできるのが、まさに今ではないのでしょうか。
そしてその十分な休息が、今後の”普通に頑張る”の正しい継続エネルギーになるとしたら…?
よく考えてみて欲しいのです。
…じゃあ、「とにかく休む」ってどう過ごせばいいの?となるかもしれません。
ここからは肩の力を抜いて読んでください。
まずは好きな時間に起きましょう。
目覚まし時計なんかかけてはダメです。
昼にも好きなだけ寝ていいです。
ぼーっとしたり、
お散歩したり、
食べたかったものを食べたりしてもいいです。
途中、「あ、あれをやらなきゃ」と思い出しても、
それはこの期間が終わったらでいい。後回し。
「勉強になるから」などではなく、ただ自分の楽しみのために、
行きたいところに行き、
鑑賞したい作品を鑑賞し、
だらだらと過ごすことを、
「自分の仕事だ」と思ってやってください。
そうしている自分を、
「これでOKと」思えるようになるまで、続けてください。
この「毒」抜きは、実は完遂しようとすると大変な時間がかかります。
人によっては社会人になってからだけでなく、
人生が始まった時から周りの環境による「毒」の蓄積があるため、
実際は1ヶ月やそこいらで抜けるものではないのかもしれません。
しかしまずは完璧を目指そうとせず、
自分の中で期間を定めてみてください。
いくらそれが「休む」事だとしても、
慣れないことを長期間続けることはなかなかに難しいことだからです。
しかし期間を決めていれば、
それが目安になって、実行しやすくなります。
またその間、ちょっと気をつけておいて欲しいことがあります。
それは身体を気にかけることです。
栄養バランスに気をつけたり、運動をするなど。
身体の状態は、精神に深く影響を及ぼします。
せっかく自由な時間を得たので、
自分に必要な睡眠時間だったり、
自分にちょうど良いご飯の時間を、観察してみるのも良いかもしれませんね。
とにかく行動の起点の全てを「自分」にするのです。
自分に正直に過ごす
この時期は、自分に正直になることも大事です。
まずは自分の心に耳を澄ませてみてください。
今、何がしたいですか。
どんなものが食べたいですか。
逆に何を、したくないですか。
辞めたかったことを、一つ辞めたのです。
他の「辞めたい」と思うことも、辞めてみませんか。
添加物だらけの食事を採ること。
なんとなくテレビを見続けてしまうこと。
嫌でも続けていた人間関係。
思い切って、断ち切ってみませんか。
もちろん、上記はただの例であり、
自分自身に聞くことが必要です。
また、自分を知ることも重要です。
最初のうちは「自分に正直に」なんて言われても、
よくわからないかもしれません。
じっくりと時間をとって、
こちらの記事で紹介したような方法を、
試してみるのもいいかもしれません。
自分を知ることは、
自分に正直になることに近づく第一歩です。
自分がやっていて楽しいことをする
「仕事を辞めたらこれをやりたいな」
と思っていたことのうちに、
「家の片付けや掃除をする」「いらないものを売る」「スマホ料金の見直しをする」「親に連絡を取る」
などという、「やらなくちゃと思っていたこと」も、きっとたくさんありますよね。
もちろん、そういうことをするのもいいと思います。
また、先ほどもお伝えしたように、
「ひたすら休む」「自分と向き合う」
などということも、自分のために必要です。
しかし、もう一つ忘れてはならないポイントがあります。
それは、「楽しいことをする」ということです。
私たちは、「大切」なことに囚われすぎて、
案外「楽しい」を忘れがちです。
先ほども少し言いましたが、
ただ楽しみのために、何かをやってみてください。
映画を見るとか、
ライブに行くとか、
友達と遊ぶとか、
何かの体験をするとか、
自転車で走ったり、
絵を描いてみたり、
楽器を演奏してみたり。
「楽しい!」と、心が躍り、
やると世界が色づいて見えるようなことを、
意識的に日々の中に取り入れてみてください。
もちろん、「まだ休んでいたい」「動きたくない」と思うときは、
焦ってやらなくて大丈夫です。
一般的には「ひたすら休む」をやると、
自然にこの「楽しい」をやり出す期間に移行すると思います。
「まだこの期間から抜けられないのか」などと自分をジャッジせず、
ひたすらに自分を観察して、自然な流れを掴みましょう。
人とのつながりを意識する
仕事を辞めると、必然的に人とのつながりも減ります。
もちろん、自分にとって不要だと思う付き合いならば、
なくなるのは喜ばしいことだと思いますが、
そもそも人と接する機会がなくなるのは、
次第に精神的に追い込まれることにもつながります。
この記事を読んでいる方には内向型の方も多いと思うので、
一人で楽しんだり満足できる方もたくさんいるかと思うのですが、
かと言って全く人と接することがないのも、
自分の中だけでひたすら壁打ちを続けることになり、
ストレスになると思います。
事務的なことやカウンセリング以外で、
誰かと話す機会はありますか。
友達や家族と話したり、
イベントに参加したり、
SNSで知り合った人と話をしたり。
無職だって、友達と遊んでいいのです。
人の集まるところへ出かけたって、いいんですよ。
今まで閉じ込めてきた分、
たくさん想いが溢れて、
SNSやnoteへの発言が多くなるかもしれません。
そうなった時、「暇人だ」とまた自分をジャッジする必要はありません。
おそらく、精神的な成長の過程で、
そうやって自分を整理し、アウトプットする期間なのです。
そんな期間に、自分を一人きりに閉じ込めておくことは、
まあまあリスクもあります。
とにかく、真面目なことでもそうでないことでも、
自分の話をしたり交流するなど、
無理な外交ではなく、穏やかな人とのつながりを、忘れないように心がけるといいと思います。
ここまでが、退職後の過ごし方についてでした。
退職後はぜひ、「やりすぎ」なくらいを意識して、
自分に優しい生活を心がけてみてください。
会社を辞める元々の目的、「やりたいこと」に向かうのは、その一呼吸をおいてからで、全然いいんです。
しっかり休んで、自然と「やりたい」と思うまで待つのが重要です。
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。
次回は締めくくりとして、
少しだけ挨拶の記事を書かせていただきます。
以下はマガジンの全体目次となります。
他の記事ももしよろしければ、読んでみてください。
ここから先は
何だか仕事が辛い、自分の人生じゃないみたい。やりたいことがあるのに言葉にならない…だけど思い切って辞めました。私と似た性質の人が、心から安…
よかったらサポートお願いします。いただいたサポートは、次の文章を書くエネルギーに使わせていただきます。