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具体的な”量”を把握すると怖くない 【“深く考える人”が幸せになれる 仕事の辞め方ガイド 2-2】


前回、「仕事を辞めたい」と思った時に湧いてくる「お金の不安」への対処として、
「お金を自分の味方にする」方法をお伝えしました。

今回は、「お金の不安」への対処法として2つ目の「客観的に事実を知る」方法についてお話ししていきたいと思います。


この記事はこちらの連載の一部ですが、単体でも読めるものとなっています。


「客観的に事実を知る」と聞くと、「何だか固くて難しいこと」「怖いこと」というイメージも沸きそうですが、逆です。

人はわからないことに不安や恐怖を抱きます。

なので、一旦冷静になり、事実を知ること、
つまりお金に関しては、「具体的な”量”を把握する」ことが、不安を払拭する手がかりになります

※ただし、この記事でお伝えすることは、あくまでも「具体的なことを知ることで安心できる」人向けのものになります。
中には、事実を細かくみることを飛ばして、お金に対する安心感を得られてしまう人もいると思います。
そういう方がこの記事で言うことを実践すると、足取りが重くなって逆効果になってしまう可能性があるため、すんなり読めるところまで読み飛ばしてください。

どちらが良いとか、悪いとかはありません。
自分がどちらかわからなければ、一旦読み飛ばして、後で「必要だな」と思ったら戻ってくるという順番でも、構いません。


お金に関して具体的な”量”を把握する手順は、以下のように考えます。

①今持っている全額を知る
②日々使うお金を知る(税金も含め)
③①と②を計算し、いつまで働かずにいけるかを知る

ただし、これをただ知るだけでは、十分ではありません。
この数字に対してどう考えるか自分の深い部分と対話すること
また、お金が増える可能性に関しても考える余裕を持つことが重要です。
(今はまだわからなくて、大丈夫です。)

では、順番に見ていきましょう。



今持っている全額を知る


今、自分の所持金はいくらか知っていますか?
それを知ることは簡単なことでありながら、意外と無頓着な方もいるのではないかと思います。

当然、お財布の中にある現金のみのことではありません。
自分の持っている全銀行の全口座にあるお金と、お財布の中にある現金の合計金額です。

中には定額預金等で固めていたり、投資などで現金以外の形に財産化している方もいるかもしれません。
これも明確な使い道がなかったり、使い道を考えていても「自分のための時間作り」より優先度が低い場合は、可能な限り早めに自分のお金へと換金して、「全額」の方に含めた方がいいです。
「全銀行の全口座にあるお金の合計金額」と「自分の気持ち」を合わせて、柔軟に考えていきましょう。

さて、合計金額は把握できましたでしょうか。

前記事でもお伝えしましたが、それは全部自分のために使っていいお金です。
数字で「ちゃんとした人」を世間に公表するものでも、
身近な人を安心させるためのものでもなく、
全て自分のもの、という認識を持ってください。


日々使うお金を知る


次に、自分が使っているお金について把握します。
主には「月々の出費」ということになります。

家計簿をつけている人なら簡単にわかりますね。
(ただ退職するとそれに「税金」も含めたものが月々の出費ということになるので注意が必要です)

しかし記録はつけていない、全くわからないという人もいると思います。
その場合は、固定費とその他に分けてざっくり算出してみましょう。

項目は、例えば一人暮らしの未婚の方と仮定すると…

【固定費】家賃 通信費 水道光熱費 食費 生活用品費 ローン 保険料 税金
【その他】交際費 エンタメ費 雑費

みたいな感じになると思います。
これらをそれぞれざっくりな数字にしていきましょう。

まずは固定費についてです。

家賃は多分わかりますよね。
通信費も大体把握してるんじゃないかと思います。
水道光熱費は1万円くらい、食費は2万円くらいでしょうか。
生活用品費は石鹸や洗剤や生理用品などのことです。地味にないと生きれないものですが月々1000円〜2000円くらいあれば十分と思います。
ローンや保険料はご自分で入った覚えがあれば契約書を確認してみてください(この際見直すのも大ありです。また学生時代の奨学金がある方もいると思います)。


問題は税金です。会社を辞めると、今まで会社が自動的に差し引いてくれていた分を今度は自分で直接納めることになります。
金額は万単位になるので、これを含めないととんだ計算ミスになってしまいます。

今払っている税金の金額は会社からの給与明細に記載されているので、大体の目安として確認してみましょう。

(ただし厳密には会社を辞めると健康保険が高くなる、雇用保険は払う必要がなくなるなど変動が起きます。)

退職してから払う税金としては以下のものがあります。
・年金
・健康保険
・住民税


(「所得税」に関しては退職金をもらった場合にかかったり、年末調整でむしろ還付が受けられる可能性が高いものなので、ここでは含めません)

自分が払う詳細な金額を知るには「退職 税金」などと検索して調べてみてください。

本当にざっくりすぎる目安ですが、私が手取り20万くらいで退職した年の月々の税金合計は5万円台でした。


ここまでで最低限、月々にかかる大体の金額が算出できたと思います。


あとは、その他の項目「交際費、エンタメ費、雑費」ですが、これは自分でいくらでも調整できる項目として分類してみました。
友達とのご飯や、サブスクリプションサービス、その他嗜好品や趣味のもの、本を買ったりなどをざっくり算出してみてください。

この後の計算で思いっきり安心したい方はこの項目は含めなくていいですし、
一応含めて月々に余裕を持つ(計算自体は少し厳し目にいく)というのもありです。
好きな方でやってみてください。


それと、これを考えると少し難易度が上がるのですが…
月々に含めないけど、年間で見ると使うお金もあると思います。

例えば衣類や化粧品、美容院、友人の結婚式のご祝儀、家賃の更新費用などです。
(他にも車関係やどうしても行きたいライブ、持病のための検査代…など、人によっていろいろだと思います。)

化粧品などは贅沢品は買わないとしても、切らしてしまったり、最低限どうしても必要な場合もありますよね。

またそもそも自分が大変な時に人の結婚が祝えるか…という考えもあるかと思いますが、
むしろそういう時でも快く人を祝える状態である方が心地良い、という人もいると思います。
逆に本当に自分のための時間を取りたいから、お断りしたい…という人もいると思います。
人それぞれ、場合によりけり、だと思います。
計算に入れるとしたら、現時点で予定が決まっている分だけで十分です。

今は目安を知るためだけの算出ですので、あくまで今の自分が苦しくない具合を考えて、計算に入れてみてください。

数ヶ月で就職を考えている場合は使わない可能性もあるので、全く入れないのも手です。


いつまで働かずにいけるかを知る


さて、ここまでで「自分の持っている全てのお金」と「月々に使う予定のお金」が出せたと思います。

これを割り算することで、何ヶ月後まで働かずに暮らせるか、というのが算出できます。

「自分の持っている全てのお金」÷「月々に使う予定のお金」=働かずに暮らせる期間

もし計算に「年間で使うお金」も含めるのであれば、「自分の持っている全てのお金」から引いた上で計算を行ってください。

何ヶ月後まで働かずに暮らせそうでしょうか。
意外と長期間持つことに気づくでしょうか。
あるいは1ヶ月くらいで暮らせなくなってしまいそうでしょうか。

いずれにせよ、その算出した期間は、働かずにいても大丈夫ということになります。

ある程度明確に見えてきたと思うのですが、
ここで大事なのは、この計算をして終わらないことです。


計算をした後に大事なこと


大事なこと、それは先ほどの計算で算出された○ヶ月という数字に対して、自分はどう感じるかということです。

○ヶ月後までは働かずに暮らせると分かったとしても、
その月以降を想像すると、突然イメージが真っ暗になっていたりしませんか?

でも、よく考えてみてください。
○ヶ月後○月○日の深夜0時にいきなりのたれ死んでしまう…
そんな非現実的なことはありませんよね。

例えば3ヶ月後まで働かずに暮らせると算出できた場合、4ヶ月目の1日目も、
屋根のある場所に暮らして、いつもの柔らかいお布団で寝て、冷蔵庫には食材がいくらかあって、水も電気もガスも使える…みたいなイメージでほぼ合っていると思うんです。

そしてそれは、2日目も3日目もそうです。

考えてみればそりゃそうですよね。
家賃は大体前の月に払っていますし、食材も買い置きしますし、
水道光熱費は後払いですから。
今持っている物がいきなり奪われるなんてことは、ありません。

それから試しに逆にも考えてみましょう。
○ヶ月後まで働かずに暮らせる、けれど、
その1ヶ月前あたりには、口座の残高はどんな数字になっているでしょうか?
その時、自分はどんなことを考えるでしょうか?

今、突然その状況を思い浮かべると焦ってしまうかもしれないですが、
その時、もう既に十分休んだ自分の精神状態って、どんな感じになっているでしょうか?
もしかして、何かやりたい、動き始めたいと思っているんではないでしょうか?

今これを考え尽くすのは、難しいとは思います。
不安を煽るようでしたら、ごめんなさい。

でも、ここで言いたいことは、わからないからこそ、
不安になっても仕方がない
ということです。

とにかく、「このままいくと計算上の期限を過ぎて突然世界が真っ暗になって『死』」
みたいなイメージは間違いなので、全くしなくて良いです。

それと、口座の残高が減るのに比例して精神を蝕んでいく…みたいなイメージも違うので、しなくて良いです。

その時どんなことを考えているかは、その時になってみないとわからないので、
今考えてもあまり意味がありません。
それは今の自分のやるべき事ではないんです。

今できることは、勇気を持って、未来の自分にお任せすることくらいです。

それは未来の自分を信頼するということでもあります。

試しに、「未来のあなたを信じるよ」と自分に言ってみてください。
どう感じますか?

人は信頼されると、健全な責任感を持ち始めます。
未来の自分を信頼してあげることで、健全な責任感から、
自分の人生をより良くするにはどうすれば良いのか、
という風に自然と前向きに考えるようになります

計算をした後に大事なことは、このように
数字以外の自分が持つエネルギーを信じて、委ねることです。

そしてそれは思考を放棄して投げやりになることではなく、安心した状態で自分の深い部分と対話することで、できるようになります。

と言ってもなんだか難しいのですが、言葉で簡単に言い表すと、
意外となんとかなる。」
ということです。笑

いや、ここまできてそれなの?という感じかもしれないですが、
これを言い続けると、本当になんとかなります。

(外側に漏らすとなぜか無責任なように聞こえてしまう場合もあるので、
自分の内側だけでお守りにしてみてください。)

「なんとかなる」
と、自分を、自分の行く末を、信じられるようになるには、やはり時間をとって自分と深く向き合うことが大切だと思います。

それと、もう一度言いますが計算で算出された期間内は、絶対に大丈夫というのを認識し、その部分に安心感を持っておくのも大事です。


そして…
仕事を辞めた人が「意外となんとかなる」のには、
実はある程度理由もあるんです。

次回は、その理由の具体的な内容をお話ししたいと思います。


ここまでお読みいただき、ありがとうございました。


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