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享年、二十歳

もしも神がいて
人間の寿命を二十歳にプログラムする
そうしたら、どんなに幸福だろう!

秩序的に平等で、不平等にも無秩序となった僕等は
果てしなく自由で、あまりにも刹那だろう
大人なんて存在しない
大人っぽい子どもがいるだけ

小遣い程度の人生だ
昼過ぎに目覚め、夕方から働き、晩飯をどうしよう?
病的な量の合法ドラッグ
踵が浮くほどの、飢えたセックスに明け方

平等な命を生むんだ
平等に、平等に

義務教育のない草原に寝そべって詩を浮かべたら
アナーキストの洞窟に集まって革命前夜
歌いたいとき、歌いたい場所で、歌いたいように
あるいは歌わなくたっていい

走りだした!
無免許運転の肉体に飛び乗ったせいで
寝台列車の窓硝子に飛び散った君と
僕も、平等に死ねた

それって、あんまり幸福だ
よかった
アルコールの味を知らずに済んだ
それじゃあ、おやすみ

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