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パニック障害⑦心療内科

今では検索すればあちこちに心療内科があって選び放題だけど、
当時は探しても数件程度しかなかった。
何を検査をして、
どんな診療内容で、
処方される薬はどうなのかなんて調べられなかった。
パニック障害で検索しても、
救急の医師に言われた程度の情報しか見つからなかった。

心療内科に受診することに対して気が進まず、
行こうと決心しながらも勇気が出ず、
どんなことを聞かれるのか、
どこからどう話せばいいのか、
余計なことばかり頭の中を駆け巡っていた。

症状は続いている。
1日に何度も息苦しくなる。
何かしようとする度、
どこかに行こうとする度、
動悸に襲われる。
一日中ずっと恐怖感が付きまとって来る。
心も身体も疲れて仕方が無かった。

暖かい色の看板で、
病院名も夏に関わる名称だったことで、
なんとなくここに行こうと決めた。

心理検査で木の絵を描いた。
カウンセリングで生い立ちを聞かれた。
症状を話した後、
先生から病気の説明を簡素にされた。

診療時間30分程。
”あなたはパニック障害です”
”薬を処方します”
”薬を服用すれば治ります”
”次回は一週間後に来て下さい”

あっさりした診察だった。
先生も看護師も機械的な対応で冷たい印象だった。

あの木の絵は何を見ていたのですか?
生い立ちを聞いてどんな事が見えたのですか?
この症状が起こった原因はどこにあったのでしょうか?

聞いても具体的な見解を教えて貰えなかった。

”焦らず薬を飲んで経過を見ましょう”
”薬は一生飲み続けても心配無いですから”

え?
一生薬飲むことになるの?
さっき治るって言ってたのは
一生をかけてってこと?
しばらく薬を飲んで治る病気じゃないってこと?

私は、とても混乱したし、
とても不満だった。
パニック障害という病気に対する理解が出来なかったから。
生い立ちや日々の生活、
私の人格がどうパニック障害に結びついたのか。
薬の効能は身体にどの様な効果をもたらし、
身体はどの様に変化していって、
どのくらいの量、
飲み続けなければいけないものなのか。
何が原因だったのか知りたかった。
発症した原因が見えるのなら教えて欲しかった。
それを理解したくて心療内科に来たのに。
病気になったショックよりも、
何も得られなかったことにガッカリした。

数種類処方された大量の薬の中で、
発作時に飲むと言われる頓服薬だけ残して、
残りは一錠も飲まずに捨てた。

悔しい。
そう思った。

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