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今、必要な場所へ必要な力を。

週末に入った一本の連絡。

「雇用している若手社員に仕事がない。どこか働ける場所はありませんか。」

 私の仕事は全国の観光施設や宿泊業、及び農業で働く方のための採用支援です。連絡をくれたのは交通関係のお客様。その時に頭に浮かんだのは、同じように抱えている社員の仕事を探していた宿泊業のお客様にご紹介したことでした。

 新型コロナウィルスの感染拡大による外出自粛ムードの高まりで全国の観光業は大きな打撃を受けています。観光地へお客様を運ぶ役割、観光地でお客様をおもてなしする役割、そしてそこで消費される食材・お土産品を生産してくれている皆様、全てが大きな影響を受け、生き残りをかけて必死なのです。

 外出自粛の中にあっても人は生きていかなければいけないので、農家の皆様はこれからが正に忙しくなる時期。しかしながら、近年の日本の農業は外国人技能実習生による助けなしでは成り立たなくなっているのが現状です。そして現在、農家の皆様には大きな課題が起きています。今年来る予定だった外国人技能実習生の来日が延期、もしくは中止になっているのです。すでに来日している方も帰国を余儀なくされたり、感染拡大の不安から自身で帰国を選択される方も出ています。今まで通りの野菜等の生産ができなくなる懸念が出ているのです。

 私が先にあげた宿泊業と交通関係のお客様にご紹介したのは、この農家の皆様とのマッチングでした。すでに高原野菜で有名な群馬県の嬬恋村では下記のような動きがあるようです。

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群馬県は遠い…

という方もいらっしゃるかもしれませんが、地元の農協等に確認されてみるのも一つの方法かもしれません。農作業には多くの手間がかかります。私がわかる範囲でも、5月からは耕した農地に畝を作り、そこに乾燥を防ぐマルチと呼ばれるシートを全面に貼り、そこに苗を植える穴を開けて植えていきます。これを自分の農地全部で行うのです。大きな農家さんになると、目に見える範囲全部が農地、みたいな方もいらっしゃいます。そして収穫も商品となる野菜を傷つけぬよう、手作業で行われているところが多いと聞きます。

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あくまで一つの手段と考え方ではありますが、このような事態においてはワークシェアはもちろん、今、必要なところに、必要な力を集めることも重要ではないでしょうか。医療関係の方の人員不足、医療関連の物資不足も目にします。その一方で、昨日テレビ等で目にしましたが、学校給食用の食糧在庫の余り過ぎが社会問題になっていることも紹介されていました。いつ再開されるかわからないので捨てられるのをわかっていても作り続けなればいけない農家の方の気持ちを考えると胸が痛みます。個人や家庭でできる感染予防や、食料消費の協力などは積極的に行う一方、その枠を超えるようなことは、皆の知見を集めてこの苦難を一緒に乗り越えられたらいいなと思います。

 私たちでは、採用・労務等の観点から、様々なご相談を受け付けております。明けない夜はありません。コロナの後に再度元気な毎日が過ごせるようご協力ができたら幸いです。

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