シミ
だんだんと言葉が染み付いて。
滲んで、消えなくなった。
ぽたぽたと水を垂らしても、消えないようだ。
雨に打たれれば消えるかもと、外へ出た。
傘を刺さずに歩いた。
それでも消えなかった。
じゃあ好きな人に会いに行こう。そうしたら消えるかもしれない。
楽しい時間を過ごした。
でも、それでも消えなかった。
時間が経てば消えるかもしれない。
3年がたった。
消えなかった。
僕は気づいてしまった。
このシミは、消えないようだ。
消えるのだろうか。
もっと、もっと時間が経てば。
そしたら、シミのことなんか忘れるのだろうか。
わからない。
だから、
今日も、明日も、シミついた服を着飾る。
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