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親知らず抜いた(無限抜歯編)

↑のような経緯で親知らずを3本抜くため、2泊3日の入院をした。
落ち着いたのでレポートをば。抜糸の日までの経過付きです。

1月8日(金)

この日は入院前の検診。12月は予約がすでに埋まっているとのことだったので、1月からもろもろ本格的に進めることになった。
レントゲン、心電図検査、採血、全身麻酔の説明など。「コロナで病棟ひとつ潰すことになったら入院延期になるからごめんね」と言われ、医療崩壊を肌で感じる。そりゃあもう入院する人の中で一番緊急性低いからいくらでも後回しにしてくれてかまいませんとも(無事予定通りの日程で入院できました)。
入院まで健康観察するための紙を渡され、この手のタスクが何より苦手なのでアア〜〜〜となった。ちなみに今、大学でもオンラインで健康記録をとっているのだけどそれが前日より遡って記録できないシステムで、それを何回も忘れると卒業がかかってようが入校できない鬼畜仕様なので私はこの日から23時にアラームをかけた

1月20日(水)

入院。13時くらいに受付。支度している時から唯一不安だったのが「はたして病院にWi-Fiはあるのか?」ということである。「○○病院 Wi-Fi」「入院 Wi-Fi」とかでめちゃくちゃ調べたけどヒットしなかったし気づいた時にはポケットWi-Fiを借りる時間もなかったので、とりあえずWi-Fiがなかった時のために星野源のアルバムだけ全部ダウンロードしておいた

サンキュー星野源、お前は2泊3日のお供に決定だ。

この日は正直マジで暇だったしマジで暇になることもわかっていたのでここぞとばかりに積ん読を消化。

上から
ゴールデンカムイ1巻・2巻/野田サトル(※アニメオタクの友達がくれた)
オルタネート/加藤シゲアキ(※ジャニーズオタクの友達がくれた)
結婚の奴/能町みね子
イルカも泳ぐわい。/加納愛子

あと入院直前に大学から「卒論審査用のパワポ出してください」みたいなメールが来てたしノートPCも持ち込んでたんだけど、表紙だけ作って満足して結局いまだに手つけてない。

病室は4人部屋で、おそらくみんな抜歯のために入院している人。隣のベッドの人は今さっき抜いた人みたいで、めちゃくちゃ苦しんでいるので不安が煽られる。あと廊下からおじいちゃんの嗚咽がずっと聞こえてくるので星野源にとても感謝した
私の手術は明日の昼頃らしく、看護師さんの他にも手術をしてくれる先生や麻酔科の先生やらがご挨拶しにきてくださり、そのたびにネカフェのオタクみたいな態度をとっている私に若干引いている態度をひしひしと感じた。
人生初めての病院食を食べる。みんなが味が薄いとか脅すから真に受けてふりかけ持参したのに全然おいしかった。給食のノスタルジーを思い出す。明日は朝昼絶食、手術後は通常の食事が出ないのでこれが最初で最後のノーマル入院食だ。
共用の洗面台が部屋の入り口付近にあるのだが、別にそれぞれ挨拶をしているわけでもないので歯磨きや洗面をする時間にいちいちものすごい空気の読み合いが発生する。今誰かがカーテン開けたな……歯磨いてるな……戻ったな……次誰行く?行かない?私行っちゃうよ?みたいな魂の譲り合いがあった。
21時に消灯され、明日は6時に起きなければいけないのだが、日常的に朝4時半までラジオを聞いているため入眠が一番つらかった。

1月21日(木)・手術当日

6時起床。結局何時間寝れたのだかわからないがこのあと強制的に意識が飛ぶイベントが待っているので良しとする。
絶食のため健康観察的なこと以外は特にすることがなく、引き続きネカフェのオタクのコスプレをする。
向かいのベッドの子(おそらく年下だった)が朝イチの手術で、またも死ぬほど苦しんでいたので冷や汗が止まらない。看護師さんが「口から痛み止めを飲めるのは手術後何時間か経ってからなので、それまで我慢できない痛みが出たら座薬で対処するしかない」と言っているのが聞こえ、絶対にそれまで耐えたい……と強く思った。
そしてこのタイミングでゴールデンカムイを読んだのだが、口の中を切り刻まれる前に読む漫画としては完全に不適だった。

看護師さんに声をかけられいよいよ手術室へ。部屋に入る直前、手術室の看護師さんに本人確認のため「抜く歯の位置を教えてください」と言われるが、下の歯は両方だけど上はどっちだっけ!?というのがマジでわからなくなる病気のやつが出て「左ね〜把握しといてね〜(苦笑)」みたいな反応をされる。申し訳ねえ〜〜〜

手術台に上がり、「○○しますね〜」的な声かけに返事をする。歯医者とか美容院でもそうなんだけどこれって普通どこまで返事するもんなのですか?もしかしてしなくてもいいのですか?
はい、はい、とやっているうちに酸素マスクをつけられ、なんとなく頷く感じだけ出していると何の前触れもなく「麻酔の針刺しますね〜」と言われ……あれ?これ麻酔?微妙にぽやぽやするかもしれん。え?これもう来る?何秒でかかるか数えたかったんだけど!い〜ち

と思ってたらもう意識飛んで気がついたら歯が3本抜かれていた。
軽い恐怖体験だったので絶対に薬物はやらないでおこうと決めた。

意識が朦朧としたままベッドで元の病室に運ばれる。時間は確認できなかったけど手術自体は1時間かかってないと思う。
だんだん麻酔が切れてきてうっすら痛かったが、私は痛みよりうまく唾液が飲み込めないことがつらかった。そもそも痛みに強いタイプというのもあるのかもしれないが、結局私は座薬どころか夕飯の時間まで痛み止めを要求することすらなかった。めちゃくちゃ痛い・めちゃくちゃ腫れるということにビビり散らしていたので拍子抜けしたが、看護師さんも声かけるまで痛み止め要求してこないのは相当レアケースと言っていたので苦しむ可能性の方が全然高いのだと思う。点滴もしていたしさすがに起き上がることはできなかったが、15時半にはツイッターしていた。

夕飯は刻み食と言われるパターンの、まあ要するに離乳食とか介護食みたいな感じのアレ。ご飯はお粥で、おそらくおかずは通常食をすり潰したものだったと思う。これも普通に味濃かった。
数時間前に手術したばかりだし、点滴で栄養は摂れるので無理せず!と言われていたが、シンプルにお腹が空きまくっているのと痛みがあんまりなのと食い意地が張っているのとで完食した
看護師さんが毎食後にどれくらい食べられたか確認しに来るのだが、完食したと言ったら栄養剤の点滴を半分で切り上げられた。向かいのベッドの子は「全然食べられませんでした……」と言っているのが聞こえ、ということは私の「完食しました‼️」も筒抜けているので勘弁してほしい。

さすがに夜中に痛み止めが切れて目が覚めるのを覚悟して寝たが、びっくりするほど快眠だった。

1月22日(金)・術後1日目

今日も6時起床。朝先生が様子を見にきて問題なければ午前中に退院と言われていたが、もう見なくても感覚でこれは確実に退院できるとわかったし当然退院できることになった。朝ごはんも刻み食でしっかり食べました。
1本点滴をして、終わったら会計して退院していいですよということだったので11時には退院できました。70000円弱でした。まあ予想の範疇かな。
一応帰りにマツキヨに寄ってウィダーのパチモンを大量に買っておいた。

結局私は「点滴終わりました」以外の用途でナースコールを使うことなく、正直イメージしていたより遥かに痛みもなく驚くほどスムーズに3本の抜歯を終えてしまった。入院中風呂に入ることができなかったため、帰宅しすぐシャワーを浴びたがそれによって痛むことも腫れることもなくこんなに経過が順調でいいのか?と逆に不安になる。インターネットの人は48時間後に腫れるだの言っているので本当なら明日すごい痛くなるのかな……とビビりながら寝た。

1月23日(土)・術後2日目

もっと腫れると予想していたので念のためこの日まで完全な休みにしておいたのだが、別にたいして腫れなかった。後になってみれば一応この日が一番腫れていたのだが、それでも「なんか輪郭丸くなった」程度であった。
48時間神話も崩壊し、口の内側の腫れも完全に治る気配を見せ始めたのでなんかもう大丈夫なやつだと悟る。それより多分手術中にできた全然関係ない口内の引っ掻き傷みたいなのが痛い。大丈夫すぎてすでに固形物が食べたくなってきているし、口も大きく開けられるけどまあ抜糸までは我慢しよう、なんか痩せる気がするし、と思って耐えた。


前のnoteにも出てきた友達の歯科助手に抜けた歯の写真を送ったら小さいと言われたので、生え方が変なだけで歯が小さかったからあまり痛くならなかったのかもしれない。

1月24日(日)・術後3日目

夕方からバイトを入れていたが特に何の問題もなかった。接客だから術後3日で入れるのは早いかな〜と思っていたけど、こんなご時世でマスク必須だということもあり何の問題もなかった。
強いて言えば、この日くらいから頬にアザができたので、痛くはないけど見た目は殴られた人っぽくなっていた。

1月25日(月)・術後4日目

何の予定もない日。特に痛みがぶり返すこともなく、この日から完全に痛み止めを飲まなくなった。

1月26日(火)・抜糸・術後5日目

午前中に病院に行き抜糸。術後5日目に抜糸というのはすごく早く、一週間くらいを推奨されていたのだけど、予定の関係でこの日にしていた。だからもし行って「あ〜これはまだ無理だね」となったら素直にもう一度予約を取り直す気でいたのだが、案の定経過が素晴らしかったので何の躊躇いもなく抜糸していただけた。
アザだけはまだ残ってるけど、もう黄色いのでじきに消えると思う。点滴を刺していたところも小さくアザになっているので、ただ単にアザになりやすい体質なのかもしれない。

というわけで無事に入院も抜歯も抜糸も終わり、あとは穴が塞がるのを待つのみです。あまりにも術後の経過が順調だからなんか尻すぼみになっちゃったな。
これから歯を抜く人のために(いるのか?)補足しておくと、2泊3日の入院自体は70000円弱でしたがその前に2回通院して検査をしたりを含めると全部で80000円くらいはかかりました。もちろん保険適用ね。だけどやっぱり繰り返し通院して腫れて……とかのストレスを考えたら正解だったな〜と思ってる。病院がアタリだったのかもしれないが。私のように全く苦しまない人も稀にいるので、希望を持って抜歯に望むように(?)

自宅に戻ってからの食事はレトルト粥・めちゃ煮たうどん・ウィダーのパチモン・牛乳に浸して時間置きまくったシリアル・スープとかです。今日抜糸が終わってからはもう噛めるわと確信してホットケーキ焼いて食ったけど。まあそれは術後の経過によるだろうからアテにしないように。

なにより(たまたまだけど)こんな大変な時期に親知らずごときでベッドを埋める若者に丁寧に接してくれた病院の先生や看護師さんたちってやっぱりスゲ〜と思いました。

あと、親知らず抜歯のために入院するわ‼️と言ってからバカにしたり励ましたりしてくれたお友達のみなさん・ツイッターのフォロワーのみなさんも本当にありがとうございました。君らが入院した暁にはハイキューを進呈しよう。入院が決まった者からDMしなさい。

思えば大学生になってから鬼のように虫歯を作る時期があったりと、わりと歯に振り回されて歯医者に通い詰めた数年間でした。平成から令和になる直前に歯が欠けてこれが本当の平成ペインってな!とか言っていたのも今となっては懐かしいです。

ひとつ言えるのは、

歯は金がかかるからマジで大事にするように

ということです。
もう今後の人生は定期検診以外の用事で歯医者に行きたくない。

読んでくれてありがとうね