リスクだらけの景気だからこそ「現状維持バイアス」打破の機会と捉えて前向きに生きる

現状維持バイアスというものがあります。現状維持バイアスとは、現状が最善だと思い込んで変化を嫌う心理現象です。現状維持バイアスの背景には損失回避性と言われる「利益」よりも「損失」の方が大きいと捉えてしまう心理現象が働いているようです。安定した現状から変化させることによる利益が大きいかもしれないのに、考えうる損失の方が大きいと思ってしまうそうです。

世界的な感染症による経済不況に陥っている現在は「現状そのものが損失」になっている場合があります。その場合は「現状維持バイアス」から抜け出す絶好の機会かもしれません。

テレワーク採用は強制的な「現状維持バイアス」打破

身近な例でいうとテレワークです。私の勤め先もそうですが、多くの企業が必要にかられてテレワークをほぼ全面的に採用していると思います。もし感染症の脅威が無ければしていなかったと思います。

このような企業はテレワークできるのに採用していませんでした。それはテレワークによる利益と損失を正確に捉えられていなかったのが背景にあると思います。経営判断において現状維持バイアスから抜け出すには、計測可能な数字が必要です。テレワークの導入に伴う利益と損失は予測しにくいと考えられます。

感染症の危険性が高まったことで、テレワーク導入で想定できる損失よりも、感染症による損失の方が大きくなりました。これによって各企業は会社に集まらなければならないという現状維持バイアスを打破できた例だと思います。

実際に効果が出るかどうかは業種や企業文化にもよります。そこは数カ月後に振り返ってみないと分かりません。

転職の機会と捉える

個人に落とし込んでみましょう。最も大きな話だと、例えば「転職する」という行動もあえて今この時期行ってみるのも良いかもしれません。この不景気で転職なんてリスクが高いと感じます。しかし、この不景気だからこそ環境を変える契機として利用できる側面があると思います。

求人サイトを見てみると、意外と求人は生きています。もちろん業種や職種にもよるので一概には言えませんが、それはいつだってそうです。

アルバイト生活に嫌気が差していたら、この機会にキッパリと辞めてしまい、別の契約形態に挑戦してみても良いかもしれません。不幸にも職場が休業状態になってしまったとしたら、逆に転職活動を行う絶好の機会です。

いま求人を出している企業は、感染症による影響を受けにくい企業だと思われます。あるいは、これを機会にサービスを拡大している企業かもしれません。感染症による自粛要請はいつまで続くか分かりません。数カ月先まで実質的な無職でいるか、来月からの仕事を確保するか、どちらを選びますか。

転職支援活動を行っている企業もこのご時世なので必死なはずです。良い出会いがあるよう祈っています。（あくまでも自己責任です。）

積み重ねの機会と捉える

転職するまでもない方々にとっても、現状維持バイアスから抜け出す契機です。

現状維持バイアスを抜け出す方法として「スモールスタート」があります。言い方はいくつかあります。ベイビーステップと言ったりもするようです。転職のように大きく変えるのは難しくても、小さな変化であれば、影響を最小限に抑えられます。

テレワークをしている方々は通勤時間と昼休憩時間が丸ごと自分の時間として加算されていると思います。この時間で今までやってなかったことをやってみたらいかがでしょうか。

例えば、昼休みに料理をしてみる。料理でも今まで挑戦したことのない料理を作ってみるのも良いかもしれません。

例えば、楽器を演奏してみる。この記事を読み終わったら、気になっていた楽器をネットで買いましょう。夜はなかなか演奏できないと思っていた方も、昼休みの中の数十分で挑戦できるようになります。楽器は中古でも売れるので、駄目だったら売却してしまえばある程度は回収できると思います。

例えば、noteを書いてみる。noteは大きなテーマが決まってなくても気軽に書けるので書きやすいですよ。

他にも読書や絵画や筋トレなど、「そういえばやってみたかったんだよね」という事があれば、挑戦してみると良いかもしれません。嵌まるものがあれば儲けものです。小さく始めた趣味を少しずつ大きくしていくのです。

暗い話題だからこそ自分と前向きに向き合う

ニュースサイトをみていると暗いニュースばかりで滅入ります。暗いニュースにはネガティブな反応が集まりがちなので、見ている方は余計に疲れてしまいます。

明るい話題は自分で作りましょう。今こそ現状維持バイアスを打破する機会と捉えて、新しい自分を見つけてみてはいかがでしょうか。