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ハロウィンの時期になると感じる日本らしさ

10月31日はハロウィンです。私の上の世代から言わせたら日本では「最近流行りだした」風習らしく、日本でハロウィンをイベントとして楽しむ歴史は浅いようです。私は子供の頃から英語教材や英会話教室を介してハロウィンをよく知っていました。英会話教室のハロウィンパーティでは外国人の先生方がとても楽しそうに過ごしていたのを覚えています。私にとってはクリスマスと並んで例年行事として定着していました。

(余談ですが、英会話教室に通っていた割には大人になっても英語は苦手です。)

日本では2000年頃に東京ディズニーランドやユニバーサルスタジオジャパンがハロウィンイベントを始めたあたりから広く認知されていったそうです。気がついた頃には日本でも夏を過ぎるとカボチャのランタンをシンボルとした関連商品が並ぶようになり、ハロウィンを楽しむ人が増えました。

私は日本でのハロウィンの様子を見ていると、とても日本らしさを感じてしまいます。お祭好きな気質と、改変して別物に作り上げてしまう文化です。例年の渋谷の様子として取り上げられる一連は日本らしさを凝縮していると言えます。

お祭好きな気質は言わずもがなです。日本人は日頃は慎ましく過ごしていた人でも「お祭り」となると羽目を外します。外しすぎるのも問題になりがちで、刑事事件が起きたりゴミが散乱する様子は例年のように批判の的として話題に上がります。しかし羽目を外しすぎるのはハロウィンに限りません。花火大会などの伝統行事でもこれらの問題は起きます。悲しくはありますが、ある意味で様式美だとも感じます。

日本でのハロウィンの様式は、西洋のそれと比べたら随分と異なります。子供が仮装してお菓子を奪って回るなんて文化はほぼ見られず、大人が好き勝手に仮装して飲酒して騒ぐ印象の方が強いです。仮装と言ってもお化けに関連するものに限っておらず、ほぼコスプレ大会です。もはや私が子供の頃に知ったハロウィンですらなくなっています。

日本でのハロウィン文化の改変ぶりを見ていると、元祖であるキリスト教圏の方々に失礼ではないかという心配が湧いてきます。ところが、その心配は無さそうです。そもそもアメリカで定着しているハロウィンの様式も改変された別物でした。ハロウィンの起源はアイルランドのケルト民族のお祭りであり、キリスト教とも関係が曖昧なようです。カボチャのお化けで定着しているジャックオーランタンも、元祖はカブです。ハロウィンは西洋文化圏を中心に各地で独自に改変されているようでした。

日本では古来から大陸の文化を上手く取り入れてきました。クリスマスもそうですが、ハロウィンは特に象徴的な存在だと思います。今年は感染症対策と称して密な状態を避ける運びですが、どうなるでしょうか。堅苦しいことは抜きにして、楽しむ人は節度は保ちつつ好きに楽しんだら良いのかなと思います。

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