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ただの感想羅列(ノルウェイの森)

(記事トップ画像はAI生成)

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読み終わりました。ノルウェイの森(村上春樹)。

ちゃんと解説とかしようと思ったけど、書きたいことがありすぎて一生かかっても終わらなさそうだったので思ったことをそのまま羅列します。
ネタバレしかありません。



  • なんだこの1行目は。なんで、なんだこれ。どうしてあえてこの1行目にしたんだろう。あ?あ、そういうことか、これ読み返してから改めて思うと重要度が直子の死<キズキの死というか、本当に全ての始まりって感じだよね。

  • なのにキズキがどうして自殺したのかは最後までわからず。『こころ』みたい。

  • 突撃隊、結局どこに消えたんだろう……わからず。

  • 永沢さんの「また会う気がする」のフラグは回収されず(『こころ』と同じく回想のまま終わるので)だけど、冒頭「やれやれ、またドイツか」って考えているので、外務省勤めの永沢さん絡みの可能性はあるなあ。

  • 「やれやれ」何回でてきた?

  • 直子って、結局ずっとキズキの事しか愛してなかったのかな。

  • あの施設、当時としてはめちゃくちゃ先進的というか、ちょっと生きづらさを感じてる人からしたら羨ましい環境すぎる。美味しい野菜食べたいな。

  • レイコさんいい女すぎるよーーでも不幸に愛されちゃってる……旭川では幸せになっててほしい。

  • ハツミさんいい女すぎるよーー。唯一、「そのあと自殺した」と、回想~冒頭までの年月の間が書かれた人かな?全部永沢さんが悪い。

  • とにかく永沢さんが悪い。頭がよすぎて悪い。

  • 案外重要な永沢さんとナンパした2人組の『可愛くなかった方』の女の子。

  • 未成年飲酒とかガンガン出てくるよね。

  • その辺の食堂とかでタバコを吸うのも時代を感じる。

  • 緑ちゃんが本当にいい子すぎる。なんでこんないい子が……ラストの「あなた、今どこにいるの?」の発言は、現実主義でありながらも妄想の世界にたびたび耽る緑ちゃんならではのゾワッと感で、この瞬間私もどこかに置いていかれた。


ああ、そう、そう、ラスト。どうなるんだろう。37歳のぼくに戻ってくるのかな?って思ってたら……あの置いてけぼりラスト。主人公と一緒に私も電話ボックスに置いていかれました。自分の中の小さい自分、もしくは自分のほんの一部が、確実に作品の中に閉じ込められました。こうして自分ってすこーしずつ減っていくのかな。(すみません、いつもの意味のわからない話です)

さらに抽象的な感想を続けますと……村上春樹らしい言葉選び、文章構成によって『言葉』というものが次から次へと濁流のように流れてくる。けれどその流れに打たれるのが気持ちいい。そして時折間欠泉のように文章が高く吹き上がるのを見上げている、そんな感覚でした。

本当にいつも誰にも理解されなさそうな感想しか書けないですね。もっとちゃんとストーリーとか技術とかを解説したいし、自分の頭の中にはキチッとした感想もあるんですけど……書こうと思うと書けない……悔しい。誰か私の隣に座って、私が1行ずつ読み上げて感想を言うのをうんうんって聞いてて欲しい。それしか伝える方法がないくらい、いつもどの作品も1行1行で感動してるんです。

まあ、それは置いておいて、『人の複雑な心』とかそういうものがしっかり言語化されていて、誰もがどこかで「ああ……わかる」となれる作品ではないでしょうか。そして、それがときに気持ち悪くも感じるかもしれません。『他人の人生を覗き見している感覚』とでもいうのでしょうか。小説というよりも、誰かの手記とかエッセイとか、実録を読んでいる感覚で読むといいかもしれません。私はどちらかというとそんな感覚で読みました。そして、ラストだけが「小説だ」と思いました。全て裏切られたような気持ちというか、上で書いたように、自分を切り取られて作品の中に持っていかれたような、そういうあれになりました。だからわからんて。

ちなみに高校時代に一度読もうとしたのですが当時の私には難しくてすぐに挫折。いまは冒頭主人公に近い年齢になってますので……キズキの死→20年後回想に近い体験をしているわけですね。
不思議な縁を感じます。そんな『一度挫折した作品』という経験も含めて、私の中の忘れられない1冊になりました。

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