グレッグ・マキューン著「エフォートレス思考」
どうも、読書家のヒデです。
Twitterで本の楽しみ方や活かし方、読書術や選書術など本に関しての発信をしています。
さて、今回はかんき出版さんから2021年に出版された、グレッグ・マキューンさんの「エフォートレス思考」をご紹介したいと思います。
本書は昨日ご紹介させていただいたエッセンシャル思考の続編、第二弾なんですが、エッセンシャル思考では「何をやるか」という内容に対し、エフォートレス思考は「どのようにやるか」を教えてくれる内容になってます。
本書を私なりに一言でまとめると「無駄な努力を捨てて、簡単なやり方で最大限の成果を出す」と言うことだと思います。
エッセンシャル思考で自分にとって大事なことを優先したにもかかわらず、走っても走ってもゴールに近づけない。成果を出したいのにエネルギーが足りない。真面目に頑張ってるのに何故かうまくいかない。やる気はあるのに成果が出ない。疲れるばかりで前に進めない。そんな悩みを解決してくれる1冊だと思います。
著者のグレッグ・マキューンさんも、エッセンシャル思考が大ヒットして多忙な毎日になったんです。世界中で講演会やサイン会をする一方で4人の子供の父親になっていたんです。その中で最優先事項である家族の時間を作るために次の本の依頼を断り、大学の講師の仕事も休み、新しいビジネスの計画も保留にしたんです。これ以上ないと言うところまで削ったんですけど、それでも忙しすぎたんです。
「ビッグロックの法則」というのがあるんですが、これは「大きな石理論」とも呼ばれる有名な法則で、コップに、さまざまな大きさの石を詰めようとしたときに、小さな石から入れていくと大きな石を入れるスペースがなくなってしまうんです。
逆に、最初に大きな石を入れて、それから小石や砂利を入れると、ちょうど大きな石の隙間にフィットして、すべての石がうまく収まると言うものです。大きな石は、健康や家族など自分にとっての最優先事項。小さな石や砂利は自分にとって優先順位が低いものです。要するに自分にとって1番大事なことを優先すれば、他のことをする余裕も生まれると言う意味です。
ですが、もしも大きな石が多すぎたらどうなりますか。自分にとって大事なことが収まりきらない位多かったら・・・
まさに著者のグレッグ・マキューンさんもそういった状態になっていたんです。
そこで気づいたんです。
どんなにやる気があってもリソースは限られていると。本当に大事なことで成果を出したいと思うなら、働き方と生き方を根本的に変えなければいけないと。力ずくで頑張るのではなく、1番楽なやり方で最優先事項に取り組むことだと。そして本書を書き上げたんです。
頑張らないことを選ぶのは確かに居心地が悪いかもしれません。周りから手を抜いているように見られるかもしれませんし、気まずく感じるかもしれないです。でも、それは私たちが全力で頑張ることに慣れすぎているからなんですよ。頑張ることが良いことだって言う価値観は無意識レベルで私たちの心に刷り込まれているんです。楽をするのが後ろめたく感じるほどに努力の価値って過大評価されてるんですよ。
もちろん苦労して手に入る成功もあるでしょうし、逆境に打ち勝って偉大な成果を上げた人もいると思います。どんな困難にも負けず努力を重ねて成功した人もいると思います。
ただ、本当に大事なのは「楽をするのは悪いことだ」と言う思い込みを捨てて、成果を出すためにもっとも簡単な方法をとることなんです。
今この瞬間にフォーカスする
そのためにはまず今この瞬間にフォーカスすることです。有名なミステリー小説、アーサーコナンドイルが生み出したシャーロック・ホームズは、小説の中で助手のワトソンに「君は見えてはいるが観察はしていない」と言っています。ホームズはワトソンに「玄関からこの部屋までの階段が何段あるか」と尋ねたんです。ワトソンが答えられないでいるとホームズは「ほら観察してない、君はただ見ているだけなんだ」といいます。
私たちもワトソンのようにいつも間近で見ているはずなのに誰かに言われるまで全く気づかないって言う経験は誰にでもあるんじゃないでしょうか。今の情報化社会の中で目の前に集中することは難しいかもしれません。見ていても見えていなかったり、そこにいても心ここにあらずだったり、話をしていても聞いていないことがたくさんあると思います。
ですが、大事なのは今この瞬間にフォーカスすることです。
誰かの話を聞くことが大事なのではなくて、聞きながらその他のことを考えないことが大事なんです。その場にいることが大事なのではなくて、そこにいながら過去の出来事や未来の予定に気を取られないことが大事なんです。何かを見ることが大事なのではなくて、雑多な情報を無視して本当に大事な見るべきものだけを見ることが大事なんです。
エフォートレスな精神とは多くの情報やノイズの中から、今やるべきことに対する注意と集中を失わない状態のことです。
2.5秒
最新の脳科学や心理学によると、私たちが今として体験している時間はおよそ2.5秒だそうです。私たちは常に2.5秒を繰り返し生きてるんだとも言えますよね。大きな成果も突き詰めればこの小さな2.5秒の繰り返しなんです。私たちは今この瞬間の2.5秒どう使うかが大事なんです。
例えばスマホを置く、ブラウザを閉じる、本を開く、ノートを取り出す、ランニングシューズを履く、という使い方がある一方で、2.5秒を無駄にしてしまうこともあるんです。
ほんのちょっとのつもりで開いたSNSに長い時間を奪われることってあるじゃないですか。最初はほんの少しって思っていても、そのほんの少しの行動の繰り返しが無駄な2.5秒の積み重ねになってしまうんですよ。「今」というこの瞬間の使い方を変えればその後の行動は大きく変わるんです。2.5秒ものにして最初の一方踏み出すのがすごく大事なんです。
上限を決める
人はあるポイントを超えると努力の量って結果に結びつかなくなるんですよ。むしろパフォーマンスが低下するんです。経済学ではこれを「収穫逓減(しゅうかくていげん)の法則」といって、要するにインプットの量が一定量を超えると、いくらインプットを増やしてもアウトプットが増えなくなるという意味です。
例えば2時間で1冊の本を読めたとします。さらに2時間足して4時間あったら2冊読めるかというと、そうとは限らないんですよ。だんだんだんだん生産性が低下していくんです。そんな時に、ムリやり読もうとしても結果はついてこないんですよ。
多くの人はアウトプットの低下を努力の量で補おうとしてしまうんですよ。ムリやり長時間働いたり、力ずくで頑張るんです。その結果パフォーマンスがどんどん下がっていくんです。
パフォーマンスの低下を防ぐためにも上限を決めることが大事なんです。1911年の11月に南極点到達を目指して2つのチームでレースが行われたんです。スコットチームとアムンセンチーム。スコットチームは天気が良い日にはチームが疲れ果てるまで前進を続けました。そして悪天候の日にはテントにこもって何もしませんでした。一方でアムンセンチームは雨が降ろうが晴れようが天候に関係なく1日必ず15マイルずつ前進することを決めていたんです。それ以上でもそれ以下でもなくきっちり15マイルです。結果、「大きな苦労もなく」南極点に先に到達したのはアムンセンチームだったんです。スコットチームはアマンセンチームから遅れて34日後に疲労困憊で到着したんです。
ですが、スコットチームのメンバーは体力が限界に達し、ひどい凍傷に犯され、帰り道に全員が凍死してしまったんです。
またベストセラー作家のリサ・ジュエルは1日に書く文字数を1,000ワード、約2000文字程度と決めています。リサ・ジュエルは「書くペースを上げすぎると脱線して道を失ってしまう。また書いたり書かなかったりだと勢いがなくなる」と言っています。
確かに下限を決める人はいるけど上限を決める人ってあんまりいないと思うんですよ。例えば読書なら1日最低10ページは読むって決める人はいるでしょうし、ブログなら1日最低1000文字を書くって決める人はいると思うんですが、これ以上は読まないとか、これ以上は書かないって決めてる人って少ないと思うんですよ。これは私も本を読みだしたら時間を決めずに読んでしまうので、絶対に取り入れていきたいポイントだと思ってます。
今回は以上です
それでは素敵な1日を
読書家のヒデでした
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