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早川友久著|オードリー・タン 日本人のためのデジタル未来学

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今回はビジネス社さんから2021年4月26日に出版された、早川友久さんの『オードリー・タン 日本人のためのデジタル未来学』をご紹介したいと思います。

本題に入る前に少しお知らせをさせてください。

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それでは本題です。

みなさんオードリー・タンという方をご存知ですか。

もちろん知っている方も多いと思いますが、オードリー・タンは台湾の政治家でプログラマーの方です。

この方の経歴がすごくて「35歳で大臣に就任」「最終学歴は中学校中退」「IQは180 」「16歳で企業」などこれでもかと言わんばかりの経歴なんです。

2020年にコロナが流行して、日本では4月に緊急事態宣言が出されました。

一方台湾では、感染拡大の押さえ込みに成功していたんです。

発生源とされる中国と日本以上に地理的にも近くて、経済的にも密接な関係があり、人の往来も多い台湾がなぜ、コロナ対策に成功したのか。

その主要人物として、世界中から注目を集めたのがオードリー・タンなんです。

著者の早川さんは、台湾在住のライターであり、翻訳家であり、台湾の総統、アメリカで言う大統領の日本人初の秘書だった方なんです。

そんな早川さんは、今回のコロナを通じて、「なぜ台湾ができていて、日本にはできないのか」。

日本が台湾に学ぶべきものは、たくさんあると言います。

その代表的なものが、政府や社会のデジタル化です。

本書は、オードリーと台湾政府の成功事例をもとに、日本がこれからデジタル革命を成功させ、未来を作り上げるためには何が必要なのか。オードリーの言葉ひとつひとつから、「未来へのヒント」を得た著者が、わかりやすく伝えてくれている1冊です。

独創思考

先ほどもお伝えした通り、オードリーの最終学歴は中学校「中退」です。

日本ではなかなか考えられませんよね。

なぜオードリーは中学校を中退したのか。

そのカギとなるのが、インターネットなんです。

中学生のオードリーは、AIやAIによる言語処理に関する最先端技術につよい関心を持っていたんです。

独学でそれらの研究を続けながら、インターネットを通じて研究者とも対話をしていたんです。

そんなオードリーは気づいたんです。学校で習うものが、もはやインターネット上で学べる内容よりも、はるかに遅れていることに。

そして彼女は、学校を辞めて「独学」という道を選んだんです。

彼女が中学校を中退して、高校にも進学せず、独学で研究を進めて、世界中の著名な方たちと討論したり、共同で研究することができたのには、インターネットの存在が欠かせませんでした。

今ではインターネットとスマホ、そしてSNSを使ってオードリーは、場所や環境を軽々と越えていってるんです。

そしてオードリーや台湾政府から、学ぶべき考え方というのがたくさんあるんです。

例えば、彼女は台湾政府のデジタル担当政務院として5G制作を担っているんですが、オードリーは「まず4Gの利用率が低い場所に、5Gの設備を確保することが政策として重要だ」と言っているんです。

台湾ではコロナの流行前から、オンラインでの授業というのが取り入れられていたんですが、当然オンラインで授業を行うためには、高速のネット回線が整備されていることが不可欠なんです。

日本を始め一般的には、こうしたインフラ整備というのは都市部から行われていくのですが、オードリーや台湾政府は、「都市部ではなく、地方から先に整備する」ことを政策として決定したんです。

一見、イレギュラーとも思える政策なんですが、こうした取り組みは、インターネットの平等を表しているんです。

都市部のネットインフラばかり優先して整備していけば、地方は置いていかれるばかりなんです。

それでは、場所や環境を超えることができるインターネットの優位性が全く発揮されないんです。

こうした考え方は、オードリーや台湾政府の哲学である、「インクルージョン」つまり「誰も置き去りにしない」という価値観を表してるんです。

多くの日本人がオードリー・タンの名前を知ることになったきっかけは、台湾の新型コロナウィルス感染防止対策として作られた、マスクマップアプリだと思います。

このアプリは、民間のプログラマーたちが作ったアプリに、オードリーや政府が協力して、政府が持つマスクの在庫情報を開放して実現したアプリなんです。

このアプリの完成後、台湾はコロナウィルスの封じ込めに成功して、200日以上連続で国内感染者を出さなかったんです。

ですが、このアプリにも問題点はあって、高齢者やデジタルを使い慣れてない人たちが、まだまだいたんです。

そこでオードリーと政府は、そういった人たちに対しての対応に取り組んだんです。

そうやって「誰もが使えるアプリ」に改良していったんです。

デジタルが得意な人や高齢者の方との格差が生じないようにアプリを改良したんです。

オードリーは「アプリやプログラムが使いにくい場合、それはユーザ側ではなく、プログラマー側の問題だ」と言っているんです。

なぜならそれは「使う人の立場に立った想像力が足りないからだ」と言っているんです。

こうした「誰も置き去りにしない」という思想が、コロナの感染拡大の封じ込めにつながったのではないでしょうか。

加速思考

さらに、オードリーや台湾政府の考え方でとても参考になるのが、「朝令暮改」です。

なんとなく日本では、「朝令暮改」よりも「初志貫徹」の方が良いように思われがちなんですが、朝令暮改というのは決して悪いことでは無いんです。

台湾では朝令暮改というのは当たり前の考え方で、ちゃんと目的を設定して、その都度手段を修正していってるんです。

例えば、日本の多くの企業では、会社の方針や、上司の言うことがコロコロ変わると、それに対して批判する人も大勢いると思うんですが、変化の激しい時代に目的を達成するためには、その都度うち手を変えていくというのは、本来ならやらなきゃいけないことなんだと思うんです。

初志貫徹で1度決めたうち手を貫き通すのは、いわゆる手段の目的化になってしまっているんです。

達成したい「目的」さえ変わらなければ、そこに向かって進んでいく道というのは、今より最善の道があるのなら、どんどん変えていくという思考が大事なんです。

今後ますます、IT技術やテクノロジーの進化によってデジタル化が進んでいく中で、まだまだ日本は世界に比べて遅れているんだなと思います。

「日本をもう一度元気にする」という目的があるのなら、行政のデジタル化といつのはどんどん進めていくべきではないかなと私は思います。

選挙もいまだに紙で投票しているじゃないですか。

例えば、デジタル技術を利用したらどうなるのか。

日本に住んでいるかどうか、18歳以上かどうか、さらには国籍に関係なく、あらゆる人がいつでもどこでも政府や社会の問題に対して、意見や優れたアイディアを提案できると思うんです。

そこでいろんな議論が生まれるかもしれません。

選挙の日程を待つことなく、立場の異なる人たちと違う価値観を共有することができると思うんです。

こうした、目的を達成するために柔軟な思考を持つことが、日本の政府や企業が、台湾やオードリーから学ぶべきポイントではないかなと思います。

今回は以上です

最後まで読んでいただき、ありがとうございます

それでは素敵な1日を

読書家のヒデでした


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