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フードダイバーシティーが当たり前に認められる・・・ようになったらいいな

肉だけではなく、卵、乳製品、はちみつに至るまで、まったく動物性食品を食べないヴィーガンを長く実践しているアーティスト、サンプラザ中野くんが本日のゲストです。衝撃の「Runner」のヒットから30年以上経ちますが、まったく色あせないパワフルな歌声の源は? 肉を食べる食べないといった次元の話ではなさそうです。そして、何事も時代の先を行く中野くん曰く、あと1年我慢すれば、ヴィーガンが生きやすい時代がやってくる? 

サンプラザ中野くん
山梨県甲府市生まれ、千葉育ち。2年間のアマチュアバンド活動を経て、1984年に爆風スランプのヴォーカルとしてデビュー。パワフルで奥深いサウンドにユニークで斬新なパフォーマンスが話題を呼び、若者を中心に圧倒的支持を得る。1988年「Runner」の爆発的ヒットにより、さらに幅広いファンを獲得 。15周年を迎えた1999年4月に爆風スランプは活動休止宣言。2008年1月から「サンプラザ中野くん」に名前をリニューアルし、ロック歌手として活動している(AMUSE公式HPより)。

中野君

父親が亡くなり、健康管理は自分でしなくてはいけないのだと気づいた

――今日はありがとうございます。えっと、なんとお呼びすればよいでしょうか。

中野くん “中野くん”が最高です。

――わかりました。では中野くん。中野くんは我々の世代(インタビュアー2人。ともに50代)にとって非常に胸にこみ上げるものがありまして。今日はお忙しい制作の合間に来てくださって。ありがとうございます。

中野くん いえいえ、こちらこそ、ありがとうございます。

――ミニアルバムの制作中だと伺っています。

中野くん そうなんです。タイトルを「旅人よ~The Longest Journey」とつけまして、爆風スランプのヒット曲「旅人よ~The Longest Journey」の25周年ということで、新しくレコーディングしました。この曲は日本テレビの「進め!電波少年」で、猿岩石の応援歌として作ってインドまで行って演奏してきたものなんですよ。

――! その様子、テレビを見てました。有吉(弘行)君が涙してたことを覚えています。

中野くん ヒッチハイクで世界一周をしているふたりへの完璧な応援歌なわけですからね。今のこのコロナ禍で、いろいろ苦しい思いをしてる方にとっても、すごく寄り添える応援歌になるんじゃないかなと思って新録することにしたんです。何しろ2番の最初の歌詞が「36.5度のカラダで乗り越えなければならないんだな」というね、非常にですね、もう「予言の歌ですか?」みたいな(笑)。

――間違いなく予言ですね(笑)。

中野くん いい感じになっておりますのでぜひお聞きください。このアルバムの中には「リモ・ラバ -Remote Lovers-」という曲もあって、これはリモートの作業のなかで恋をするとどうなるかっていうことを歌ってみました。1989年にリリースした「リゾ・ラバ-Resort Lovers-」のアップサイクリングバージョンということで、昔のものを新たに再活用してます。ミニアルバムは11月10日に発売予定です、そのあと、札幌、名古屋、大阪、東京を回るツアーをします!。

――昨年9月にコンサートもやられていましたね。

中野くん 去年の8月に私が、そのあと9月に相棒のパッパラー河合さんが還暦になりまして。2人とも還暦ということで、ワンマンライブでは初めて中野サンプラザで初めてコンサートをやりました。最近はNHK-FMで日曜日の夜9時から「ディスカバー・クイーン」という、クイーンの楽曲を1年かけて深掘りしていくという番組をやっていて、ものすごく盛り上がってます。

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サンプラザ中野くん4thミニアルバム
「旅人よ~The Longest Journey」11月10日リリース決定!
さらに札東名阪を回るツアー「爆夢サンちゃんライブS&Pスペシャル2021」
開催決定!チケット発売中!
詳細URL:https://www.spnakanokun.com/news/entry.php?id=259

――とても精力的に活動をなさっていますよね。お肌もつやつやで。それを支えるパワーの源というか、食生活を伺いたいのですが、中野くんは今、ヴィーガンでいらっしゃいます。「パワーフードといえば肉」という人たちには信じられないと思うのですが、ヴィーガンになったきっかけは何だったんですか?

中野くん ヴィーガンを標榜してもう15年ぐらいになりますかね。最初はベジタリアンから入りまして、考えてみると、そうしたほぼ野菜の食生活を20年ちょっとぐらい続けております。その前はですね、本当にひどい食生活をしておりまして。子供の頃から甘いものとお肉が大好きで、野菜が嫌いで。私は1960年生まれなんですが、子供の当時は、出てきたものを、ただただ腹いっぱい食うことが健康であるという思考を日本人はしていたと思います。。まさにその中のトップエリートと言っても過言ではないと思います。給食で牛乳が余ると、まず一番に手を挙げてバシバシ飲んでいましたから。牛乳を飲むことがいいとか悪いとかという話はともかく、人より多く食べなきゃ、な生活でした。30歳前後になってくるとお金を自由に使えるようになったんで、そうした食生活が加速しまして。毎日焼肉屋に行ったり、大量のレトルトのお汁粉を食べたりしておりましたら、体調がおかしくなりまして。変だなと思ってたところに、父親がガンで亡くなってしまったんですよ。

――お父さまはおいくつだったんですか?

中野くん 68歳でした。体調が悪くなれば病院に行けば治してくれるものだと思ったけど、死んじゃったぞ、うちのお父さんは、と動揺しましてね。これによって、お医者さんに任せっぱなしじゃいけないぞ、と。自分でなんとかしないといけないと気づきまして。そのために本を広げていろんな勉強をしたところ、健康法にはいろいろあって、それをいちいち本を見ながら実践するのは面倒くさいことに気づきました。それならベジタリアンに統一しよう! カテゴライズしてしまおう! それが一番楽に違いない! と思って、ベジタリアンになることにしました。

――ベジタリアンに決めるのに影響を受けた方っていらっしゃるんですか?

中野くん 一番影響を受けたのは、大阪の八尾市っていうところ開業しておられました甲田光雄先生が書かれた『少食が健康の原点』という本ですね。その本に出合うまでは、健康になるためには何を食べるべきか、何の栄養素を取り入れるべきかっていう勉強をしてました。だから、ビタミンバイブルを暗記するほど読み込んだり、アンドルー・ワイル博士のビタミン本を必死に読んだりしてたんです。ビタミンの先生になろうとしていたんですね。でも『少食が健康の原点』という本に出合ってから、健康とは栄養を足すことじゃないんじゃないって確信しまして。

――少食を実践されるようになったということですね。

中野くん そうなんです。もともと「西式健康法」という健康法がありまして、これは明治時代の西勝造さんという方が自らの体験から実践・開発されたものなのですが、断食、生野菜食の効能を世に広められた方なんです。それを先の甲田先生が学んで「西式甲田療法」というものを作られました。今は、森美智代さんという鍼灸師の方が継承されています。西式健康法は全国にも実践しているお医者さんはあります。

――その健康法をきっかけにヴィーガンになられたんですか?

5年かけてベジタリアン、そしてヴィーガンに。さらにグルテンフリーに

中野くん 2000年になった頃、まずはベジタリアンから入っていたんですが、ベジタリアンとしていろいろ本を読んでいくと、ベジタリアンにもランクがあるんだぞっていうことを知りまして。そのトップとしてヴィーガンがあることがわかったんですね。最初はベジタリアンとして、ただ牛や豚の肉を食べないってところから入ったんですけども、その後、鶏肉を食べなくなって。それでも寿司は食べてたんですけども、その後、魚も食べなくなって、という具合に、ベジタリアンから徐々にヴィーガンに移行していきました。完全にヴィーガンに切り替わったのは、ちょうど5年後くらいかなぁ。

――中野くんに影響されて、他のアーティストやミュージシャンの方々がヴィーガンになっていったということはないですか?

中野くん ……ないですね(笑)。仲間内には影響力はないです。ミュージシャンって、みんなやっぱり個性が強いんで、そんなに人がいいと言うことをほいほい信じないですよね。特に食文化の場合、多岐に好みが分かれすぎているので。ミュージシャンにも影響力ないし、国民にも影響がなかった。逆に、奇異にみられていましたよ。

――海外ではハリウッドの俳優たちが肉を食べない、ビリー・アイリッシュがヴィーガンを宣言しているなど、かなり言われているじゃないですか。中野くんのような方の発信力って影響があると思うのですが。

中野くん いやいや、日本とアメリカとでは違いますよ。ご時世的に政治的なことでたとえるとわかりやすいと思うんですが、まず、日本の人口は1億3000万人くらいですが、アメリカは3億5000万人くらいいる。日本は今のところ一党独裁に近いですが、アメリカは巨大二大政党制で、意見は二分されている。日本はたとえば自民党を支持しますって言ったら極端に言えば1億人の人が同じ考えをしているように見えます。残り3000万ぐらいが野党を支持しているって構図ですね。アメリカは二大政党制なんで、俺は共和党を支持するぜ、いや、俺は民主党だぜとなったとき、3億3000万人の半分、1億7000万人ずつの支持を単純に言えば得られるわけですよね。さらに、アメリカの場合はマーケットが英語で通用することができ、ハリウッド映画や音楽が世界中に支持されてる。つまり、これまた極端に言えば、アメリカで「俺は共和党を支持してる」って言えば、自分と同じ考え方の人が世界中に人口の半分の20億人はいるかも知れないと考えることができる。日本はそもそも人口が1億3000万人しかいないところに、「俺は自民党好きだよ」って言ったときの人数が1億人となって、「俺は自民党嫌いだよ」って人数が3000万人しかいない。そして、日本だけではなく世界にも広がっていけない。日本国民はそんな状況の日本にいるわけですから、主流にのりやすい。日本におけるヴィーガンは、1億人ではなく、この3000万人と同じ状況だと思いますね。

――主流にのらないと苦しい立場に立たされるというのは、感覚的に皆わかっていますね。

中野くん 小学校でも中学校でも高校でも大学の教室でも、たぶん、企業でも同じですよね。みんな主流に乗りたがる。いや、幼稚園からかも知れない。支流はだめで主流にのっていれば安心で心地よいという感覚が日本にはある。ヴィーガンもそうで、日本では少数派過ぎて主流にはなれないわけですよ。だから俺の影響力なんてなくて、ヴィーガンであることは身近にもまったく響かなかったです。

――ベジタリアンやヴィーガンに関して、中野くんは早すぎたのかも知れないですね。20年前ですから。ここのところは結構、流れが変わってきてるんじゃないですか? 大豆ミートといったものがファストフードでも結構出てきたりしていますからね。

中野くん 最近ではヴィーガンや大豆ミートが日経新聞に取り上げられていますね。日経新聞にそうした記事が取り上げられるってことは、要するに、ビジネス的な方向に企業がうまいこと軌道に乗せようとしてるんだな、っていうのがあると思ってます。もうすぐ「肉を食べないんです」って言ってる人たちが当たり前になってくるんじゃないかなと俺は思ってるんですけどね。これは、肉を食べるな、と言っているわけではなくて、肉を食べない人たちが世間に認められてくる、という意味です。俺がヴィーガン宣言をしたときは変な目で見られてましたけどね。

――主流ではなく支流だから、というところですね。今はファッションとしてのヴィーガンという面もありませんか? 

中野くん 大いにあるでしょうね。今は吉川ひなのさんがヴィーガンっぽいことをやっているとインスタに投稿すれば話題になる時代ですからね。とはいえ、やっぱり、まだまだ少数派ですよ。でも最近、ミートフリー関係のClubhouseに入って、皆に「あと1年の我慢だぞ」って言っています(笑)。というのはですね、時代の流れが自分たちにやさしくなったということもさることながら、新しい肉である代替肉のことを「ぬく」と言おうじゃないか、という啓蒙活動をしているからなんです。

――ぬく?

中野くん そう。「NIKUにく」ではなく「NUKUぬく」です。これが1年で普及すればいいな、と。肉を使っていないということで「大豆ミート」とか「肉じゃない肉」とか「代替肉」とか、そういう言葉を使って料理にし、「さあ食べましょう」と言われたって、わかりにくいじゃないですか。「なんだよ、その代替肉って。なんでわざわざ肉に似せた肉を食べなきゃいけないんだよ」ってなっちゃいませんか?

――アメリカから入ってきたFake meat(フェイクミート)やAlternative Meat(オルタナティブミート)から和訳されたのが「代替肉」ですからね。最近ではPlant-based meat(プラントベースドミート)などもありますが、日本人にはどうしても違和感やまずそうになってしまっている気がします。

中野くん でしょう? そんなよくわからない状況の中で、新しい言葉として「さぁ、今日はぬくを食べましょう」って言ったらほんわかしません? ぬくキャンペーンっていいと思うんだけどなー。「焼きぬくを食べよう」とか。

――ぬくって、肉を「抜く」っていう意味ですか?

中野くん まあそういう意味もあるんですが、もっと別ですね。最近、日本のネット世界では、猫のことを「ぬこ」って言うんですよ。ネットスラングみたいなもので、誰かが間違って「ねこ」を「ぬこ」と書いたものが、響きがかわいいと言ってネット上で広がっていったんです。確かに、「ねこ」よりも「ぬこ」のほうが、より猫のぬくぬく感が伝わって、かわいらしさや、ほわほわ感があるんですよね。あと、「ぬこ」という響きを聞いて、ひらがなの「ぬ」がきてるんじゃないかなと、直観的に思いましてね。改めて「ぬ」を考えてみると、五十音の「なにぬねの」の「に」の次は「ぬ」なんです。だから、「にく」の次は「ぬく」だと(笑)。と、ここまでくると、もう、無理やりですかね(笑)。

――「ぬく」という響きはちょっとビミョーな気もしますが、代替肉より断然いいです(笑) 抜くといえば中野くん、最近、小麦を抜いた「グルテンフリー」を実践されていると聞きました。

中野くん はい。してますよ。グルテンフリーは、俺の体にとってかなりインパクトがありましたね。これはテニスのジョコビッチ選手が実践している方法で、あるテレビ番組を見ていたら今アメリカで流行ってる食事法として紹介されていたんですよ。興味がわいてきたのでやってみたら、長年便秘体質であったものが急に治ったんですよね。これは、小麦自体が悪いわけじゃなくて、古代小麦が生まれて粉にされて、歴史とともにどんどん作り変えられていくうちに、よくない何かができちゃったということなのかなー、と思っています。あっ、皮に小麦を使っているけど「東京ヴィーガン餃子」は好きですし、よく食べてます。そもそも餃子は大好きなんで、餃子の皮くらいはいいんじゃないかなー、肉じゃないしーって感じでお許しください(笑)。東京ヴィーガン餃子を週に3回くらい食べてますけど、便秘まったくないですから、安心して食べられてます。でもこの先、もしかして、古代小麦を使った餃子など、餃子の皮に対して変革した商品が出てきたら、俺と東京ヴィーガン餃子はさらに深い関係が築けると思います(笑)。

吉川(←東京ヴィーガン餃子代表) ヒントをありがとうございます(笑)。今、北海道に行って国産小麦の畑を見るなど、いろいろ勉強しているところなんです。小麦の農薬問題にも関心があります。また、今後、食がパーソナライゼーションされていくなかで、東京ヴィーガン餃子もいろいろ対応していかなきゃならないと考えていて。アレルギー、宗教、国産に対する意識など、さまざまなデータをとって、そのスペックをオープンにしていく必要があります。ヴィーガンラインで考えていくと、当然、グルテンフリーラインも対応していかなければならない。それが5年後になるか、10年後になるかわからないですが、会社としても大きな課題です。

ダイバーシティをめざすなら、ヴィーガンのような食の少数派への意識も

――素朴な疑問なんですが、餃子の皮以外のグルテンフリーを実践されていて、となると、中野くんのエネルギー源はなんですか?

中野くん 米ですね。玄米中心です。あとは、古代小麦ですかね。ヴィーガン系のレストランに行くと、古代小麦もチョイスできる場合が多いんです。たとえばいつも行くレストランに「古代小麦パンケーキ」っていう商品があって、それはおいしいから食べてます。

――ヴィーガン系のレストランやカフェは増えていますよね。 

中野くん 昔よりはようやく増えてきましたね。やっぱり、ダイバーシティつまり多様性を大切にする世界をめざすのであれば、食に関しても認めてほしいなと思います。最近でこそみんなそんなに言わなくなりましたが、一時期ね、ヴィーガンに対して本当に風当たりが強かったんですよ。テレビの健康番組に出ると、「サンプラザ中野くんは野菜しか食べていないので骨がもろい」とか、医者に言われちゃってってこともありました。番組を撮っている最中は「いい食生活ですねぇ」「想像していたよりも豊かな生活ですねぇ」なんて言われていて、こっちがいい気持ちになるような撮り方をしていたのに、結果、オチに使われちゃったんですよ。つまり昔のテレビっていうのはベジタリアンであるとかヴィーガンにお金を出すスポンサーはいないですから大人の事情かなーと思いました。その時から健康モノのTV番組出演は気を付けないとなーと思っています。

――でも最近は変わって来ていますよね。だって、日経にノーミートが出ていますもんね。

中野くん 日経新聞がヴィーガンやノーミートの記事をアップし始めたということは、先ほども言いましたけれども、これで、ヴィーガンやノーミートで新しく金を生もうというムーブメントができたということだと思うんです。日本人はキャンペーンに弱いから、いかにCMキャンペーンをはって、いかにムーブメントを作るかが大事です。昔からそういう風にマスコミが構築されてると思うんですよね。で、そろそろいけるのかな、と感じます。最初の話に戻りますけど、この1年頑張ったら、明るい未来が待っている、ですよ(笑)。

――中野くん側から、何か仕掛けることってないんですか? 「ぬく」の啓蒙活動はさておき(笑)。

中野くん いやあー、もー、ちょっとねー。20年間ベジタリアンやヴィーガンを伝えることをやってきたから、今や疲れてますね(笑)。キャンペーン疲れというか。自分はアーリーアダプターであると自負してるんですけれど、早くやりすぎて、叩かれすぎちゃって、もう、「あとはみんなでやってよぉ」って感じなのが正直なところですかね。もう、ヴィーガン界の長老として「おー日経新聞で今日もネットで取り上げてくれてるのぉ、よかったねぇ。そうかぁ、そうかぁ。みんな肉を食べなくなったのかぁ。よしよし」みたいに、みんなの動きをニコニコしながら見ていきたいと思います。

――いえいえ、ようやく中野くんの考え方が理解される時代がきたんですから。

中野くん 今は、俺は背中を見てもらうしかないかなーと思っています。もし自分に影響力があるのだとしたら、健康でなくてはいけないと思いますね。もちろん、無理をせず、ですが。だから、元気に歌い続ける。そしてその姿を見せ続ける。

――実際、60歳を越えられて体のほうはどうですか? とても若々しく見えるし、とにかくお肌がきれいです。

中野くん (笑)ありがとうございます。30代の、ちょうど焼肉モリモリの頃、お肌が汚いですねーと言われ続けていたんですよ。雑誌の取材の担当者に「中野さん、お肌が汚いですねぇ。それを治しに酵素風呂っていうのがいいらしいんで、取材に行きませんか?」って言われたこともあって。「ひでぇ、こいつ。失礼なことを言うなぁ」と。でも、じゃあ行ってみようって行ったんですけどね。

――行ったんですか?(笑)

中野くん 気持ちよかったですよ(笑)。最近では酵素風呂など行かずとも、テレビ局のメイクさんにも「肌綺麗ですねぇ」と普通に言われるので、ヴィーガンやグルテンフリーは俺の体に効いてるな、と思っています。腸と肌とはつながっていて、腸の状態と肌の状態って同じだっていう説があります。肌の調子がいいということは、きっと、腸の状態もいいんだろうなって思います。腸の調子がいいということは、体全体の調子もいい。健康的にはうまくいってるんじゃないでしょうか。俺が健康的に生きられることで、いち早くヴィーガンの効能が実証され、30年後は日本でも食のダイバーシティを認め合う世界になっていたらいいと思います。

インタビュー:吉川欣也、土田美登世(構成)


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