銭湯は戦闘 ②閉業した銭湯・最後の在りし日
マガジンにしたのに、全然記事が書けないのは、銭湯に行ってないからではない。
なのに、筆が進まない。そして記憶も薄れていく。
記憶はフレッシュなうちに。
今日は、閉店後の銭湯のイベントに顔を出してみた。
・・・と言っても、このイベントを以前から知っていた訳ではない。
たまたま、暖簾をかけようとしているところに通りかかり、「さいごの入浴。」という立て看板が目に入った。
人間の情報の受け取り方というのはいい加減なもので、「さいごの入浴。」ということは、勝手に湯に浸かれると思っていた。
しかし、「春日湯」は2014年6月に閉業しており、6年経過している。
常識的に考えて、現状保存がなされている筈がない。建物は人が立ち入らなくなると朽ちていく。
この一角は、マンションが建つらしい。
春日湯の2軒隣の八百屋さんは、百余年続いたらしい。
その建物も取り壊してしまうという。
こうやって都市開発はなされていく。摂理とはいえ切ない。
「さいごの入浴。」はイベント名だったわけだ。
靴を脱ごうとして止められる。「土足でどうぞ」とのこと。
年季の入った下駄箱。
古い銭湯は、下駄箱の扉自体がはずされていることもある。
入ってすぐ正面にあった下駄箱・・・
と思いきや、靴を入れるのには少し小さい。貴重品入れか?
写真だと分かりづらいがアールがかかっている設計。
おしゃれ。
番台。時間は止まったまま。
男湯側の脱衣所の天井。
女湯側の小さい庭。お手洗いの近くによくある。
狸の置物がかわいい。
Keihoku Hakariの体重計。「春日湯」の文字が。
メインの湯舟。小さめ。
その隣のいわゆる「電気風呂」。
カランのところのタイルの柄が素敵。
床のタイル。よく見ると凝っている。
シャワールーム。シャワーカーテンと鏡の形が昭和レトロ。
女湯の洗い場のタイルに白鳥。洋風。
こっちは男湯(だったと思う)。桜が咲いている。
天井が高くて、気持ちいい。
ここから、カラン4連発。
お分かりいただけただろうか?
下駄箱の木札と、貴重品入れや脱衣所の鍵。
脱衣所の天井。忍者屋敷のよう。
正面から左の道に入ると、煙突が見える。
井戸が残っている。これも消えるのだろう。
こういう商店もなくなってしまう。
銭湯としての役割を終えた建物がカフェになったり、クラフトビール工場になったりと再生する姿は、いくつか見たことがある。
春日湯にそんな未来は、残念ながら訪れなかった。
きっと大きなマンションが建って、ここに銭湯があったことも忘れられていく。
しかし、在りし日の姿を残しておくことが出来る良き時代になった。
銭湯は閉業した後で、こうやって開放されないと中の写真が撮れないので、非常に貴重な機会だった。
(多分、今後こんなにたくさん写真を載せる記事、書けないだろうな)
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