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【R60-SETAGAYA- マッチング事例紹介③】ベッドシーツや布団カバーなどのリネン交換~世田谷区社会福祉事業団 芦花ホーム~

区民の誰もが、住みなれた地域で安心して暮らし続けられる社会になるようにと、地域に根差した施設を開設して27年になる世田谷区社会福祉事業団。上北沢、芦花公園をはじめ、世田谷区内で特別養護老人ホーム、デイ・サービスなどの介護支援施設を運営しています。また、在宅で介護を受ける高齢者のための支援や、高齢者の方のために身近な相談窓口、あんしんすこやかセンターの受託も行っています。

運営する特別養護老人ホームのひとつである、芦花ホームでは、以前から職員が入居の利用者とかかわる時間をより多く持ち、大切にしたいという思いがありました。ですが、現状は通常の業務だけでも手一杯の状態。そこで、職員の仕事を見直し、ベッドシーツ、布団、枕カバーなどのリネンの交換を、職員以外の方にお願いできないかと、R60-SETAGAYA-を通して地域の方に募集を行いました。

今回は、この仕事に応募されたNさんと、世田谷区社会福祉事業団 芦花ホームの那須康樹さんにお話をお聞きしました。

専門職をより活かすための周辺業務の切り出し


今回、R60-SETAGAYA-を通して募集をした背景にはどのような想いがあったのでしょうか。

那須さん:介護の現場は、人手不足と言われているように、利用者さんにかかわる時間を増やそうと思っても、職員一人一人の負担も大きいのが現状です。サービスの質は低下させずに、職員の業務負担を軽減するということが常日頃の課題でした。そこで、一日の業務を見直し、専門職の職員以外の方でもできる周辺業務の切り出しを図ったのです。開設当初から、地域の方たちとのかかわりは深く、施設を開放するイベントなどを通して、年間数千人の方が訪れてくださっていた当ホーム。お願いするならば、地域の方にしてみてはということになりました。

この案件に応募したのはNさん。ベッドメイキングを習った経験があったことから、このお仕事に応募したといいます。

隠れたニーズを引き出した面談


ところが、実際に面談をしてみると、Nさんが裁縫が得意だということが話題に上ります。芦花ホームでは、利用者さんの衣類の繕い物などが日常的に発生していました。そこで、本来募集していたリネンの交換だけでなく、繕い物もNさんにお願いすることになったそうです。

那須さん:芦花ホームでは、入居の方には衣類には靴下からパジャマまですべて記名をお願いしているのですが、色の濃いものはマジックで名前を書くのが難しいため、白い布に名前を書いて縫い付けていただいていました。これらが洗濯を重ねるとほつれてきてしまいます。また、裾上げなどもほつれてくることがあって、施設のあちこちに繕いが必要なものがある状態でした。これまでは別の介護業務に入っているパートの方に、時間が空いたときにお願いしていましたが、面談の中でNさんが裁縫が本職だというお話を聞き、繕い物もお願いできればと思いました。当初予定していた「リネン交換」とは異なる業務内容での依頼となりましたが、今後はご本人の特技を活かした裁縫技術を、施設入居者の衣類のお直しに役立てていただけたらと考えています。

リネン交換で応募したNさんも、本職の裁縫が生かせるお仕事の提案に前向きなコメントを寄せてくださいました。

Nさん:以前、職業訓練でベッドメイキングを習ったことがあったため、当初はリネン交換のお仕事で応募しました。しかし、面接の際に裁縫の話になり、結果的にはリネン交換と繕い物、両方を月2回程度行うことで話がまとまりました。どちらのお仕事も、これまでの経験を活かせるかなと思いました。

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化学反応で仕事を作り出す

今回の事例は、お互いの話をじっくり聞き、困りごとやニーズを確かめ合うことでうまれた化学反応の結果だといえるかもしれません。Nさんは、与えられた仕事をこなすことができたら、徐々に自分に何ができるかを見つけてみたいと意欲を語ってくれました。那須さんも、このマッチングで生まれた今後に期待しているようです。

那須さん:事業者が募集している業務内容を担ってくださる方とマッチング出来ればもちろんベストですが、今回のように、地域の方の技術と、施設側のニーズをすり合わせるという意味では、興味深いマッチングだったと思います。今後手探りではありますが、身体の不自由な方のために、服をその方に合ったものにリフォームしたいといった要望も出てくるかもしれません。

実際に顔と顔を合わせて話をすることで、利用者にとっては新たな世界が広がり、事業者にとっても隠れたニーズを顕在化するきっかけとなることを教えてくれた、今回のマッチング。R60-SETAGAYA-は、事業者が既存の仕事を依頼するだけでなく、利用者とともにニーズを引き出し、模索し、仕事を作っていく、という新たな働き方ができるプラットフォームです。
ぜひあなたも、R60-SETAGAYA-でチャレンジしてみませんか。

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