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ハロウィン直撃世代

 相も変わらず、季節行事とか風習とかしきたりを避けて生きている。極力、人の冠婚葬祭とかも関わりたくないし、自分に対するものでも。仮に、罷り間違って結婚することになっても式は挙げたくないし、急死したら遺族には金をかけてほしくない。
 そういうしきたりをするには礼節を気にしなきゃならない。世間体を気にするくせに人に気を遣うのが苦手だし遣わせるのも苦手な自分は最低限やらなきゃいけない時はちゃんとするよう努めるが、内心はひたすらやりたくはないし煩わしい。不精。
 だからこそ昔からしきたり的なものが世間で雑に扱われることに対してちょいちょい苦言を呈しているのです。

 ハロウィンっていつ頃から日本で認知されるようになったのか? 自分より一回り、二回りくらいの人のハロウィンを認知したきっかけでよく言われるのが'70年代のスヌーピーの漫画『ピーナッツ』だという意見が多い。あとはホラー映画の『ハロウィン』とか『E.T.』の劇中描写とかになるか。

 自分がいつからハロウィンを認知していたかよく覚えてなくて、もしかしたら物心ついた辺り、クリスマスと同時期くらいには知っていたんじゃないかと思う。
 1990年からNHKで『英語であそぼ』が始まったから、ちょうどゆとり世代以降はそれで知ったんじゃないだろうか? アメリカの方でなんか仮装して「トリック・オア・トリート」となんか呪文みたいなことを言えばお菓子が貰える子供が楽しい要素しかないイベント。自分は家でも近所でもハロウィンはやらなかったが、幼児・児童向けの英語教室的なものに通っていた時期にやった記憶はあり、今じゃゴミを出せない黒ビニール袋を切り貼りして仮装を作ってお菓子を貰ったり、プールに浮かべた小っちゃいリンゴを手を使わずに口で取るゲームをやったような気がする。
 恐らく周りの同年代と比較したらそれなりに早くハロウィンを体験している気がする。

 日本での知名度向上に繋がったきっかけはやっぱり『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』なんじゃないだろうか。

 はじめは不気味なビジュアルで配給も製作も違うからディズニーなのかそうじゃないのかわからない作品だったが、クオリティの高いストップモーションアニメとティム・バートンの世界観で当時から好きな人は好きだっただろうし、'90年代後半~2000年代前半辺りからディズニーランドもハロウィンに力を入れ始めたのもあって人気と知名度も徐々に上がっていった印象がある。『キングダムハーツ』でステージに採用されたのも多分大きい。

 メキシコの死者の日の認知度が上がったきっかけもディズニー・ピクサーの『リメンバー・ミー』だと思うし、巨大資本の強力なエンタメとしてのアイコンによるプロモーションだよなあと思う。

『ブック・オブ・ライフ ~マノロの数奇な冒険~』がビデオスルーにならなかったら死者の日の認知されるのが5年早まっていたか。いや、流石にディズニーじゃないと厳しいか。

 最近じゃ中国経済・資本の影響で春節、旧正月がソシャゲなんかのイベントで取り上げられるし。

 で、多分ゆとり世代が日本におけるハロウィン直撃世代でそれが自由に金が使える消費者層や事業やイベントを企画・運営する立場にまわるようになったのに加えて、ネットの普及でコスプレというそれまで宴会芸かオタク趣味か性風俗でしかなかったものがカジュアル、一般化したのも合わさって、'10年代以降に爆発的に広まった気がする。自分の記憶だとそれ以前の頃だとお菓子のパッケージにジャック・オー・ランタンやコウモリとかが描かれるぐらいで、ダイソーとかでハロウィン商品を扱ってなかった(はずだ)し。それが今じゃ8月からホラーな雑貨やコスチュームが並んでいる。
 ネットが発達し切っていなかったから記録が少ないのもあるだろうが、今はなきカワサキハロウィンのWikiを見てもずっと続いていたのに記録としての空白が長い。

 本当、日本のハロウィンはサブカルチャーとして急激過ぎて着いていけない。カウンターカルチャー的な地味ハロウィンですらだいぶ前から上滑りしている気がする。人が楽しんでいることにとやかく言うのもあれだが。

『呪術廻戦』の渋谷事変の舞台が渋谷のハロウィンなのは愚かな人間の粛清的な意味合いなんだろうけど、色々シニカル。

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