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BO4シーズン開幕〜闘会議 CWL日本代表戦までの日本のCALL OF DUTY esports

先日1月26日、27日の2日間に渡って開催された「闘会議」にてSIE主催の「第1回 CWL日本代表決定戦」が行われた。
昨年の「WW2プロ対抗戦」に続き今年も国内で公式のCODの大規模な大会が開催され、ここ日本でも本格的にシーズンが開幕した。
この記事では昨シーズン終了から闘会議までの自分が見て来た日本のCODのesportsシーンについてまとめながら、主観で色々書いていきたいと思う。

BO4シーズン以前に関してはまだ読んでいない方は前回の記事を一読していただければと思います。


簡単に自己紹介

まず始めに、私はCall of Duty: Advanced Warfare(2014)の頃からCoDをプレイし始めたCoDファンであり、私はesportsプレイヤーではありません。
「esportsルールの観戦を含めたのCoD」のファンの一人である。
またYouTubeにてCoDのゾンビモードの動画投稿を行なっています。


先に断っておきますが、選手や関係者、コアなファンにとっては素人の戯言に聞こえるような内容になってしまうと思いますのでご了承ください。

はじめてのチーム再編

IWシーズンには SCARZのみだったプロチームがWW2シーズンには6チームに増えた。
BO4の発売がアナウンスされ国内のCODプロシーンが2年目に突入していく中で、今まで4対4だったCOD esportsが次回作Black Ops 4では5対5になるのが濃厚とされていた為、各チームは最低でも1名の補強を余儀なくされた。
実際には各チーム大幅な再編が行われた。
まずはWW2シーズンを戦ったプロチームの闘会議終了時での状況を整理しておこうと思う。

・Libalent Vertex(以降LV)
WW2シーズン優勝チーム。
もともと在籍していたsitimentyooo選手、Inaba-UR選手加え、WW2シーズン準優勝チームDetonatioN GamingからAIiceWonderIand選手、GenGar_AX選手、xAxSy-選手が加入。WW2シーズンのトップ選手が集うドリームチームが爆誕。

・CYCLOPS athlete gaming(以降CAG)
TimGUCHI選手のみを残し、半解体。そこへLVのエースにこちゃん選手とRush GamingのNgt選手が加入。トライアウトを経てSCARZのLeisia選手と闘会議でも遺憾なく存在感を発揮したフリーのあべるんぜっと選手が加入。こちらも豪華なメンツが集結。

・Rush Gaming(以降Rush)
前シーズン終了時のメンバーGreedZz選手、WinRed選手、GP選手、Luke選手に加え、SCARZのリーダーHunt選手が加入。こちらは順当な補強となった…かに見えたが、その後GP選手が脱退、代わりにSunSisterからGorou選手が加入。そして闘会議前にリーダーGreedZz選手が眼の故障により離脱、闘会議予選からはRush Gamingストリーマー部門のLight選手が急遽代打として参戦。Light選手は元々BO3〜IWシーズン途中までRushの選手として黎明期を支えたオリジナルメンバーの一人。選手引退後ストリーマーとして活動していたが一時的に競技シーンへカムバック。兄の様に慕うGreedZz選手のピンチを救うべくドラマチックな復帰を果たし奮起する彼をファンは受け入れ、喜び、心より応援した。(長期的なチームの運営としての目線で言えばこの決断はあらゆる面において流石である)

・DetonatioN Gaming
・SunSister
・ SCARZ
上記3チームはCOD部門解体もしくは再編中。
闘会議には不参加。

こんな感じ。
結果的に3チームしか部門を存続できなかった。(しなかった)
この事実は意外と現状の国内のesports事情がリアルに現れていると思う。

世界への挑戦、確かな手応え

日本でのシーズン開幕を前に本場CWLでは既にシーズンが開幕しており日本チームも参加しているのでそちらにも触れておきたい。
前記事でも触れているが、CODは世界的にとても人気のあるタイトルで、販売元であるActivision Blizzardが主催するプロリーグ「Call of Duty World League」(以降CWL)という世界大会が毎年開催されているが、日本は長年その参加資格を認められていなかった(出れなかった)が、昨年の闘会議の副賞をきっかけに初めてCWLへの日本チームの参加が実現し、ついにBO4シーズンからは日本人でも CWLに誰でも参加することが可能となり、National Qualifiers(Activision Blizzard側が渡航費や宿泊費を援助してくれる枠)が日本にも用意された。SIEが開催するCWL日本代表戦というのはCWLへの招待枠での参加を掛けた大会である。

そして世界的なBO4シーズンの第1節に当たる「Call of Duty World League Las Vegas Open 2019」が12月に開催された。
日本からは先述した新生LVがWW2シーズン優勝の副賞として参加。また、気づいたらフワッと開催していた「Japan National Qualifier」にて決勝戦でトライアウト実施期間中のCAGを破ってRushが優勝し参加。
(招待枠ではないが日本からはその他にTeam XIAが参加)

CWLラスベガス大会はSIEのTwitterにて大会の現地からの生放送が行われた(公式大会にて実況を務めるk4sen氏の実況解説付き)のだが、その中でもLVはwinners3回戦でランキング9位のExcelerate Gamingに敗北、その後のLosersを勝ち進みランキング10位のWaRに敗北して大会を終えた。(Losers6回戦敗退)
Rush,XIAはLosers4回戦で敗退。
そして先日行われた「CWL Pro League Qualifier」でLVが戦ったExcelerate GamingはトッププロチームFaZe Clanを下し見事CWL Pro Leagueへの参加を決めた。
CWLラスベガス大会は大げさかもしれないが現状日本トップレベルのLVが世界のトップアマレベルと十分戦えるレベルまで来ているんじゃないかと思える大会だった。(この先の差を埋めるのはとても大変だと思うが)
少なくとも日本チームが初参加した「CWL 2018 Season Anaheim大会」より一歩も二歩も先へ進めた様な感覚が私にはあった。
近い将来、世界のトッププロチームに混じって日本チームが奮闘する未来がやってくるんじゃないかと夢見るには十分な大会だった。

※参考:下記の記事はとてもわかりやすく世界大会の情勢などもまとめられているので是非読んでみてほしい



未来を担う、若手の台頭

闘会議へと話を進める前に国内シーンを語る上で避けては通れない大会にも触れておこう。
国内最大のアマチュア大会「Another Tournament in Winter」が1月18〜20日に渡り行われた。
全173チームがエントリーしたこの大会で一際注目を集めたチームがある。

「Turquoise」(通称TQ)

である。
このチームの1番の魅力、それは「若さ」。
Rushなどと交流戦を行なっていたため私もうすぼんやりと存在を認識してはいたものの、なんと高校生のチームだというではないか。
結果から言うと先の大会では決勝で敗れ惜しくも準優勝に終わったものの、後述する「闘会議」に参加しているXD_Axis、 GGWPを破り決勝進出を果たしていることからも分かる通り国内トップレベルの実力を持った期待のチームである。
チームの要であるSirius_D_選手は若干16歳。
年齢的にプロシーンで活動することは残念ながらできないが、先日行われたk4sen氏主催の「CoD:SUMMIT #1 」でもズバ抜けた成績を叩き出し、CAGにこちゃん選手も自身の動画で絶賛するなど、これからが楽しみ。
こういった若手がどんどん出てくる様になれば日本のCODシーンももっと楽しくなってくるなと期待せずにはいられない。

今年の国内シーンを占う開幕戦

さて、いよいよ先日闘会議にて行われた「第1回 CWL日本代表決定戦」に話を移そうと思う。
今回はプロアマ問わず公募を行い、オンライン予選を勝ち抜いた上位8チームが闘会議のオフライン決勝にて優勝の座を競うといった形になった。
前述した前シーズンより残存したプロ3チームは予選を突破し決勝へ。
その他のチームは
・GGWP
・野良連合
・匠Festival
・Unsold Stuff Gaming
・XD Axis
以上5チームが決勝へと駒を進めた。

私も現地に赴いて観戦したわけだが、今回はステージや見せ方が非常に面白かった。
CWLで採用している演出をふんだんに取り入れ、(選手の顔が映るディスプレイマジでよかった)1日目に関しては最大4箇所で同時に試合が進行するのだが、CWLのオープンブランケットのスタイルを取り入れており、ステージで配信試合+フロアで残り3チームが試合を行いフロアではファンはほぼゼロ距離で試合を観戦できた。現地観戦したファンは非常に楽しめたのではないだろうか。

選手達のコールアウトも直で聞こえるこの距離で観戦できた

試合はダブルイリミネーション方式が採用され、8チームが2日間をかけて優勝を争った。
全チームに触れていくのは難しいので私が気になったところに絞って話していこうと思う。

・Unsold Stuff Gaming(以降USG)
元Rush GamingのNami選手、古豪SCARZを長年支えたBLINn選手、アマ大会で幾多の優勝経験を持つDuffle選手らを有するこのチームは、LV、CAGに続き注目されるチームの1つであった。
結果としてCAGに敗れLosers決勝で敗退となったがNami選手の流石の安定感とDuffle選手の戦闘能力の高さが光る場面が多く見られ見応えのある闘いを披露してくれた。今後も期待したい。

・匠Festival
昨年の闘会議ではDetonatioN Gamingのリーダーとして出場していたCity of NewYork選手率いるチーム。
私が気になったこのチーム、前述したAnotherでなんと1回戦負け。(しかも0-3)
NewYork選手も「闘会議出場チームの中で自分達が一番弱いと思っている」と自身の配信で大会前に話していた。
だがどうだろう、蓋を開ければ前述のUSGとの初戦を3-0で勝利。
WinnersでLVに敗退後のLosersでUSGと再度対戦し今度は敗北してしまうが、その実力を十分に見せつけたのではないだろうか。
Another以降恐らく文字通り死ぬ気で努力したのだろう。各選手の担当武器の大幅な変更なども行なったという。やれることは全てやったという感じだろう。
Anotherの1回戦負けがどういった敗戦だったのかはわからないが、この短期間でここまで仕上げる、生まれ変わるというのは簡単なことではない。
私は賞賛したい。

・XD_Axis
正直、私はこのチームの事をこの日まで全く知らなかった。
このチームがどのくらい頑張って発信しているのかわからないが私の耳にはこのチームの情報は全く入ってきていなかった。
1日目の初戦、私はフロアでLVの試合をLVの後ろで観戦していた。その対面に彼らは座っていた。ユニフォームなどはなく、全員普通の私服だ。どっからどう見ても普通のアマチュアだ。
そんな普通のアマチュアチームは、王者LVからあっさりサーチ&デストロイで勝利を収めた。(試合はLVが3-1で勝利)
LV側で見ていた私はびっくりしたが、今改めて考えてもあのサーチ、LVは普通に負けた。事故とかトラブルとかではない。
その後XD_Axisを誰もが認める試合となったのがLosersでの対USG戦。
2-2で迎えたサーチ&デストロイで5-5までもつれ込む大接戦。惜しくも負けてしまうが、もうこうなるとLVから1本取ったのは奇跡でもなんでもない。
次回以降も活躍が期待されるので、次回までにカッコいい揃いのTシャツぐらいは用意しといたほうがいいと彼らに伝えたい。
今後もシーンを面白くしてくれそうな注目のチーム。

さて、結果として1日目に勝ち残ったのはWinnersを勝ち進んだLVとCAG、Losersを生き残ったUSGの3チーム。まぁ下馬評通りだろう。
第1試合のWinnersのLV vs CAGはLVが3-0で勝利。続くLosersでは3-0でCAGがUSGを下し、決勝は再度LVとCAGのカードとなった。
この前に3-0でLVが勝っているのでまぁLVだろうといった雰囲気ではあった。
実際にLVが圧倒的な展開で2-0まで進み、コントロールも1マップ目は華麗に先取するが、ここからCAGは怒涛の追い上げを見せる。
並大抵のチームならとっくに折れている、崩壊している場面だ。
この日までの自分達に自信を持ち、自分達なら勝てると全員が信じて戦わなければこうはならないだろう。
コントロールをもぎ取り、続くハードポイントも終始優勢で勝利。
最終のサーチ&デストロイは両者一歩も譲らず最終ラウンドまでもつれ込んだ。
最後は王者LVが勝利し第1回 CWL日本代表決定戦は幕を閉じるわけだが、これももう紙一重であり、CAGが勝利した場合はLVはWinnersを勝ち進んでいるので優勝となるにはもう1戦LVに勝たねばいけなかったわけだが、次戦CAGが3-0で勝ってもおかしくないぐらいの勢いがあった。
本当に見応えのある試合だった。楽しかった。
両チームに惜しみない賞賛を送りたい。

1年前の闘会議、思い出しても圧倒的なまでにRush1強といった大会だった。
このチームを倒すチームは現れるのだろうか、そんな風に思っていた。
1年後、こんなに見応えのあるシーンになっているなんてあの時には全く想像できなかった。
今シーズンも最終節には予想もしなかったチームがトロフィーを掲げているかもしれない。
まだまだ面白くなりそうだ。

さてここから、どんな展開になっていくのか、期待しながら引き続き見守っていきたい。
出場した選手、そして関係者の方々、お疲れ様でした。
駄文に最後までお付き合いいただきありがとうございました。


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