見出し画像

長期戦を見据えて地道にアクションし続けるEnterprise Salesのお仕事

初めまして、現在BONXでEnterprise Salesを担当している西村です。
新卒入社した会社で約5年営業を経験し、BONXには昨年2月に入社しました。

入社当初はInside Salesからスタートし、その後Direct Sales、Partner Salesを担当。直近はメンバーも増えてきたこともありDirect Salesに特化し、その中でもEnterprise Salesを中心に活動しています。

今回はBONXのEnterprise Salesを分解しています。

BONX Enterprise Salesの特徴についてご紹介

Enterprise Salesとは販売ポテンシャルと将来的なポテンシャルを見極めながらお客様に寄り添いゴールに導く、一種のPMのような仕事だと思っています。とにかくリサーチ、リストアップ、様々なアプローチを行うなど、もともとリードタイムが長い案件が多いのも相まって、かなり忍耐力が必要です。

さらに一般的なEnterprise SalesとBONX Enterprise Salesも少し異なります。BONX Enterprise案件はインバウンドリードやパートナーからのリードになるため、地道なリストアップやアプローチがKPIではありません。初回接触後の商談から受注まで、お客様・社内・関係者を巻き込みながらどのように山頂のゴールを目指していくか、が重要だと考えています。

ユニットの枠にとらわれないBONXのカルチャーをフル活用

「社内を巻き込む」に関して言えば、BONXにはユニットの垣根を越えて互いに助け合うカルチャーがあります。Salesの中ではInside Sales、 Field Sales(SMB・Enterprise)、 Patner Salesと部門が分かれていますが、毎朝Stand Up MTGを行い日々の業務内容を共有したり、受注を賞賛したり、日々の業務の中でもコミュニケーションをとっています。

BONX TGUのメンバーとのコミュニケーションも多いです。製品知識はTGUメンバーがピカイチですし、受注後もチャーンも低く必ずアップセルしてくれるメンバーばかりなので、例えば訪問先お客様からもらう質問や、挙動が不安定な場合などはすぐにBONXWORKでTGUメンバーに話しかけて解消します。

BONX TGUの概要についてはこちらからどうぞ。

こういったカルチャーを下から支えているのが、「BONX WORK」をはじめとするコミュニケーションの数々。BONXの場合チャットだけでなく、リモート環境でも実際にお客様に提供しているアプリ「BONX WORK」を使いながらすぐに会話できる環境があります。

このように部門ごと、時にはユニットごとの垣根を超えたコミュニケーションが体現されているおかげで、安心して日々の営業活動を望めています。以上がBONX Enterprise Salesの概要です。

商談準備からクロージングまでの長く険しい道のり

リサーチをもとにした商談準備

Enterpriseに限らずの話ですが事前の準備はとても大切で、具体的に行うことは以下の3つです。

  1. リサーチ

  2. リサーチを踏まえた資料作成

  3. 商談の段取り/アサイン決め

商談前には企業について調べることからスタート。そこでは事業内容、どのエリアに何店舗あるのか、当日商談する担当者情報は掲載されていないか、特にDXの記事やICT導入への取り組みなどを中心に見るようにしています。

そこから当日利用する資料作成の準備へと移行。お客様が複数名参加される場合、アジェンダを組み立てた上で事前に担当者と擦り合わせることもしばしば。イメージを持ってもらいやすくするため、なるべく文字ではなく視覚的にわかりやすい「絵」で伝えられるような資料作りを意識しています。Marketingチームの協力もありお客様の事例動画もたくさんあるので、まずは事例動画を見せて導入のイメージを持ってもらうことが多いですね。

この前述の資料作成と当日のアサインについても同時進行で考えます。まず話す内容やお客様の役職、先方参加人数を基準に社内の同行依頼を出していきます。同行者が決まったら当日の商談内容を事前のブリーフィングで擦り合わせ。アジェンダや資料箇所ごとに私が話すのか、上司に話してもらうのかをできる限り分けるよう意識しています。

初回商談の場合はインパクトも重要になるため、会社概要やサービスコンセプトなどは上司に話してもらったり、提案商談の場合はメインスピーカーが私で、上司に補足のコメントしてもらうスタイルを取ったりと、商談相手と内容に合わせて話者を変えています。
このように商談当日に向けて着々と準備することもEnterprise Salesの重要な業務となっています。

お客様との商談、電話メールのやり取り

お客様に将来性のある相談をしたいと思っていただける関係性を作るために、初回商談ではBONX独自の将来拡張性である「アナリティクス」や「音声DX」なども必ず紹介します。初回商談からBONXの招待拡張性まで話しておくことで、単なるツール提案だけではなく、お客様の抱える潜在的な課題を引き出すきっかけになることができれば、結果的にお客様のMake Smileに繋がると思っています。

このように紹介することで、最初はBONXを「コミュニケーションツール」として興味を持っていたお客様から「実は会社で〇〇の取り組みもしていて」「DXは今後会社の重要指標なんだよね」と次第に相談をいただけるようになったと感じています。

また担当者と距離を縮められるよう、Googleアラート機能で担当企業のデイリーニュースをチェック。プロジェクト以外の話も積極的に取り入れています。また電話の第一声は「〇〇さんお世話になっています、BONX西村です」と必ずお客様の名前でお声がけする。電話やメールの頻度も案件状態によって変化しますが、接触頻度も大事にしていて、1週間に1度、多い時にはほぼ毎日のようにお客様と電話やメール、MTGでコミュニケーションを取るようにしています。

ネクストアクションの明確化・進捗管理

打合せでお客様と進め方が決まったら、できる限りスケジュールを提示してプロジェクトという意識を持ってもらえるようなコミュニケーションを取ります。自分の中のKPIとしては「お互いのタスクがあり、次回の打合せ日が決まっている、また打合せを定例化させる状態を作ること」です。

ネクストアクションが決まっていることでBONXとお客様それぞれのタスクが明確になり、スケジュール通りに進めることができます。逆にネクストアクションが決まっていないと、プロジェクトが希薄化し温度感もどんどん下がり、ペンディングになることも体験してきました。ここでは「いつまでにどんな状態にしないといけないのか」を意識しています。

また、お客様のタスク管理をすることもEnterprise Salesの仕事の一つ。
打合せでの依頼ももちろんですが、次回の打合せまでの電話メールでの進捗確認が重要です。上司からの確認やツッコミが入るのと同じ感覚で、言われすぎるとお客様のやる気を削いでしまう可能性があるのでここでは伝え方を工夫しています。

具体的にメール送付後「メールをお送りしたので確認お願いします。ちなみにあの資料ですが〜」やプライベートトーク+「そういえばあの件なんですか〜」のように、できる限り別の話と合わせて伝えるよう心がけています。

クロージング・最終稟議

担当者様からのOK(先方担当者に提案内容をFIXさせた)後、社内稟議に進むにあたって契約書のやり取りや社内稟議の資料作りフェーズへと移行します。このフェーズでは営業がPMとして動いていかなければ進みが遅くなるため、いつまでに誰が何をやるのかを明確にしていきます。

例えばお客様の契約書については、法務にそのままレビューしてもらうのではなく、間に営業が立って文面をチェックします。どこまで会社として許容できるのか、お客様に許容いただくのかは営業しか判断できないため、何度かやり取りしていきます。その際はお客様の法務や購買の方がフロントになるケースもあり、メールでしかやり取りしたことない方とのコミュニケーションも多々。契約書以外にも稟議資料の作成やデータ提出、価格の見せ方など、決裁を取るのに必要な情報を洗い出してリスト化し、担当者様と1つずつ、いつまでにやらなければいけないのかをすり合わせていきます。

また、お客様の規模が大きくなればなるほど、1つのプロジェクト決裁を取るのに何名もの稟議が必要になるため、どうやって決裁者の部長や役員、プロジェクト関係者と接触できるかも肝心です。BONXは基本的にはライン営業が主軸となっています。担当者同士は私のみ、お客様が部長以上だと営業責任者や役員、サポートの安心感を伝えるためにCS担当が同席するケースなど、どのタイミングでどのように紹介するかの見極めが重要です。

初回商談からクロージングまでの期間はお客様によってもちろん異なりますが、最低でも2ヶ月以上、コンペなども含めると1年以上の案件もあり、体力的にも精神的にも長期戦であると身をもって実感しました。仮に全国に500店舗あるお客様でも、初回導入は1店舗から、1エリアからのケースも多いです。そのような場合でも、導入後の全店舗展開へのスケジュールも合わせて提案することもEnterprise Salesには求められています。だからこそ売り手と買い手という立場ではなく、お客様との共通認識や「一緒にプロジェクトを成功させましょう!」という巻き込み力が重要になってくると考えています。

散らばっている情報をどう扱うかで案件の行き先が決まる

BONXのValueである”Talk Easy”に沿って特に以下の2点を意識しています。

  1. とにかく情報の透明度を上げること

  2. 悪い状態こそすぐにアラートをあげること

現在何十件と案件を担当していますが、スムーズに決まったEnterprise案件は少ないです。これまでの商談を通じて、Enterprise Salesにおける情報の扱い方の重要性を身に染みて感じています。

とにかく情報の透明度を上げる

Enterprise Salesとして一番お客様と相対しているのは自分になります。まだまだ力不足な部分もあり、Enterprise案件を自分1人で獲得することは現状ほぼ不可能です。なので社内で協力者をたくさん作るためにも、情報の透明度を上げることを心がけています。今回はその中でも3つを抜粋してご紹介します。

情報の集め方を工夫する
上記にも記載したお客様の公開情報やニュースをキャッチアップすることはもちろん、初回接触後は様々なルートから情報収集しています。

1回の電話やメールで情報を聞き取ることは難しいため、接点回数を増やすことが重要です。その際は検討状況や進捗状況についてだけではなく、他社事例の話(近しい業界や、業界が異なっていても近しい利用シーンなど)や新機能のリリース、お客様のニュース記事や世間話(共通の趣味や話題、本社近くの飲食店の話)など、特に電話の場合は相手が会話しやすい内容とセットで話題を持ちかけるよう意識しています。

また担当者様だけでなくその上司や繋がりがあるパートナー様など、小さなことでもいいので社内外を問わず多方面ルートからの協力を得られるよう、案件推進状況や評価情報を取りに行きます。

集めた情報を一言一句逃さない
1で集めた情報を履歴として全て残しておきます。情報を残しておくことで透明度を上げ、上司にフィードバックをもらいやすい環境を、あらかじめ構築しておくことが主な理由です。情報整理するための時間は必要最小限に抑えつつ、コンパクトにまとめて残しておくことを意識しています。

特に電話メモが一番難しいと個人的には思っていて、移動中などは電話後にメモを残す形になるため、キーワードを覚えておくこと、お客様が話したこと、自分が話したことがわかるようメモを残すようにしています(以下、実際のSlackの画面です)。
電話メモまで詳細に残す文化は、チーム戦のBONXならではではないでしょうか?

以前チャネル化したEnterprise案件を初回商談から提案まで自分だけで進めようとしたことがあり、商談メモや電話内容も残せていない状態の案件がありました。結果的にその案件は失注。上司と振り返り、見えてきた失注理由も事前にカバーできるようなものが多く、「このタイミングで利用用途の話を深堀りしておけばよかったのか」「この話は担当者だけでなく、部長と副部長にもヒアリングすべきだった」など猛省しました。

自分だけの視点だけでなく、第三者からの意見やコメントを貰うことで、見えなかった部分や考え付かなかった提案が生まれてきます。その環境を意図的に作るためにも、電話、メール、MTGメモを活用して情報の透明度を上げておくことが重要です。

できる限り社内の他チームにも情報を共有しておく
Slackでチャネル化してSalesメンバーだけではなく、TGUやProduct Teamのメンバーにも見える状態で推進案件のやり取りをしています。TGUには主に引き継ぎやユーザー事例について、Product Teamには改善開発要望、案件同行などをスムーズに伝えられるように心がけています。

現状の課題やその中から解決したいこと、BONXを導入することで何を期待しているのかを伝えられるような意識が重要です。TGUはアップセルが目標となるため「どんな状態になれば全店舗や他の施設へ広げられるのか」がイメージしやすいよう引き継ぎを行います。

BONX TGUメンバーの業務内容について詳しく知りたい方はこちらからどうぞ。

またProduct Teamとの共有では、チャネルやスレッドをバラバラに依頼しないことで、以前回答した内容と被る部分の確認や振り返りをしやすくする。また質問の往復が多い場合はSlackではなくスプレッドシートの管理へ移行しています。
このようにして社内のチームごとに情報の共有の仕方を工夫しています。

悪い状態こそすぐに社内にアラートをあげる

状態が悪いものほどすぐにアラートを出すようにしています。悪い状態とはお客様から「ここがネックになっている」「検討できない」とマイナス発言があり、案件が進んでいない状態のこと。この時はたいていお客様との立場が対等でなくなり、受動的に御用聞き営業になってしまっているケースが多いです。自分ならどう対応するかを考えた上で、社内ですぐに共有して意見を求めるようにしています。

案件が進んでいない悪い状態では、お客様との接点が少ない場合が多く「ここがネックになっている」や「検討できない」そもそもの理由を探りに行くことから始まります。
その対応として電話やMTGにてその情報を引き出すことはもちろん、社内にもタイムリーに情報を共有しておくことによって、上司やメンバーからアドバイスや意見をスムーズにもらうことができ”どのようにアプローチすればいいか”が次第に見えてきます。

もらった意見をもとに「同業他社でも同様にROIの項目にご相談があったのですが、例えば移動距離や電話の回数や通話料で計算してみませんか?」と提案してみる。そしてその反応を見ながら、「ちなみにこのような進め方はできないですか?」と、提案の幅を広げるようにしています。

逆に提案がスムーズに進まないとわかった時に、社内で案件の情報共有からスタートするのでは遅すぎてしまいます。Salesはスピードとタイミングが重要なので、そこから挽回しようとしても、既にお客様内での検討が止まっており、結果失注してしまう案件がよくあります。
お客様と常に対等でありつつ、相手のもやもやしている状態をできる限り早く解消できるようにする。そのためにもすぐにアラートをあげて解決策を提案することを心がけています。

有名企業と相対して感じる”可能性”に秘めた想い

自分が顧客として利用している小売店やアパレル店、世界的に有名なブランド企業など、その企業とビジネスができる可能性と会社への大きなインパクトを与えられることにやりがいを感じています。

BONXはアプリだけなく、純正品のハードウェアがあるため外から見ても利用状況が分かりやすいです。BONXの導入後にto Cビジネスのお客様だと実際に利用しているシーンも普段の生活の中で見ることができ、利用いただいているお客様を見ると安心します。なにより「普段自分が利用している施設や店舗でBONXが役に立っている」場面はBONXを提案してよかったと思う瞬間です。特に小売やホテルのお客様は、近くに寄った際に見に行ったり、実家が地方なので帰省の際には空港でも積極的に利用シーンを見にいくようにしています。

また、こういったプロダクトなので新規のお客様の目に触れる機会が増えることで問い合わせも増えていきます。結果的に紹介や口コミでBONXを活用してくださるお客様が増えていくキッカケを作ることもEnterprise Salesの重要な役割であると考えています。

BONXが導入されて業務効率やチームワークが良くなることをイメージし続けた提案、
それをお客様にも納得・ご期待いただくことが、結果的に影響力をもった新たなBONXのファンを増やしていくきっかけになっていく。そのきっかけを作りだせることがEnterprise Salesのやりがいだと感じています。

より多くのお客様とBONXを通じて共に成長していきたい

BONXの良さをもっと世の中に広めていくために、今後もっと多くのお客様へご提案していきたいと考えています。最近はユーザー様からお客様を紹介いただいたり、口コミでお問合せをいただくケースなども増えてきました。まだまだ100%の完璧なサービスではないですが、確実にBONXは日々進化し続けています。そんなBONXの価値はお客様と一緒に創り上げていくものだと思っています。

もっと多くのお客様にBONXを認知、活用してもらいフィードバックをいただく。その繰り返しによってBONXは更に進化していきお客様の利用価値が上がり、結果お客様の求めている顧客満足や売上、生産性向上へ繋がっていくと考えます。今後もお客様と一緒に成長し続けられるサービスにしていきたいです。


現在BONXでは今後の事業拡大を見据え、採用活動を行っております。
Salesに関する詳しい募集要項はこちらからどうぞ。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?