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コミュニティの肝はいかに "雑談"を起こすか

コミュニティマネージャーとして日々いろんなコミュニティに触れている私ですが、コミュニティの活性化で欠かせない要素として気づいたことがあります。

それは「雑談」の重要性

個人的には、コミュニティマネージャーの仕事は雑談が起きる場づくりだと言っても過言ではないと考えているほどです。

ほとんどのコミュニティは何か共通の目標があるもので、その目的意識が強すぎるあまり、テーマから外れた雑談を軽視しがちです。

しかし、どんな目的意識をもっているかに関わらず、雑談を起こすことこそが、そのコミュニティを強くするのです。

雑談は、人の好意の基礎である「単純接触効果」を起こす

"Community"という単語は、"Communication"と酷似しています。つまり、コミュニュケーションが起きてこそのコミュニティとも言えます。

では、その場でどんなコミュニケーションを起こすのか。

コミュニティに関して言えば、コミュニケーションは質より量を重視すべきです。

なぜなら、人は接する回数が多ければ多いほどその対象に好意を持ちやすいものだから。1日に何回そのコミュニティに接したが、参加者のエンゲージメントを左右するのです。

こうした心理を「単純接触効果」と呼び、恋愛でもよく使われる法則ですが、1ヶ月に1度質の高い情報を提供するより、雑談でもいいから毎日触れる機会を作ることで、そのコミュニティへの帰属意識は高まっていきます。

さらに、雑談の場があることで参加ハードルが下がり、参加者自身が発信する機会を作ることができます。

「受け取る」ではなく「発信する」側に回ってもらうことは非常に重要で、これはキングコングの西野さんの言う「共犯者づくり」の意味があります。

このように、いかに雑談を起こすかは、コミュニティマネージャーが考えるべき重要事項です。

「雑談」が起きるコミュニティ設計のポイント

では、どうすれば雑談が起きやすくなるのか?

そのポイントは、

①参加者属性が把握しやすいこと
②チャットベースの流れやすいプラットフォームを取り入れること

の2つだと思っています。

まず①のプロフィールですが、はじめての場にきて突然発言できる人というのは少数派のはずです。

ほとんどの人はまずその場の空気を読むために静観しますし、過去の投稿などを一通り眺めるはず。そのとき、どんな人が参加しているのか?ということがわかると、自分のキャラ設定を微調整しやすくなります。

Facebookでよくありがちなのは「自己紹介スレッド」を固定表示させることですが、個人的にはあまり過去コメントを見返したり新規参加者のコメントを逐一チェックしたりする人は少ないように感じています。

これはおそらくコメントを遡る労力がかかること、更新性が低いことに起因しており、ひとめでわかるリストの方が効果が高いように思います。

また、それもスプレッドシートのようなリストではなく、例えばTrelloを使えばプロフィール画像も表示できるのでビジュアル的にも見ていて楽しいリストを作ることができます。

さらに、毎週or毎月新規参加者を紹介する投稿をし、その投稿でつなげたい人にメンションをつけ、自然発生的に交流が起きるしかけも効果があります。

普段のニュースなどを紹介する投稿でも、メンションを付けつつ「これは○○さんの分野だと思いますが、どうですか?」と話を向けることで、他の人にも「○○さんは××が専門分野なんだ!」と認識してもらうことができます。

雑談を起こそうにも、お互いを知らなければ交流すら起きないものなので、お互いを知ってもらうしかけは日頃から意識する必要があります。

次に②のチャットについてですが、Facebookグループの一番の難点は「投稿ハードルの高さ」だと思っています。

どうやっても雑談が起きづらい設計になっている。これはどうしようもありません。

とはいえ、Facebookは今やほとんどの人が使っているSNSなので参加ハードルが低いですし、オンラインコミュニティのベースとしてとりあえずFacebookグループを選ぶというのはしばらく続きそうな気はしています。

そこで最近面白いかも、と思っているのは、メッセンジャーグループとの併用です。

雑談は「雑談しましょう」と言って起きるものではないので、Facebookグループ内で「雑談スレッド」を作ったところでなかなか活発化するのは難しいと思います。それは、Facebookグループが階層化されており、投稿やコメントが流れていきづらいからです。

それよりも、別途雑談用のメッセンジャーグループを作り、チャットベースのやりとりをした方が圧倒的に雑談が起きやすくなります。

希望者を募ってグループを作ってもいいですし、例えば「今週水曜日の21時から○○をテーマにみんなでチャットしたいと思います!」という限定的な使い方もおすすめです。

さらにそのチャット履歴を成形して記事として整えれば、コミュニティ内部のチラ見せにもつながります。ゲストを呼んで対談形式をベースにしつつ、適宜質問しやすい雰囲気にするのもありだと思います。

雑談を起こすには、階層型のプラットフォームではなくフラットに話しやすいチャットベースのプラットフォームであることが重要なのです。

という知識を、8月から実践する場ができました!

このように、最近ずっとコミュニティに関して考えてきたことを実践する新たな場ができました!

①「BOOK LAB OWNER'S CLUB」(新しい読書体験を作るコミュニティ)
②「sentence」(ライティングを学びたい人が助け合うためのコミュニティ)

これまでコミュニティマネージャーとしてリアルの場づくりを行ってきたDiagonal Run Tokyoでの活動に加え、それぞれのコミュニティをもりあげるべく、引き続き研究と実践を繰り返していきたいと思います。

ご興味のある方は、ぜひそれぞれのコミュニティにも入ってみていただけると嬉しいです!

「コミュニティ」に関しては、他にもいくつか大きなプロジェクトが進行中なので、楽しみにお待ちください。

世の中に有益なコミュニティを増やすべく、引き続き精進して参りたいと思います。

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(Photo by tomoko morishige)

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