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人を動かすのは、北風ではなく太陽

ここ数年で社会起業家やCSVなどの概念も広まり、ただ儲けるだけではなく社会全体にどれだけいい影響を与えるかが、企業価値を測る新しい見方として注目を集めはじめました。

そうした活動はどれも素晴らしく応援したいものばかりなのですが、巻き込む力がうまい組織は「社会とはこうあるべき!」という押し付けではなく「こういう未来って楽しくない?」という提案がうまいように思います。

以前「欲しい」から「買おう」に変化する2つのポイントでも書いたのですが、人が動くときというのは理論積み上げではなく、はじめに「〜したい!」と思わせなければほとんど勝ち目はありません。

どんなに理念に共感してもらったところで、「〜すべき」の積み上げは一瞬の「〜したい!」には勝てないのです。

ちょうど最近読んだ「福井モデル」の中で、富山市の森市長もこんなことをおっしゃっていました。

「人を動かす要素は三つあります。楽しいか、おいしいか、おしゃれか、です。」(「福井モデル」より)

行政は特に制度やルール、インセンティブによって人を動かすことを考えがちですが、どんなに理論立てて説得したところで人は動かないし、動いたとしても継続性がありません。

補助金や税制優遇に頼ることなく、人が動きたくなるような「わくわくするもの」を作る方が重要なのです。

まさに童話の「北風と太陽」と同じような話で、「〜すべき」を押し付けようとしても人は動かない。

でも「〜したい」と思わせるきっかけがあれば、人は勝手に動くもの。

特にテーマが重たいもの、真面目なものほど、いかに楽しませるかが人を巻き込むためのポイントになります。

せっかくいいことをやるなら、たくさんの人に参加してもらいたい。

そのためには、活動の意義よりもまず「それがいかに楽しいか」を伝えること。

自分の「〜すべき」を押し付けそうになるたび、北風と太陽のお話を思い出したいなと思います。

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(Photo by tomoko morishige)

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