退職エントリを書く前に、知っておいてほしいこと。
急に退職エントリが増えたなと思ったら、いつのまにか新年度がはじまっていたのですね!
ぽーっとしている間に4月が襲来してきて衝撃を受けています。
そんなこんなでこの時期の風物詩である退職&転職エントリをよく目にしていたのですが、私自身すでに2回転職を経験したこともあり「これ大丈夫かな、数年後に後悔しないかな」と老婆心ながら気になったものがちらほらありました。
世の中には取り返しがつかないことがたくさんあるんだけどな、と。
1回目のときも2回目のときも、もし「文章を書く」という武器をもっていたら私も同じような記事を書いていたかもしれないと思うからこそ、あのときの自分に教えておきたい「退職エントリを書く前に知っておいてほしいこと」を書いてみたいと思います。
すべての別れは、どっちもどっち。
男女の別れでも言えることですが、決別することになった理由というのは端から見ればどっちもどっちなのだと思います。
私もそれぞれの会社に対して合わないと思ったり疑問をもったことがきっかけで退職しましたが、今になって思えば私も反省すべき点はたくさんあったし、恩をあだで返してしまったなと思うこともあります。
もちろん世の中には本当にどうしようもないブラック企業もありますが、その場合はしかるべきところに申し出てしかるべき対処をする方が結果的に自分の身を守ることにもつながるはず。
ある程度フェイクをいれたとしても、退職理由にまつわるエピソードをいれるとほぼ確実に本人特定できてしまうので、せっかくその会社でつくった信頼や人脈がゼロどころかマイナスになってしまうことすらあります。
特に会社名を出して退職エントリを書く場合は、不用意に悪い部分を書いてしまわないよう実名で正々堂々と書くことをおすすめします。
一般的に、企業が匿名のブログやSNSでの発信に対して公式に発言することはありません。
言い訳できない相手を名指しで糾弾するということは、その瞬間に自分は溜飲が下がったとしても、相手は確実に覚えているものです。
二度と仕事しない、なんてことはない。
こう話すと「まったく異業種にいくし、別に元の職場の人からどう思われようと関係ない」と返す人も多いと思います。
私も1社目の退職時点ではそう考えていました。
とはいえ禍根の残る辞め方をしたわけではなく円満に退職しましたが、それでも1社目の人脈をつないでおく努力をしなかったことはいまだに残念に思っていることです。
特に新卒で入った会社というのは大学生時点の自分が考えに考え抜いて入ったはずなので、キャリアを重ねれば重ねるほど関わる機会が増えるのだなと痛感しました。
さらにBtoCの大企業であれば影響範囲も大きいですし、どこかしらで関わりあう機会もあるものです。
もちろん何千人といる社員の中で、数年前にちょこっと働いていただけの下っ端の自分を知っている人なんてそういないでしょうが、相手に負い目を感じながら関わるのは辛いんじゃないかな、と思うのです。
退職するときというのは次のステージへの希望が大きい分、その反動で今までいた場所の悪い部分ばかりが目につきがちです。
しかし何でもいい面と悪い面があり、後から冷静に振り返ってみればいいところばかりが思い出されるものです。
だからこそ一時のテンションの高ぶりで、必要以上に元の職場を糾弾して損をするのはもったいないなあ、と思わずにはいられません。
言いたいことは、感謝と希望の言葉の中にそっと織り交ぜておく。
これは退職エントリに限ったことではないですが、悪いところを指摘するときやネガティブなことを伝えるときは「非公式に、本人だけに」が基本と言われています。
本当に問題だと思ったことは辞める前に誠実に話すべきだし、伝えていないことは全世界に向けて公開すべきではありません。
とはいえ「それができたら苦労しない!言わずにはおれないんだ!」という感情が実際のところだと思います。
そんなとき私がよくやるのは、憤りを反面教師化して書く、ということ。
例えば会議の進め方にイライラしたとして、それをそのまま書いてしまうと愚痴でしかないし、その場にいた本人たちに見られたときにきまずくなってしまいます。
そこで一手間加えて「いい会議ってなんだろう」というテーマで書けば、記事の中に「こういう会議は無駄ですよね」「会議中はこうあるべきですよね」という本来どうしても言いたかった憤りを自然と織り交ぜることができます。
さらに副次的な効果として、何か腹が立つことが起きたとしても「いいネタを与えてくださった!」と感謝の気持ちをもつことができるのでおすすめの手法です。
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仕事も恋愛も、人と人との別れがさっぱり綺麗に終わることなんてそうそうないと思います。
別れる別れないの攻防はつきものだし、そもそも別れるという選択をする時点でネガティブな感情をもっているのだから、話し合いがスムーズに進むことの方が稀なはず。
お互いに疲弊して、ボロボロになって、別れた直後は相手のことが嫌になっているものです。
そんな感情的になっているときに思いつくままに書いた文章が永遠に残ってしまうのは、黒歴史どころのさわぎではありません。
別れるときにこそ、人の本質が見えるものだから。
どうしても消化できないことは不特定多数の人に向けて書いたりせず、本当に信頼できる人たちに直接話して、すっきりしてから次のステージへ進みましょう。
これからスタートの人もリ・スタートの人も、選んだ道がベストな方向に向かっていますように!
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(Photo by tomoko morishige)
私のnoteの表紙画像について書いた記事はこちら。
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