
「自己投資」の本質
今や経営者となった先輩と資金繰りや調達の話をしていたとき、ぽろっと先輩の口からでたこのセリフがとても印象的でした。
「まあ、1,000万くらいの借金なら自分で返せるしな。」
サラリーマンだったころは、いつも月末になるとお金がないと言っては安いお酒を飲みながら一緒に事業の話をしていたので、数年でここまで人は変わるのか!と衝撃を受けた一言です。
普通の感覚であれば、1,000万円の借金なんて家を買うのと同じくらい、一世一代の大勝負だと思います。
でも、「数ヶ月で1,000万円稼ぐ能力が自分にはある」という自信さえあれば、誰でもためらいなくお金を借りることができると思います。
1,000円、1万円くらいの借金であれば、そこまでストレスに感じないのと同じように。
そしてその時感じたのは、人が成長するというのはこの「◯円くらいの借金なら返せる」の拡張なのかもしれない、ということです。
前述の言葉の後、先輩も
「でも、まだ1,000万が限度やな。億はもう一段階上の話やと思う。」
と言っていましたが、この「自分は今いくらなら借金しても返せるか」の感覚は、「今いくら持っているか」よりもはるかに大事だと思っています。
例えば今手元に1億円あるとして、普通はそのまま貯金し、何かあった時に少しずつ切り崩しながら使っていくと思います。
これが自分ひとりの資産ならば寝かせたままでもいいのですが、融資や出資を受けて手にしたお金であれば、元金以上の返済や利益還元が必要になります。
そんなとき、思い切って資金を使いきれるかどうかは、自分自身や自分の手がける事業に対して投資分を確実に回収できるという自信の有無にかかっています。
借りたお金を返せるだけの自信がなければ、恐怖心から中途半端にしかお金を使い切れず、最終的にジリ貧になって終わりです。
そうならないためには、借金の金額以上に自分の価値を高めるしかありません。
これは個人にも言えることで、サラリーマンだろうとフリーランスだろうと「最悪◯円なら自分の力で稼げる」という範囲を広げていかなければ、転職にしろ独立にしろ、真に自由な選択はできません。
そのためには、習い事や勉強会へ参加する際に自分の「最悪◯円なら自力で稼げる」の範囲を広げることにどれだけ寄与するのか?を意識する必要があります。
自分自身の稼ぐ力に寄与しないものは、「自己投資」ではなくただの「趣味」だからです。
もちろん、趣味として続けていたことがきっかけで仕事になったり、その道の第一人者として独立につながることもあります。
しかし、その場合も「趣味」を脱却して「仕事」にするタイミングで、いくら稼げるかを意識しはじめなければ、現状維持もしくはゆるやかに下降していってしまいます。
ヘンリー・フォードの言葉にこんなものがあります。
「もし今全財産を失ったとしても、私はこれまでにかけた半分の期間で、同じだけ資産を増やすことができる」
(彼は、40歳まで1銭たりとも貯金をしなかったことでも有名です)
今どれだけ現物の資産をもっているかではなく、稼ぐ力が自分の中にどれだけあるか。
自己投資の本質は、「今すべて失ったとしても、すぐに立ち上がれるだけの力」をつけることなのだと思います。
(Photo by tomoko morishige)
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