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本と映画と、エトセトラ。

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読んだ本・観た映画について気まぐれに。 (photo by tomoko morishige)
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2017年10月の記事一覧

失恋カラオケの選曲リスト

失恋カラオケの選曲リスト

まだ大学生だったころ、よく「失恋カラオケ」をやっていた。

誰かが失恋したときにみんなで集まって、失恋ソング縛りで歌いまくるというだけのことなのだけど、みんなで泣きまくるとすっきりする。
そうやって支えあいながら、若い私たちは何度だって立ち上がってきた。

失恋カラオケが面白いのは、選曲にその人の恋愛観が色濃く反映されることだ。

普段はあまり歌詞を見ない人も、失恋ソングだけはちゃんと歌詞に共感す

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二週間だけのバカンス

二週間だけのバカンス

「旅行は年に1回するかどうかくらい。あまり東京から離れません」
と言うと、けっこうな頻度で驚かれる。

新しいまちに行くのは好きだけど、移動時間が苦手なので誘われないとでかけない出不精な私である。移動が面倒すぎて、旅行するくらいなら引っ越したい。

ということで、東京を離れるならまとめて数週間離れよう!と思い、二週間ほど放浪の旅へ。

もちろん、今回の旅のテーマソングはこちら。

忙しいからこそ 

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私を遠くへ連れていってくれるもの

私を遠くへ連れていってくれるもの

上京以来ほぼテレビを観ていない私が、めずらしくハマったのが朝の連続テレビ小説「花子とアン」だった。

朝準備をしながら観て、夜帰ってきてから録画したものをもう一度観て、週末にももう一度みるくらいハマったドラマは後にも先にも花子とアンくらいだと思う。

何がそんなに私の心を打ったのかというと、話の筋や出演者の影響もあるものの、何より主人公・村岡花子の本好きに共感したことが大きい。

彼女は、本を読む

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そのダメ恋はきっと、あなたのせいじゃない。

そのダメ恋はきっと、あなたのせいじゃない。

「付き合った人のことを悪く言いたくない」なんて、綺麗事だと思う。

好きなまま別れられればいいけれど、大抵はもう顔も見たくないほどすれ違ってしまってから、別れを選択することになる。

そして少しずつ、笑い話にしてなっていく。
あのときダメな恋愛してたよね〜と、女子会のネタとして昇華されることによって。

***

この歳になると、惚気混じりの単純な恋愛相談は少なくなる。
安易にアドバイスするのが憚

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東方神起から学んだ、理想の愛の育て方。

東方神起から学んだ、理想の愛の育て方。

あまり公言していませんが、大学時代めちゃくちゃK-POPにハマっていた私。

日によっては日本語よりも韓国語に触れる機会が多かったくらいドハマりしていたのですが、その時に身につけた "オタク道"があります。

それは「愛は直接返すものではない」ということ。

きっかけは、東方神起のチャンミンがライブで語った言葉でした。

「僕たちを人生の全てにしないでほしい。
応援してくださるファンがいてこその僕

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「幸せってなに?ならなきゃいけないの?」

「幸せってなに?ならなきゃいけないの?」

高校生の頃に流行った携帯小説「Deep Love」。

その中で主人公のアユが放った言葉に衝撃を受けたことを、昨日のことのように覚えている。

「幸せって何?ならなきゃいけないの?」

たしか、進路相談のシーンで先生から「そんなんじゃ幸せになれないぞ!」と言われて返した言葉だったように思う。

人はみな幸せになりたいと思っている。それが当たり前で、すべての前提にあると思っていたので、子供心にその問

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帰りたい場所は、いつだってあの雨の日

帰りたい場所は、いつだってあの雨の日

そういえば、あの日も雨だった。

「雨、降ってきよったなぁ」とつぶやく背中に、どんな言葉を返したかは覚えていない。

あの頃は、いつも背中ばかり見つめていた気がする。

***

窓の外では雨が降り続いている。この部屋からすぐに飛び出して帰りたくなった。けれど、今、自分の帰りたがっている場所はもうどこにもないことも分かっていた。それは私の底で眠っていた記憶の中にだけある場所だった。(「ナラタージュ

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私は人前で喧嘩ができない

私は人前で喧嘩ができない

金曜の0時過ぎ、渋谷駅。

この条件が揃ったとき、必ず見かけるのが改札前で喧嘩しているカップルだ。

私はいまだかつて自分の身にそんなシチュエーションが振りかかってきたことはないので、いつも不思議な気持ちで通りすぎている。

そう、私は人前で喧嘩ができない。

***

「別れ話って、どこでするのがベストなんだろう」

これまでいろんな人に相談してきて、いまだ解決されていない悩みのひとつである。

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自慢は、不安の裏返し

自慢は、不安の裏返し

「マウンティング」という言葉がある。
自分が相手より上だと暗にアピールする行動のことで、ネガティブな意味で使われることが多い。

マウンティングとは要するに、オブラートに包まれた自慢のことである。

ここ最近、自慢されるという状況に直面したことがなかったのだな、と気づいたのは久しぶりにマウンティングを目にしたから。

そして思ったのは、自慢は不安の裏返しだということである。

***

年を重ねる

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