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職務経歴書で志望動機を書くべきか? - 転職で成功する職務経歴書の書き方 #3 -

ここ数年間で1000以上の職務経歴書を見てきましたが、もう何も直すことはない完璧なモノというのはほんの一握りしかありませんでした。転職をするには、ほぼ全ての人が職務経歴書を書かないといけません。しかし本当に受かる職務経歴書を教えてくれるマニュアルというものも存在しておりません。そこで私が考える成功する職務経歴書を皆さんにお伝えしたいと思います。前回は体裁について書かせていただきましたが、今回は職務経歴書の中で志望動機を書くべきかについて考察したいと思います。

実際に志望動機は書かれているのか?

転職エージェントを使うか、直接応募するかで全く状況は異なります。
直接応募する場合は、求職者自身が自発的にアクションをしているので、志望動機を記載している人が多いかと想像されます。
一方、転職エージェントやスカウトサイトを使っての転職の場合、最初の職務経歴書には志望動機はもちろん記載されておりません。そもそもどこに応募するかまだ決まってないので当たり前の事ですが。
転職エージェントと最初の面談を行って、求人ポジションを紹介されて、それに興味を持った求職者だけが職務経歴書を求人企業に提出することになりますが、その際志望動機を求人企業用にカスタマイズして記載してくださいと依頼されることはほとんどありません。実際私が求職者側であった際にも、そうしたリクエストを受けたことはありませんし、私がエージェントの立場でも、そうしたリクエストをしたことがありません。
エージェントは必要であれば、そうした志望動機を彼らが作成する推薦文にいれてくれるからです。

本当に志望動機は必要なのか?

人材研究所の曽和利光さんが
「そんな志望動機なら、ウチじゃなくてもいいよね?」とアホな面接担当者が詰めてきたときの返し方
というトピックの中でとてもいい事をおっしゃってます。

もしもあなたが女性で、合コンに参加したときに、初めて会った男性から「ねえ君、なんで僕のこと好きなの?」と唐突に聞かれたら、気持ち悪いですよね。言うかどうかは別として、「いや、私、まだ別にあなたのこと好きとかじゃないんですけど……」と思うことでしょう。
男性だって、ふつうはそんな言い方しません。ところがこれと同じことをしているのが、企業の採用面接なのです。履歴書には「志望動機」の欄がありますし、初期段階の面接であっても「なぜあなたは当社を志望したのですか?」という質問は超定番になっています。

志望動機を記載しなくていい理由はこれに集約されております。
初対面でいきなり、好きだとか言ってくる人をほとんどの人は信用できませんよね。そもそも何を知って「好きだ」と言ってるのか、私なら不信感しかありません。
大企業は一生懸命企業広告を打ちまくって、なんだかよくわからないふわっとしたいいイメージを一般消費者に伝えようとしていますが、それに乗っかって一次面接で、ふわっとしたイメージに好感を持ってます、とか言ってしまうと逆に落とされることが多いです。
そういう作戦のくせに乗っかると落とすとはひどいやり口ではないでしょうかw?
とはいえ、最初はそんなイメージ位しかないので、志望動機なんてまともなものはなくても全然OKなんです。
曽和さんもおっしゃってますが、志望動機よりも転職軸、つまりどういう会社・仕事をどんな基準で選ぶかが大事だと思います
実際、この転職軸がぶれぶれで、今の会社が嫌で辞めたいだけなんだろうと勘ぐられてしまう方も結構多いので。

初対面で「あなたのことが好きです」といういうよりも、「カクカクしかじかこんな人が好きです」というほうがまともに見えますよね。

では本当に志望動機は必要ないのか?

求職者の転職軸が明確で、その会社、ポジション、仕事がそれに合致しているならば、それが志望動機でもよいかと思います。
選考が進むうちにそれが判明することになりますので、それは志望動機ではなく志望理由といった方がよいかもしれませんが、、、。
しかしながら、最終面接においてこれで乗り切れない場合がたまにあります。

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創業社長によくあるパターンですが、その事業に対する共感を要求されることがあります。社長の思い入れが強く、それをある意味強要されるのですが、経営側に立つと、仕事で行き詰まった時に、事業に対する思い入れが強い方がそれを乗り越えやすいという理由からそう思っているのです。
そういう面も確かにあるとは思いますが、私は仕事をどう完遂させるかは人それぞれの理由があると思うので、事業への思い入れもその一つですが、職業人としての責任感や、プライド等でもバネになるかと思います。

たとえ会社や事業内容に強い共感がなかったとしても、何かに共感しているからその会社に入社しようと思うわけで、それは得てして直属の上司になる人や経営陣に共感しているからではないでしょうか?そうであれば、最終面接で志望する理由を聞かれたならば、
「あなたと働きたい」と答えればいいのではないかと私は思います。

転職するには志望する理由は必要です。しかしそれは最初から必要なのではなく、選考の最終過程には自然と芽生えているものだと思います。

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