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職務経歴書にどこまで実績を書くべきか? - 転職で成功する職務経歴書の書き方 #1 -

ここ数年間で1000以上の職務経歴書を見てきましたが、もう何も直すことはない完璧なモノというのはほんの一握りしかありませんでした。転職をするには、ほぼ全ての人が職務経歴書を書かないといけません。しかし本当に受かる職務経歴書を教えてくれるマニュアルというものも存在しておりません。そこで私が考える成功する職務経歴書を皆さんにお伝えしたいと思います。

実績について

何も実績について書かないというのは問題外ですが、ではどんな風に実績を書けばいいのでしょうか?

相手に何をしていたかが具体的に判るように書くというのが基本中の基本です。相手に分からないように書いてしまう人もたまにおりますが、そもそも相手の目眩しをしたいのではなく、相手に自分を理解してもらう為に書いていることを忘れてはいけません。

どこまで具体的に書けばよいか?

具体的に書くべきではありますが、すべてを具体的に記載すると冗長な文章になってしまい、要点がわからなくなってしまいます。過去の全ての業務の具体例を書く必要はありません。面接官が読めるのは、関心を持った3つ程度の事柄になります。もしその会社向けに職務経歴書をカスタマイズできるのであれば、多くても5つ程度に絞ってよいかと思います。汎用的な職務経歴書であれば、多くても8つ程度の具体事例にしておくのがよいでしょう。残りの経験業務、イベント等は概要のみで、質問された際に具体的に回答すればよいと思います。

NDAにより守秘義務がある場合

コンサルティングファーム等、厳格な守秘義務を負っている業種の方々のレジュメは、往々にして実績を全て匿名化しており、中身が何かわかりにくくなっています。実際守秘義務契約(NDA)もあり、言えないことが多いのも理解できます。一部、そうした業界の方を除き、ほとんどの方はそこまで守秘義務が厳しいわけでもありませんので、しっかり実績を書かれた方が良いかと思います。

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「NDAがあるので、それはお答えできません」という回答をされる方もたまにいますが、面接官に対してゼロ回答もしくはマイナスな印象を与えることになります。仮にNDAがあったとしても、NDAに抵触しない範囲で、その業務を説明することはできますので、闇雲にNDAを盾に回答を拒否することは避けるべきです。実際、熟練の面接官はNDAというワードが出てきた瞬間に「この人は実際その業務をやっていないから、何も答えられないのではないか?」という疑念が脳裏をよぎっております。

定量的な表現を意識しましょう

定性的な表現を多用する割に、ほとんど定量的な実績を記載されていないレジュメもたまにありますが、定性的な表現だけでは実際その人が優秀かどうかを判断することができません。定量的な尺度をいれることにより、その実績を客観的に評価できるようにすることが肝要です。また、稀に初年度売上比500%といった実績を見ることがありますが、初年度の売上が非常に小さかった場合には、なんのスケール感も表現できないばかりか、誇大広告的な表現をする人と見做されてしまいますので、避けるべきです。

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実例を用いて

例えば以下のような実績を記載した場合、

1. 本邦に於けるコールセンター事業者とのビジネス構築若しくはビジネスコーディネーターのリプレース展開 
2. コールセンタービジネスに於けるプレゼンス確立と定量的な目標シェアの達成
3. コールセンター事業者のM&A、事業投資

以下のような改善点が考えられます。

1のコールセンター事業者の名前が開示できないのであれば、業界何番手なのか、売上規模がどれくらいなのかを記載してどのような規模感の取引先かがわかる様にすべきです。またビジネス構築というふわっとした言い方ではなく、どのようなビジネスを構築したかも具体的に記載した方がよいでしょう。

また2の定量的な目標シェアの必達というフレーズも目標シェアがどれくらいで、実際のシェアの数値もあった方がよいでしょう。

3のようなM&A、事業投資という大きな括りの単語についても、買収先の規模感等を記載してディールの難易度を表現しつつ、その投資活動において自分が担当した業務を具体的に記載すべきです。

最後に

職務経歴書を通して自分を理解してもらうという姿勢を表現してください。相手に理解してもらおうという姿勢は、職務経歴書にとどまらず、仕事をする上で全ての人に必要とされるコミュニケーション能力の基盤であるからです。


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