見出し画像

中途採用面接での希望年収の答え方

日本人はお金の事をあからさまに交渉するのを美徳とみなさない傾向が強く、なかなかこの希望年収についてうまくハンドルできていない求職者の方が多いように感じています。

実際に、転職時に希望年収をどのように考え、どんなタイミングで求人企業に伝えれば良いのでしょうか?
検索すると数々のサイトにこの手の情報は記載されておりますので、一般的にはそれを参考にするのが良いかと思いますが、さらに踏み込んだ部分を検討してみましょう。

履歴書などの希望欄に記載すべきか

たまに希望欄に具体的な希望年収を書いている方がいらっしゃいますが、よくない事例です。
一般的には「貴社規定に従います」と記載するのが良いのですが、何故ダイレクトに書いてしまうとダメなのでしょうか?
採用する側からすると、まだ話もしていない、どんな実績があるか、どんな能力を持っているか、どんな貢献をしてくれるか全くわからない人から、いきなり「これだけください」と言われているようで、不躾で自己中心的な態度に見えてしまうからです。
タイミング的にも履歴書で希望年収を書く必要は全くなく、拙速な切り出し方になってしまうからです。

画像1

転職エージェントには希望年収を伝えるべきか?

おそらくしっかりした転職エージェントであれば、最初の面談で希望年収を聞いてくるはずです。
その場合は答えて良いのですが、理由なく高い年収を希望されても、エージェントから自己分析能力がないと見限られてしまいます。
私は、「最低希望年収」からご自分で考える「これぐらいはもらっても良い年収(市場価格)」のレンジで聞いております。
何故レンジで聞くのかは、紹介する求人ポジションの年収レンジと重なるのかどうかを知りたいからです。
求人企業の中には、とても良い会社で社会的意義も高い仕事ですが、給与水準は決して高くないところもあります。
全ての求職者が「年収」を会社を選ぶ最重要の基準に置いているわけではなく、やり甲斐を重視している人も数多くいらっしゃいます。そういう人の最低希望年収をクリアできるかというところもエージェントとしては気になるところです。
エージェントは基本的にできるだけ高い年収で入ってもらいたいと考えていますので、エージェントには希望年収を正直に話をされた方が良い結果となるでしょう。

画像2

求人企業にはいつ希望年収を伝えるべきか?

転職エージェント経由の応募であれば、年収交渉は全てエージェントに任しても良いのですが、一次面接から希望年収について聞かれることは多々あります。
事前に見ることができる求人票にはかなり広い年収レンジが記載されることが多いので、求人企業側も具体的な希望年収を聞きたいのであれば、その候補者に対してオファーする具体的想定年収を先に伝えるのが筋ではないかと個人的には思いますが、実際には一方的に聞かれるパターンしか見たことがありません。

この場合、「現在の年収は○○円ですが、御社の規定に従います。」
程度に留めて、具体的な希望年収を伝えなくても問題ありません。
または面接を進める過程で実際の仕事内容、仕事環境、その会社の市場でのポジション等を理解した上でないと希望年収は申し上げられませんという理由で保留してもよいかと思います。
最終面接の前後、内定も視野に入ってから具体的な金額を話しあうのがスマートなやり方です。

希望年収はいくらにすべきか?

あくまで希望なので、ご自身の希望金額で良いといえば良いのですが、いくつかの切り口からどうすべきかという判断をするべきです。

まず、年収にはあまり拘らず、その会社で、そのポジションでどうしても採用されたい、という場合は、本当の最低希望年収を書いておけば良いと思います。
但し現年収よりあまりにも低い金額を自ら進んで提示する必要はありませんので、現年収より下げるにしても適度な範囲に留めておくべきです。

次に現年収以上で、できるだけ上げ幅を大きくしたい場合はどうでしょうか?
最善の方法は、複数の求人企業に応募し、競合する状態を作ることです。
この場合、企業側は出せる範囲でできるだけ高いオファーをして来るでしょう。
しかしながら、同時期に複数の内定をとることはなかなか難しいので、単独応募で年収アップを狙うにはどういう希望金額にすべきでしょうか?
その場合は現年収の大凡10%前後が最大アップ幅の目安かと思われます。
年収別に見ますと

画像3

  400万円 → 450万円
  500万円 → 550万円
 600万円では20%アップなので過大すぎる
  800万円 → 900万円 桁が変わる1000万円は25%アップで難しい
1000万円 → 1100万円 1200万円でも過大な要求に見えてしまいます
1500万円 → 1650万円 これ位の年収レンジでも1700万円とすると過大

もちろん、前職が同職種の市場平均値より大幅に低い場合等の例外ケースではこの限りではありませんので、あくまで参考値としてお考えください。

最後に

年収交渉のテクニックを検証してきましたが、あくまでテクニックですので、それだけで年収があがる訳ではありません。
実際のご自身の実力を高めることで年収は上がっていくものですので、テクニックに溺れずに目の前の仕事に全力を尽くし、結果をだされることの方を強くお薦めします。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?