マガジンのカバー画像

短歌№1-30

30
あとで読む記事をマガジンに保存しておくことができます。不要であれば、マガジンの削除も可能です。
運営しているクリエイター

2022年8月の記事一覧

夜が明け
声や姿を
永遠に
閉じ込めていたい
香水の瓶

かさねたら
紅が移る
柔肌の
甘い香りは
あなたの中に

手のひらで
そっと優しく
触れたあと
ぱっ、と色づく
頬の薄紅

灼熱の
外の魔境に
むかうため
魔法ひとかけ
冷凍庫から

夕立の
あとに飲み干す
サイダーの
泡の飛沫が
七色になる

悲しさの
色を青だと
言うのなら
悲劇の渦だ
青春なんて

瀬戸内の
穏やかな波でさえ
水樹奈々が歌えば
荒波になる

やがてふる
知られざる街の
片隅で
傘をさそうか
あなたとふたり

暗闇
足元に散った
言葉たち
掴んで走れ
友の指す方

暗闇
足元に散った
言葉たち
掴んで走れ
友の指す光
(20220902改訂)

膨大な
ゼロの世界を
読み解いて
いつかみせてね
ステージの上

feat.電気の恋人

君はまた
引っ張り上げて
いくのだろう
私自身も
知らない声を

寝起き面
氷のかけらを
口含み
いってきますと
駆ける真夏日

揺らいでも
あなたの命の
灯火を
ずっとみせてよ
君はシンシア

feat.シンシア・愛する人/
シンシアの光