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プロスポーツ×地域活性の可能性〜 quod works #01

「地域密着の百年構想」でスタートしたJリーグ。以前から各チームでは様々なホームタウン活動が行われていますが、ここ数年でさらにプロスポーツ×地域活性に取り組むチームをニュースで見聞きする機会が増えてきました。

ホームタウン活動とは
地域に愛されるクラブとなるために、Jクラブはホームタウンの人々と心を通わせるためのさまざまな活動を実践しています。Jリーグでは、ホームタウン会議などを通じて、各クラブのホームタウン活動の共有や情報交換、各種調査などを行い、同活動を推進しています。

2019年4月より、サッカーJ1リーグの松本山雅FCの事業PRパートナーとなったquodは、ホームタウン活動の新たな取り組みとして、松本山雅と共に「松本山雅ジャーニー」を企画実施しました。対戦相手のサポーターへの“おもてなし”を通して、松本の地域を知り魅力に触れてもらう、地域と一緒に作ったプロジェクトはどのように生まれたのか、プロジェクトチームのプロデューサー中川さん・サポート柴田さん・アシスタント(インターン)山中さんに企画の背景や想い、これからの挑戦などについて聞きました。

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地元の人にも参加者にも良質な体験を

中川:「松本山雅ジャーニー」は大きく2つの目的があって、1つ目はサッカーを通して地域の人たちとの交流や魅力に触れてもらうこと、2つ目は地域資源を活用して利益が生まれる仕組みをつくることです。

今年春に松本山雅の試合観戦に行ったとき、ホテルがほとんど埋まっておりビジネスホテルでも通常の何倍もの価格で宿泊せざるを得ない状況でした。せっかく松本まできたのに体験価値に見合わないことにお金を払うことに違和感があったんです。せっかく松本に来たからには、ここでしかできない体験や美味しいごはんにお金を使いたいですよね。また、別の視点から見ると、ホテルの客室数が不足するということは、多くのサポーターが松本に来ているということ。それもシーズン中のホーム試合は毎回その状況なので、この熱量の高いサポーターの方たちと地域資源をつないで何かできたらおもしろいなと漠然と考えていました。

そんなとき、松本市の中山地区の代表の方から農地の活用について相談がありました。中山地区は、松本山雅がホームタウン活動で「あやみどり」という青大豆の栽培を行っている場所ではありますが、それ以外の農地や温泉などの観光資源はうまく活用ができていないので、何かできないかと。中山地区は、松本を一望できる絶景ポイントや小さな牧場、市民が楽しむために作られたピザ窯など、魅力的だけど使い切れていない資源がたくさんあります。これらを知ってもらうためにはと考えた時に、漠然と考えていたサポーターの方たちと地域資源をつなぐ取り組みとして、アウェイサポーターに向けた“松本を味わう”ツアーを提供するプロジェクトを立ち上げました。

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柴田:普段はライバルの“アウェイサポーター”ですが、スタジアムの外ではホームもアウェイも同じサッカーファン同士。せっかく松本に来てくれているので、もっと松本の魅力を知ってもらいたいし、地域のサポーターの方とも交流できるきっかけを作れれば、これらの体験を通してまた松本に来る楽しみを持ってもらえる、そういった好循環を作りたいと考えていました。

実際の企画内容は、農業体験とキャンプをメインに、地元の魅力をとことん味わってもらうものができました。結果、ちょっと魅力を詰め込み過ぎてしまった感じにはなってしまいましたが(笑)。

中川:ただ楽しんでもらうだけではなく、目的の2つめにあげた地域にお金が落ちる仕組みまで作ることも意識しました。これまで流通経路が限られていた野菜なども、お土産やBBQにすることで新たな販路ができる、地元の人しか活用していなかった施設も外部の人に利用してもらえれば新たな収益につながる可能性があります。同時に参加者にとってもここでしか食べられないものなので、体験に付加価値をつけることもできます。この企画を通して、双方が良質な体験ができるように細部までこだわったからこそ、quodらしい企画ができたんじゃないかなと思っています。

山中:参加者、地元の方、松本山雅の方からそれぞれ反響もありました。参加者からは、地元の人との交流やそこでしか体験できないことができたことについて満足度が高かったというコメントが多くありました。また、松本山雅の方からは、ホームタウン活動の中でも地域の方と一緒に取り組んだ具体的な事例ができたことを喜んで頂きました。すでに、ユースチームが同じ場所でキャンプをするという話も進んでいるようです。

柴田:一緒に取り組んだ地元の方だけの反響にとどまらず、この取組がすでに同じ地域内でも広がっているようで。「うちの農園でもやってほしい」と松本山雅の担当者に連絡があったようです。初めての取り組みでしたが、想像以上の反響で驚いています。

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中川:反響は嬉しかったのですが、もちろん改善点もあります。今回は、地元の方の負担が大きくなってしまったにもかかわらず、想定していた利益よりも少ないという結果でした。地域の人が一方的におもてなしをする形ではなく、一緒になって楽しんでもらえたり、いい体験をしてもらえるのがベストなので、ツアー内容やコストの見直しは今後の課題です。しかしながら、改善の余地も大きく、今後の可能性も見えてきてはいるので、改善と実施を重ねて、最終的には、地域の人たちだけで運営できるような仕組みを作っていければと思っています。


quodでは一緒に働くメンバーを募集しています

中川:quodでは、仕事をする上で体験価値を大事にしています。利益を追求することも大事ですが、中長期的に自分たちにとって投資対効果の高い仕事であれば積極的に投資をしていきます。好奇心や主体的な人にはやりがいがあり、楽しめる環境だと思います。個人的には事業パートナーやメンバーと切磋琢磨する時間を共有できる人と一緒に働きたいね。

山中:中川さんはじめ、みんなが楽しいことをしようと企んでいるので、必然と楽しい仕事が多いですね(笑)。インターンでも企画の最初から最後まで関わることができるので、熱量を持って取り組めるし、結果や反響がダイレクトなのでやりがいも大きいです。

柴田:今回の松本山雅は実は父が関わっているチームで、quodメンバーで一緒に試合観戦に行ったことをきっかけに仕事としての関わりもスタートしました。かねてからの夢だった、父と一緒に仕事をする、地域のサポートをすることが実現でき嬉しかったですね。個人の想いを会社ごととして受け止めてくれて、一緒に向き合わせてもらえる環境があるのは本当にありがたいなと思います。

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