ウルトラマラソン世界記録保持者のカミーユ・ヘロンは練習で長距離を走らない
ウルトラランニング界で数々の世界記録を打ち立ててきたアメリカ人女性ランナーのカミーユ・ヘロン(Camille Herron)はトレーニング方法が特徴的です。
ウルトラランニングのトレーニングでイメージしそうな、一度にたくさんの距離を走ったり、2日連続でロングラン(back-to-back)すると言ったトレーニングはやりません。
2022年2月にJackpot Ultra Running Festivalの100マイルレースで(非公式に)100マイルの世界記録(12時間41分)を更新した時、レースまでの9週間で32kmのロングランを1回やっただけです。
普段は、30−35km程度のロングランを月に1−2回やるだけです。
back-to-backは一度もやったことがないとのことです。
代わりに何をやっているのかというと、短い距離を高頻度で走っています。
具体的には、多くの日は2部練で、午前に16−24km(10-15マイル)、4−8時間のレストをはさみ、午後に9.5-11.2km(6-7マイル)ジョギングし、ポイント練習は週4回です。
ショートインターバル
ロングインターバル
ビルドアップ
アップダウンのヒルセッション
ドカ走りではなく、頻度と累積距離を重視しています。
カミーユによれば、ロングランは過大評価されています("Long runs are overrated. Cumulative volume & frequency . Easy is easy ")。
トレーニングでは、オーバーリーチングが大事ですが、やりすぎてオーバートレーニングになっては元も子もありません。
運動量に対する骨の強化を調べたマウス実験でも、一度に大きな負荷を書けるよりも、分散させて負荷をかけたほうがいい結果が得られています。
量より質
距離より時間
過去に何度も米国ウルトラのナショナルチームに選ばれているサブリーナ・リトル(Sabrina Little)もカミーユと同様のトレーニング方法を採用しています。米国の24時間走の記録を更新した時、トレーニングでは最大でも25-28km(16−17マイル)程度しか走っていません。子供がいて、連続した長いトレーニング時間を確保できないライフスタイルにもマッチしているとのことです。
ウルトラマラソンやトレイルランニングのために、長く、ゆっくり走ってばかりで記録が伸び悩んでいるランナーは、一度トレーニング方法を変えてみるといいかもしれません。
カミーユ・ヘロンのトレーニングの詳細は、次の記事・Twitterスレッドをご確認ください。
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