フロレンティア5 フィレンツェ アパルタメント

フィレンツェにたどり着くと早速地図を頼りに家を捜した。
『えー かなり遠かないか?ここ』
降り立ったS・M・N 駅からほぼ真東に位置するCAMPO DI MARTE
イタリア カルチョなどのスポーツ競技場だ。
これから住む家はここの近くにあった。

『どうやって行こう?』バス?タクシー?・・・歩き?いやいや歩きはいくらなんでも遠いだろう。バスは乗り方分からないし、ま、タクシーだな。金も盗まれたばかりではあったが、ここは奮発してタクシーに乗り込んだ。何事もなくタクシーがこの場所を捜しあてると重いスーツケースを降ろして去っていった。

ここが俺が住むアパルタメント 石壁の中に呼び鈴のボタンがいくつか付いている。家主の名前のボタンを押すとしばらくして『Si』と男の声が
聞こえた。
『ブーー,カチャ.』と木造の大きな扉が開錠された。
イタリアの扉はおもしろい。大きくて頑丈で色々なデザインがあり
扉をノックする為の様々な形の輪っかが付いている。

すると無精ひげを生やしたひ弱そうな男が降りてきた。
とりあえず部屋に案内してもらい、スーツケースを置いて台所へ向かう。彼はエスプレッソを入れてくれた。そして鍵を俺に渡し、色々としゃべりかけてはくれるのだが、なかなか通じない。
唯一 学校へ行くバス停の場所だけは理解しなければならなかったので 紙にかいてもらってなんとか分かった。

後は むこうもこれ以上話しても通じないとわかり『チャオ』と言い残してでていってしまった。

俺は自分の部屋へ行きベットに横になった。
『・・・疲れた』
イタリアの夏は日が長いがすでにどっぷりと日は暮れていた。
『明日から学校だ。』そうつぶやくと俺は何も食べずに眠ってしまった。

語学学校での日本人の恐るべし実態を気づかずに深い眠りに落ちていったのである。



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