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楽曲雑記 - 「未来への手紙」という曲の話

腰痛が辛いです。ぎっくりではなく慢性なのでたぶんあれですねと言われ哀しみに暮れてます。
こんばんは、私です。

今回は自分が主催、プロデュースしたサークルのアルバムに書き下ろした
「未来への手紙」
という曲について触れていきたいと思います。
6/14 リリックビデオ公開しました。

収録されているアルバムとサークルについては下記リンクをご確認ください。
Compilation Collection "Prism Sketch Vol.1" / image sketch Studio

https://big-up.style/SSx1ZSkBMH

サークルプロジェクト [image sketch Studio] X(ex.Twitter)アカウント

それでは本題


楽曲の制作は2月下旬からはじまります。
コンピレーションアルバムを作りたいという話を持ち込んで企画して、自分も曲を作るということで
今回のテーマは「自己紹介、ジャンルは自由」
企画運営側としても動きつつ、曲も作る
今考えたらかなりの重労働ですよね。
でもその時は全然いけるって楽しみのほうが先行していたんだと思います。

今回はこの楽曲についてのみ焦点を当ててお話していきます。

この曲のスケールとコードは2つのアシスタントから成り立っています。
一つは毎度お馴染みScaler2のソングプリセットにあったもの
もう一つはアルバムにも参加してくださったこちらもお馴染み虹島夕夜さんによるコードアシスタント。

今回メインになったコードがこちら
スケールはB♭メジャー→転調Cメジャー(2度上げ)

Scaler2のプリセットを元にしたもの(Aメロ/サビ1)
ちょっといじったもの(Aメロ/サビ2)
Bメロ1
Bメロ2
Bメロ3
Bメロ4

Bメロは虹島さんにアシストしていただいたコードを全部Scaler2に認識させるとこういう感じになっているので、ボイシングとかそういうのありきなんだと思います。多分。

素案を作る際、
まずScaler2のプリセットから、これを使ってみたいというものがあったのでそれをスケールを変えて型にハマりそうなものを探していきます。
それをまずはベタでピアノ音源に貼り付けていきます。
BPMを決めます。
それが出来たらそこからPERFORMANCEモードでいろいろなパターンを模索していき、リズムサンプルを適当に貼り付けて
というのはいつも通りの作り方。

全体の中心となるコードや組み立てが出来たあとに
頭出しのメロディを少し思いついて少し寝かせたりしたのですが
これBメロにあたる部分どうしようか…と、なかなかひねり出せず、虹島さんに相談して、前述のコードをアシストしていただき、それを元に土台を組み立ててみました。
最初はピアノ、ストリングス、プラックアルペジオ、ベース(仮)くらいで作ってた気がします。

ここから全体の構成を考えて土台をさらに組み立てていきます。

イントロ→Aメロ→Bメロ→サビ→間奏→Bメロ→小サビ→転調サビ→アウトロ
という作りにするためにMIDIやオーディオファイルを切り貼りぺたぺた。

出来上がった土台から今度は本格的にメロディを考えていくのですが、今回は本当に時間がかかったなあと。

メロディを作る時は今回もSpeldosaを使って、コードを聴きながらMIDIキーボードをぺちぺち叩きながら、この音をこうかな?とMIDIをマウスでかちかち打ち込んでいきます。
そこからここをこの譜割りにしたら響きよさそうだなあっていう感じに持っていくようにあちこち8分から16分に変えたりなんだりかんだりしてあのイントロのメロディは出来ました。
でもあれがAメロの元アイデアにもなっていたりもしたのですが、結果的にボーカルのメロディはまったく違うものに。

さてそのボーカルの話ですが、ライブラリはGUMI(SynthesizerV AI megpoid)を使うと決めていたので、その方向で進めていきました。

メロディと歌詞については
以前記事に投稿したこともある自分の作り方として
1ABサビのボーカルのメロディと歌詞を並行して作る→ABサビまで出来たらコピペして歌詞を作り直す
やり方があるのですが、今回もそのパターンで作っていきました。

あとで他の方々に作り方を聞いてみると
ほとんどは歌メロもピアノで先に打ち込んでそれを整えてからボーカルソフトに流し込んで作っていくそうです。
これが一般的と言えば一般的な作り方だと思うのですが、
それをやらずにSynthesizerVのピアノロールにぺちぺち打ち込んでいって、4小節前後出来たら歌詞のパーツを入れていくというやり方で作っていきます。

その並行で作っていくのですが、作業に取り掛かる前にふと

ボツ曲を含め過去に作った曲を全部聴いてみるなどし
一番最初にKORG Gadgetで作り切った1つの曲として完成したもの、その時にどうやって作ったっけな。

という考えからこの曲の歌詞のイメージが浮かびあがりました。

「振り返り。今の自分と昔の自分。どんな気持ちで曲のようなものを作っていた?。問いかけ。手紙。」

と、パーツがどんどん浮かび、それを歌詞として伝わる文章に変換しメロディと並行して打ち込んでいきました。

1か月で一旦1番までデモを作り終わったところで
ここからブラッシュアップと歌詞調整をしていきます。
この時点で2番B以降の歌詞が完成しておらず、頭を悩ませる日々が続きます。この部分のこのパーツが出てこない、譜割りを変えたらぱっとしない。などといいながらずーっと1週間とか2週間とかデスクに座っては頭抱えてた気がします。
歌詞のパーツが出てこなくてもとりあえず他のブラッシュアップやミックスもしないとということで、深夜ぼちぼち、Discordサーバーでオープンに作業を進めていた中、アルバムに参加いただいてるぽっぽさんとsmallBlueWhaleさんがピアノとストリングスを「こういう風にしたらいいんじゃない?」というのを明け方までサポートしてくださり、自分の中でどうしたらいいかわからなかったことや音の違和感等、すっきりとさせてくれるくらいブラッシュアップを手伝ってくださいました。
イントロのSpeldosaもこれをこう。というのをサポートいただき、デモの頃とは見違えるすごいものに。
アルバムでは別の曲のブラッシュアップもしているのですが、そこでもお二方含めたくさんの方にサポートいただき、今まで理解できなかったEQや各エフェクトはこうやって使う、ここはこう削る、この帯域の音が足りないからこれを増やすなどたくさん助言をいただきました。

それを自分の中で整理し、こういう風にしてみたらどうか、という試行錯誤もしてブラッシュアップをしていきます。
そうしているうちにふっと足りなかった歌詞のパーツも降ってきて、それを整理、文章化し、一通りの流れを作ることが出来、無事この曲は完成しました。

紆余曲折を経て、他の皆さんの曲も完成、納品を完了し、
5月15日、無事に皆さんの元にアルバムの1曲としてこれを届けることが出来ました。
買って、聴いて下さり、温かい感想をくださった皆さま、本当にありがとうございます。

この今だからこそ書けた自分への手紙がとしてのこの楽曲が、皆さんのどこかに響いたのでしたら幸いです。

最終的に出来上がった曲として歌詞も合わせて何回も聴きなおし、自分の中で考えを綴ったライナーノーツがあります。

すべてはこれに書いてある通りなのですが
この曲、歌詞はDTMを始めて音楽を世に送り出してきて、本当に少し経った今このタイミングだからこそ自分自身で振り返り、みなさんに伝えられるメッセージ性のあるものになったんだと思います。

自分はカバーを作ったことがなく、いきなり見様見真似やソフトウェア、VSTの便利機能を使ってオリジナル楽曲を作り始めた人です。
なんか少しおかしいなって今聴いたら思うようなお蔵入りの曲や完成間近までもっていった曲も一つ一つがいくつも試して迷って出来上がったもの。
そうやって積み重ねで曲を作っていく能力は上がるんだろうなって思います。だからこそ、そんなものでもただただデモ曲や曲のようなものを作ってていたのが楽しかったその日々が無駄になっていなかったことを忘れずにこれからも進んでいこう。
今なら逆になんかカバーを作ってみるのに挑戦するのもいいのかなって思いますが、それはまた別の話ということで。

さらに大事なことは、これは自分一人ではここまで完成できなかった曲で、アルバム企画に参加してくださり、サークルとして共に活動していくことを承諾してくれたメンバーのみんなの協力があって鮮明な解像度で楽曲を完成させることが出来ました。
改めてみんなに敬意と感謝を。

ただ曲を作るだけではなく、自分の作曲スキルアップも図れた1曲になったのではないかと思います。

間奏について
過去に制作した「遺言」という曲と「旅ノ終ワリ」という曲のメロディフレーズを入れています。


振り返るというアイデアの元、間奏ソロを考えた結果、昔の曲のメロディとか入れたらよさそうと自分の中で閃き、それを取り入れました。


もっと苦労話とかあったりしますが、それは割愛させていただきます。
アルバムとして作るために自分がした作業はもっとあって、それをしながら自分の曲も作るってやっぱり大変でした。想定の3倍近くやることがありました、はい。


終わりに

この楽曲のリリックビデオを6月14日20時より公開しました。
このビデオを以って、自分の中のこの楽曲のイメージは完成されたと思います。
お楽しみに。

これから先にも、サークル活動としてリリースする曲、企画が進行していて、立ち止まってられない自分の中のワクワクがいっぱいです。
これからも楽しんで、誰かの心に響くような曲を作っていこう。

以上、今回はここまで、最後までご覧いただき、ありがとうございました。



以下
おまけとして「未来への手紙」で使用した音源、プラグインとかをメモ書きしていきます。
興味のある方はどうぞ。



















未来への手紙 / :quilik: as image sketch feat. GUMI
BPM 80~83

All Lyrics&Music,Arranged: :quilik:
Chord Progression Support: 虹島夕夜
Piano&Strings Arrangement Support: ぽっぽ、smallBlueWhale



・Idea
Plugin Boutique - Scaler2
loopcloud
loopcloud drum

・Vocal
Dreamtonics - SynthesizerV Studio Pro
INTERNET - SynthesizerV AI megpoid(GUMI)


・Piano,Keys
XLN Audio - Addictive Keys Studio Grand
Klevgrand - Speldosa

・Rhythm (SamplePack)&FX
Famous Audio - Atomspheric Chill
Loopmasters - Eclipse
Loopmasters - Sound Foundations Intro Pack
Dharma Studio(Splice) - Sounds of KSHMR
Free Sample Clock

・Sequence,Arp
Arturia - Pigments 5
Xfer Records - Serum
Vengence Sound - VPS AVENGER2

・Bass
Native Instruments - KONTAKT7 - Session Bassist Prime Bass

・Strings
Native Instruments - KONTAKT7 - Session Strings Pro 2
_______________________________________________________________________
・EQ,FX
Xfer Records - OTT
Three-Body Tech - Kilchhoff EQ
Three-Body Tech - Cenozoix Compressor
Techivation - M-Clarity
Techivation - M-De-Esser
Baby Audio. - Crystalline
VoosteQ - Model N Channel
Solid State Logic - SSL Native FlexVerb

・Mastering
iZotope - Ozone 11 Advanced
Goodheartz - Ghz Loudness 3
WAVES - VU Meter Stereo
iZotope - insight2
Mastering The Mix - LIMITER

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