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続・猫とコーヒー

お待たせしました。猫とコーヒーの続編です。
待ってない?・・という声もあるかもしれませんが(笑

もともと、『猫とコーヒー』というタイトルを思いついて書きはじめたのが前回のエッセイでした。なんだか、小林聡美主演の映画のタイトルにありそうな感じで、ほんわかしたものが書けたらいいなぁ・・と思ったのです。

『続・荒野の7人』みたいな(古いなぁ〜)続編は、コーヒー編です。
前回は猫話に終始したので、今回はコーヒーの話に終始したいと思います。
タイトルを別々に書けという意見もあるかと思いますが、タイトルありきで書きはじめたので、ごめんなさい。

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では、本編のコーヒーについて。

コーヒーを飲みはじめたのは、二十歳になる少し前ころからだろうか。
両親がコーヒーを飲まない家庭で育ったので、実家でコーヒーを飲むことはほぼ無かった。

ほぼ無かった というのは、来客があったとき(たまに)コーヒーを出していたからで、そのとき一緒に飲んでいた。というか、飲んだことがあるというレベルである。

当時は、インスタントコーヒーが主流で、うちの家も例に漏れずであった。
『ただ苦いだけのお湯』というのが最初の感想で、2回目からは砂糖とクリープ(粉末ミルク)をたっぷり入れて飲んでいた。

そんな十代が終わりに差しかかる頃、喫茶店に通いはじめた。
『ドンク』というこれといった特徴のない店ではあったが、風変わりなマスターと、綺麗で愛嬌のいいママの二人で経営する喫茶店である。

地元のツレ(友達のことを当時はツレと呼んでいた・関東でいうダチですね)と通いはじめて、気がつくと常連のひとりとなり、週5で入り浸っていたりした。

ドンク以外にも、ウッディで落ちついた店や、マリン調の洒落た喫茶店にも行ってはいたが、なぜかドンクに通いつづけた。どんな店でもそうかもしれないが、常連になると居心地が良くなるからかもしれない。

僕たち(僕とツレ数人)以外にも常連が何人かいて、ほどなく顔見知りとなり、ひとりで行っても話す相手に困ることはなかった。彼(彼女)らは、ほぼ毎日決まった時間に店に来て、たいてい一人でやってくる。年齢層も様々で、ほとんどが年上の人たちであった。

ドヤドヤと騒がしく(数人で)店に押しかけるのは、僕たちだけだったかもしれない。いま思うと迷惑な客だったかもなぁ。若気の至りということで、お許しください。

ドンクには、マスターとママ以外にアルバイトもいて、何人かの女の子と親しくなった。同い年のHちゃん(別にHな関係ではありません)は、陽気で人懐っこくて、すぐに仲良くなった。僕のツレと彼女の友達とでドンク以外でもよく遊ぶようになった。

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ここまできて、コーヒーの話をするはずが、喫茶店の思い出話になっていることに気づく。。 前回の猫話と同じ展開じゃないか〜!

まぁ、そのくらい喫茶店が好きということです(ウソです)すみません。

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常連となった喫茶店は、テーブル席が4つとカウンターがあった。
ツレがいない時にいつも座っていたのが、カウンター席。

カウンターの前にはサイフォンが数台並んでいて、コーヒー豆の挽き方からネルドリップの仕方までを見るでもなくただ眺めていた。ときどきマスターにコーヒーについて質問したりした。そして珈琲の香りの虜になった。

レギュラーコーヒーに慣れてくると、砂糖やミルクは要らなくなった(ツレの一人はいつも角砂糖4つ入れていたが・・)

ブレンドから始まり、モカ、ブラジル、キリマンジャロ、ブルーマウンテンと、ストレートコーヒーを色々ためしていくうちに好みの味も次第に明確になった。

濃くて苦いタイプではなく、酸味のある色の薄いコーヒーが好きだと分かった。しかし、味の薄いものではない。これが意外と難しく、他の店でも美味しいと思えるコーヒーにはなかなか出会えなかった。

ストレートでいうと、キリマンジャロ か モカ になるんだけれど、喫茶店で飲むキリマンジャロは薄すぎて味がしないことが多かった。ホットコーヒーの温度が高すぎるのと、豆の酸化によるものでは(おそらく需要の少ない豆)ないかと推測する。これは今になって分かることであるが。

なので、当時はもっぱら モカ を飲んでいた。本当はキリマンジャロを頼みたかったが、何度も失望させられて諦めていたというのが本音である。それでもたまに美味しいキリマンに出会うことがあった。

大阪市内のとある純喫茶で飲んだキリマンの味が忘れられない。感動したといっても良いかもしれない。初老のマスターが時間をかけて出してくれたコーヒーだった。こざっぱりとしたシンプルな店内で、珈琲カップがロイヤルコペンハーゲンだったのは覚えているが、お店の名前と場所を失念してしまった。本町あたりだったと思うのだけれど。。

若い頃に散々、喫茶店に行っていた輩は、結婚を機にぱったりと喫茶店に行かなくなった。ちょうど、喫茶店が少なくなり、〇〇カフェというお店が増え始めた時期でもある。

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時代は変わり、スターバックスが街中に出来始めて、コンビニでレギュラーコーヒーが飲めるようになった。いまでもコンビニでコーヒーを買うことがあるが、唯一セブンのコーヒーが及第点で他のコンビニではハズレが多い。

高速 P.Aの自販機コーヒーは、その昔、飲めたものでは無かったが、最近の高価版は少しマシになったように思う。とくに美味しくはないけれど。

美味しくないと分かっていて、なぜコンビニや自販機の紙コップコーヒーを飲むのかというと、コーヒーを丸一日飲まないと調子が良くないからで、具体的にいうと妙な頭痛がする訳です。

このことに気づいたのは、40半ばだったと思う。
ある日、珍しく頭痛がするなぁと思ってコーヒーを飲んだら治った。また後日、同様のことがあって気がついた。カフェイン中毒の一種かもしれないけれど、飲み過ぎて調子が悪くなったことは過去に一度もない。

外で飲むコーヒーが少なくなると、必然的に家で飲む頻度が多くなる。
当初は、大手コーヒーブランドの豆を買ってきては色々試していた。
UCC、AGF、KEYコーヒー、ネスレといったところだろうか。
結果、KEYコーヒーが一番口に合うと落ちついた。

いまでも時々、KEYコーヒーの豆(粉)を買うことがある。青い缶入りのやつである。大手メーカーの中で唯一、酸味を感じると思う。缶のデザインは外資系のMJBが好きだったけれど、中身はKEYに軍配があがった。

1日にマグカップで5〜6杯は飲むので(珈琲カップだと10杯以上!?)
消費量というか、珈琲エンゲル係数はまあまあ高いものになる。
スターバックス、タリーズ、小川珈琲、カルディ等々を試しつつ、味とコスパで辿り着いたのが、BROOK'S(ブルックス)である。

ネットで気軽に注文できてストレート豆の種類も豊富である。おそらく20年近くの付き合いになると思う。モカ、ブラジル、キリマンジャロと定番の豆を経て、ここ最近はグアテマラとコスタリカに落ちついた。

ブルックスで最も酸味の強いコスタリカが、ハウスコーヒーといったところだろうか。荒めに挽いた多めのコスタリカ(20〜25g位)を、ペーパードリップで時間を掛けずにサッと淹れるのが好みだ。

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ある意味、とても贅沢な淹れ方だとおもうのだけれど、豆(粉)の量に対してのコーヒーの抽出量がとても少ない方法である。その分、雑味やエグ味といった不要なものが少なくなる。

どこかで書いたけれど、最初に注ぐお湯の温度がとても大事なようで、最近は温度計付きのケトルを使って、70度で蒸らすようにしている。30秒ほど経って、90度のお湯を粉の層が沈まないようにして、早めにサーバーを外す(お湯を最後まで落としきらないのがキモ)

同じ豆を使って、同じように淹れたつもりでも毎回少しづつ味が違う。コーヒーとは繊細で奥の深いものであるとつくづく思う。焙煎の仕方にもよるが、豆は生鮮食品に近いのかもしれない。

最近は、サードウェーブといって、生豆から焙煎・挽き方にこだわったコーヒーの流行があるという。浅煎りで豆本来のフルーティーさを売りにしたモノが主流とのこと(スタバの深煎りで濃いコーヒーがセカンドウェーブ)

まさに自分好みである。時代が僕に追いついてきたのか?(たぶん逆だと思うけれど・・)そんな折に出会ったのが、マンダラ・コーヒーである。

コーヒーの概念を覆す衝撃的な『クラフト・コーヒー』にハマった。
フレーバーコーヒーというものは過去にもあったが、製法がまったく異なり生豆をお酒に漬け込んで焙煎するという他に類をみないモノである。

好き嫌いがハッキリ分かれるコーヒーだと思うけれど、酸味と芳香の絶妙さが個人的に大好きである。クラフト・コーヒー以外にもシングル・オリジンが何種類もあってどれも美味しい。特にイルガチェフェは秀逸である。

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コーヒーにまつわる話は、まだたくさんあるけれど、
3,600文字を超える長編になってしまったので、
今回はこのあたりで終わりにします。

また、機会があればコーヒーでも飲みながらお話ししたいと思います(了)
















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