神経発達症(発達障害)息子の母になる〜息子の失踪③
息子はこちらが言ってることはそれほど難しくなければ大体わかるようでした。
カーテン閉めて、ですとか
ちょっとそこのお茶とって、ですとか
簡単なお手伝いなら言えばわかるのでやってくれます。
服もたまに間違ってますが、着ることができるし、脱ぐこともできます。
お風呂も自分で入りたいタイミングでシャワーを浴びたり、湯船に使ったりしています。
食べたいものも言うことができます。
(大体2語文が多い)
ただし、名前が言えません。
年齢もおなじく言えません。
名前や年齢の問いかけに対しては、
エコラリアばかりです。
また、
「こういう場面では、
こういう風に言ってね」
という言い聞かせに対しても
「言ってね」という部分だけ切り取って
「言ってね」と、エコラリアで返してきます。
おかえりと言ったら、
ただいまと挨拶はできるのに
応答については、エコラリアばかりでした。
私は、刑事さんたちに
息子の言葉レベル、療育に通っていることなどを説明しました。
すると、女の刑事さんの方が前に来て
失礼しますと言いながら、わたしの横に座りました
「お母さん、療育手帳って言うものをご存知ですか?そういう状態なのであれば、療育手帳があったほうが色々と便利だと思います。」
男性の刑事さんは
何か別の事件もあるのかよくわかりませんが
話中も何度か携帯に着信があり、
ここはちょっと任せるね、と外に出て行きました。
ちなみに、
男性の刑事さんは息子がお風呂に入る前に、
息子の足や手などの写真を撮っていました。
息子は湾曲した爪の形(スプーンネイルと呼ばれている)をしていたのですが
「これは一応証拠として写真を撮らなければならない!」
と厳しい表情で言っていたので
(証拠って、何の証拠?
虐待だと思われているのかな…
心外だな、やだな…)と思っていたら
女性の刑事さんが
「手足の擦り傷、切り傷、打撲は
この年代あるあるですよ。
それにこういう爪、小さい子によくありますよ、鉄分が不足しがちだとこうなっちゃうんです。
小さい時は好き嫌いも激しいし、しょうがないと思いますよ。」
と、かばってくださり
同情していただけたことに胸が熱くなって、
鼻がツンと痛くなり、涙が出そうになったので一生懸命我慢しました。
男性の刑事さんは、
その時の私の表情を見ていたので
もしかしたら気を遣って出て行ってくれたのかもしれません。
女性刑事さんは
男性刑事さんを見送ってから話し始めました。
「今回この話(息子の失踪事件)を決まりで
児相に話さなければならないんですけれど、
児相でも発達検査が受けれるので、検査した方がいいと思います。
検査したいという話を児相さんにしていいですか?」
この療育手帳について、
実はセンターからは一切何も言われておらず
私は療育手帳の存在をほとんど知りませんでした。
おそらく
「あなたの子供は知的障害者だよ」
という烙印のように感じる保護者がいて
怒ったり、認めてなかったりすることがあったのかなと推測しますが
デリケートな話なのでセンター側から
療育手帳の話をする事は避けているのかもしれません。
以前、センターの息子担当の先生から聞いた話で
「ずいぶん昔なのだけど、
もう絶対に黒だと、絶対に通常発達ではないと
学校からセンターで発達検査を受けるように言われてお子さんを連れてきたお父さん、お母さんがいたんだけど
中度の知的障害だったと伝えたら
親御さん達2人とも怒って、怒って。
『うちの子が、障害者な訳が無い!
子供を障害者扱いして
学校がうまく対応できないことの
いいわけにしたいだけだろ!』って、
収拾がつかなくなって、センター長と副所長が対応しなければならなくなったことがあったんだよ」
というものがあり、
こういうのは親が調べて、申請しなければならないデリケートな時代なのかなと思いました。
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