「なんかおかしい」と祖父を起こし玄関まで歩きそこで息を引きとった祖母の体には何が起きていたのか

私の祖母は、
喘息で入退院を繰り返していました。


夜中に、
「お父さん、なんかおかしい」と言い、
祖父が救急車を呼んだが、

玄関ではすでに意識がなく、
そのまま亡くなりました。


私が高校生の時でした。

「なんかおかしい」と感じ
それを伝え、
玄関まで歩けたのに

すぐに息を引きとった祖母の体には
何が起きていたのか、

長年気になっていました。

内科病棟で勤務して
亡くなる予兆を知りました。


血圧が下がる
血糖が下がる
酸素飽和度が下がる
嘔吐する
尿が減る
肛門が開く
手足が冷たくなる

どこから落ちて行くのかは
人それぞれだから

祖母も少しずつ少しずつ

葉が一枚ずつ落ちるように

身体の機能が終わりに向かったのかな
などと考えました。


最後の2週間くらい
話せず植物の様に生きる人もいれば、

普通に話していたのに
突然亡くなる人もいる。

亡くなる数日前に

「ありがとう」

「なにからなにまで
やってもらって」

と言ってくれる人が
多いことも感じました。

祖母が亡くなる1週間前に

たった1人で町内を歩き
ご近所さんに挨拶周りをしたという謎も

今では少し納得がいく。


人の死というのは、
何十年もかけて消化していくものだ。


祖母との時間は
短かったけど

祖母が亡くなってから25年。
祖母のことをたくさん考えた。


私の母を育てた人。

母は、3人姉妹の真ん中で

自分だけ叩かれ
自分だけ買ってもらえなかったことを
今だに言ってる。

祖母もそうするしかなかったんだろうな、
って思うことがある。

心の中で娘に謝りながら
娘の子育てを眺めていたのかな、
どうだろう。

私の母は今、

自分の子育ては果たして正しかったのだろうかとぶつぶつ言いながら
私の子育てを眺めている。

正しいなんて、ないよ。


おばあちゃんの子育てと
お母さんの子育てのおかげで
今の私がある。

おばあちゃんのことをよく思い出すよ。

おばあちゃんは私の心の中で
生き続けている。