においのきおく
こんにちは。
今日、久々に部屋でカップラーメンを食べていると、いつの間にかそのスープ(シーフード)の匂いが部屋中に充満していました。
気付いてすぐに換気をしたんですが、不思議なことに、部屋にいる間はその匂いの強さが全然気にならなかったんですよね。
一度部屋から出て、また戻ってきた時に初めて気がついたんです。「え、めっちゃ充満してない?」と。
そういえば高校生の頃、昼食後に教室に入ってきた先生が「うわ空気悪いな、換気しよ」とよく言っていました。
閉めきった教室で弁当を広げていた私達本人は気付かないけど、後から入ってきた人には分かるのかぁ、とぼんやり思った覚えがあります。
知人から聞いた話なのですが、一般的に私たち人間は、無意識のうちに慣れ親しんでいる匂いは認識しにくいと言われているようです。
確かに、自分の匂いとか家の匂いって、中々気付きませんよね。
私は友人から「◯◯さんって、線香みたいな匂いするね」と言われて耳を疑ったことがあります。
そんなこと今まで考えたこともなかったので。(笑)
たまにいい匂いの香水を付けている時は自分でも分かりますけどね。(なぜなら普段の匂いと違うから…)
「プルースト効果」と呼ばれる現象をご存じでしょうか。
ある匂いを嗅いだとき、それと結び付いた古い記憶が呼び起こされるという現象のことです。
ロシアの作家マルセル・プルーストの『失われた時を求めて』という小説の中で、主人公がマドレーヌの匂いから少年時代を思い出すシーンがあり、そこから名付けられました。
何かの匂いを嗅いだ時、ふとどこか懐かしいような気持ちになったことはないですか?
私は、塩素の匂いを嗅ぐと小さい頃通わされてきたスイミングスクールの辛い記憶が蘇ります。
ゆらゆらと揺れる水面やプールサイドの情景だけじゃなく、その場にぽつんと一人で立ったときの不安で泣きたいような気持ちも同時に思い出してしまって、胸がギュッとなります。
匂いを嗅いだだけで過去の記憶と感情が呼び起こされるって、よく考えたら不思議ですね。
『香水』という歌に出てくる、
別に君を求めてないけど横にいられると思い出す
君のドルチェ&ガッパーナのその香水のせいだよ
という部分も、言ってしまえばプルースト効果です。
君といた頃の記憶とその時の僕の気持ちを思い出してしまうのは、香水の"せい"なんだ、という表現が個人的にはすごくステキだと思います。
普段からずっと嗅いでいるとその匂いは認識できなくなるという話をしましたが、彼女の香水の匂いを強く認識できているということは、「もう長い間会ってない」ということを暗に表現しているんでしょうか…切ないですね。
新鮮さを失えば認識できなくなるというのは、匂いだけじゃなく、音なども同じです。
エアコンをしばらく付けっぱなしにしていると、意識すれば「ゴォォ」という音が聞こえますが、気にしなければ耳に入ってきません。
いや、耳には入っているはずなんですが、脳が無視しているんですよね。
人間は変化がない場所には意識が行きにくいものです。だけど、変化が全くない人なんていません。誰しも毎日少しずつ変化してる。
偶然耳にした音や匂いにふと懐かしい気持ちになったら、それは、昔とは違う自分になったことの証かもしれません。
自分がどんなものに記憶を呼び起こされるのか意識してみると、自分のことが色々と分かってくるかもしれませんね。
今回はここまで。
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