100年経っても腐らない友情のリンゴ🍎
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100年経っても腐らない友情のリンゴ🍎

上の絵を見たことがありますか?ある人は手を挙げてください✋


「近代絵画の父」との呼び声高い、フランスの画家ポール・セザンヌが描いた静物画ですね。


陶器や布の上に置かれた朱色のリンゴに自然と目がいくかと思いますが、それらはなんだか、ゴルフボールのようなずっしりとした存在放っているように見えませんか。

リンゴのかたちがくっきりと強調されていて、それが画面の中でしっかりと固定されているからでしょうか。
光がたゆたうようなモネやルノワールの絵とは、また全然違う。

手を伸ばせばその重みを確かめることができるんじゃないかと思うくらい、物体の存在感が力強く描かれた厳格な絵です。


その幾何学的な堅さがいい意味で印象深くて、何度か見ている内に私はこの絵がとても好きになりました。

セザンヌはこれ以外にも、リンゴをモチーフに沢山作品を描いています。






上はその一部ですが、どれもリンゴの配置が特徴的ですよね。
そしてまさにその部分に、セザンヌ独自の前衛的なスタイルが表れているんだそうです。


芸術家の方々は大抵そうなのかもしれないけれど、きっとセザンヌも私なんかとは全く違う視線でリンゴを眺めていたんだろうなぁ。

彼は「リンゴでパリ中を驚かせてやる!」と度々語っていたといいますから、自分の描くリンゴがどれほど他と違っているかはちゃんと分かっていたのでしょうね。


そんな、彼にとって大事なモチーフの一つになったリンゴ。
実はそのきっかけは、小説家エミール・ゾラとの交流にあったそうなんです。




↑エミール・ゾラ(1840-1902)
『居酒屋』『ナナ』などを書いた文豪。




↑ポール・セザンヌ(1839-1906)



セザンヌとゾラは、同じ中学校に通っていました。
そしてある時、いじめに遭っていたゾラをセザンヌが救ったのをきっかけに、二人は友情を育むようになります。

その際ゾラがお礼にとセザンヌにプレゼントしたのが、何を隠そうリンゴだったんだそうです。


もちろんリンゴそれ自体の造形を気に入ったというのも絵のモチーフに選んだ理由の一つでしょうが、心を通わした友との友情の象徴という側面もあったのかな~と思うと、絵に一層彩りが加わるような気がします。

やっぱりどんなものでも、そこに「物語」があるとぐっと引き込まれてしまいませんか?


最後に彼らに関するエピソードをもう一つだけ。
ゾラはセザンヌよりも早く作家として名をあげましたが、彼は当時法律の勉強をやめて絵の道に進むべきかを悩んでいた親友セザンヌに、手紙で次のように伝えたそうです。

弁護士になってもいいし、絵描きになってもいいが、絵具で汚れた法服を着た、骨無し人間にだけはなるな。」(wikipediaより)


いやぁ、何とも身に染みる言葉。
人生の岐路に立たされて中々一歩前に踏み出せない時に、こんな風に背中を押してくれる人がいるだけで、なんと心強いことか。

子供の頃はゾラを救ったセザンヌですが、今度は自分の方が救われたのかもしれませんね。



とまぁここまでセザンヌとゾラの友情の美しさを語ってきましたが、実のところ私自身は、友情なんか頼りにならないと思う人の気持ちも分かります。

何があっても壊れない関係なんてないし、徐々に疎遠になっていくなんてことはザラですからね。


時に私は元から友達が少ないですから、今際の際に一体どれくらいの友達が側にいてくれるかは予想もつきません。もしかしたら、一人もいないということも考えられます。


だからせめて、大切に思っている友人知人には、せいぜい今のうちに心を込めたものを送っておきたいと思うんです。

その友情が後で壊れようと、決別しようと、今持っている相手への思いは嘘ではないですから。
それに、相手から折に触れて貰ったものって、中々忘れられないものです。


残念ながら誕生日プレゼントみたいな大したものは頻繁には用意できませんが、その人に向けて発する言葉とか、日頃の気づかいなどもちょっとしたプレゼントになります。


もしかしたら、それらが相手にとってはかけがえのないものになるかもしれない。
いささか自意識過剰なようですが、その可能性はゼロではないでしょう。


私自身、小学生の時に塾の先生がくれたお言葉やミョウバンの結晶は今でも大事に思っていますし、友人から届いた手紙も、恋人が言ってくれた言葉も、全部全部宝物です。
あなたにもきっとあるでしょう。そういう一生ものの宝物が。


もしも私にもっと画力があれば、それらをモチーフに絵を描くんだけどなぁ。惜しいなぁ。


少なくともセザンヌが描き残した絵の中には、ゾラとの友情が今も燦然と輝いていると思います。

彼らが亡くなってからもう100年以上経っていますが、しっかりと描かれたリンゴの輪郭は永遠に擦りきれないでしょう。それを思うと私、なんだか感動しちゃうんですよね。


リンゴは腐る。友人関係もいつか終わる。
だけど思い出は色んな形で残っていくんだと考えると、どうせ短い付き合いだなんて思わずに、周りの人を大切にしたい気持ちになってきますね。




読んでくださり、ありがとうございました。✨


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