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「創造力」と「思いやり」

誰かの手によって何かが生み出される時のきっかけって、なんだと思いますか。


私は、その人自身の「独創性」が、その多くを占めているものだと勝手に思っていました。


絵とか、詩とか、彫刻とか。
それらはその作者が、自分の内部にあるものを表現することで形になるのだと。


創造は、自分自身の心とじっと向かい合って、自分の本当の思いや欲望を抽出することで実現できる。
いわば、作られたものはその人の自己表現なんだと、そう思っていました。

だから、自己表現が苦手な私には、何かを創造するのって難しいんだろうな~…と。


でも、創造は必ずしも、そのような独りよがりなものとは限らないんじゃないか。とも思います。

「シャリアピンステーキ」というステーキを知っていますか。

牛肉を叩いて筋切りにし、それをさらにタマネギのみじん切りに漬けこんでから焼いたステーキで、お肉がとてもしっとりとして柔らかく仕上がります。

このステーキのレシピは日本生まれで、かつて帝国ホテルの料理長だった筒井福夫さんという人が考案しました。

帝国ホテルを訪れたロシア人オペラ歌手のシャリアピンさんが「歯が悪くても食べられる肉料理が食べたい」と言ったのを聞き、その要望に答えるために作られたそうです。

そしてその料理は評判になり、彼の名を冠して今に伝わっているというわけですね。

(帝国ホテル 公式サイトより)



このステーキの件では、一人の人に満足してもらえるものを作りたいという思いが、唯一無二の創造に繋がりました。

その思いがなければ、このレシピは永遠に生まれなかったかもしれません。


何か素晴らしいものを生み出すには、その人の自己表現欲求だけではなく、誰かへの「思いやり」も大事なきっかけになるのではないでしょうか。


むしろ、誰かの心に響くような、そして後世に残っていくようなものを作るためには、「誰かのため」を思う必要があると言えるかもしれません。

それを届けたい誰かへの気持ちって、ものすごく強いモチベーションになるんじゃないかと思うから。


例えば、ラブソングでも、ものすごく個人的な経験をもとに作られたものって少なくないですよね。
「これ、もしかしてこの人の実体験かな?」と思うような。

私はテイラー・スウィフトの曲が好きなのですが、彼女は歴代の恋人への思いを歌詞に反映させることが多いそうです。

私は、彼女がこれまでどういう体験をしてきたのかは知らないし、どんなに大好きな曲でも、それは私個人に向けられたものじゃない。

だけど、なぜだかすごく心に響く。
誰かを思う彼女の気持ちが、すごくすごく伝わってくる。
自己完結してしまうものじゃなくて、誰かに届けたい願いとか、優しさとか、そういうものが歌詞に乗せられている気がするんです。



思いやりって、創造の土台になるような気がします。
もちろん独創性とかアイデア力とか器用さも必要だとは思いますが、思いやりがあるから、創造されたものに魂が宿るんじゃないでしょうか。


誰かを思う気持ち。
それがあるから、この世にはどんどん新しいものが生まれてくるのかもしれないですね。



読んでくださりありがとうございました✨

ではまた次回~


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