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英会話の本質

英語を教えて、20年ほど経つ。「英会話を学習したい」「日常会話を英語で話せるようになりたい」など、たくさんの人たちが来た。私が英語で「What do you do for a living?」「Why do you want to be able to speak English?」など英語で聞くと、全員答えられない。なので質問を変える。「I teach English and get money. You work in the office and get money?」と聞いたり、「You want to speak with foreign people and want to speak English?」と聞くと、全員英語で答える。英語を話せない「平均的な」日本人に「誘導尋問方式」で英語で聞けば、誰しもが英単語で答えることができる。ただ、英語で文を作れないだけ。なので、「Why」と「How」を使わない。

日常レベルでの英会話としては英語を習う必要はない。日本人は約(数字を含めて)1500~2000語ほどの英単語を知っている。逆に「エアコンって日本語でなに?」「リモコンって日本語でなに?」などを聞くと、全員答えられない。「エアコンは空気調整機」「リモコンは遠隔操作機」と言うと、笑う。美容院で「今日はどうなさいますか?」と聞かれて、「洗髪と散髪をお願いします」と答えれば、そこにいる全員はあなたの方を見るだろう。喫茶店でトイレにトイレットペーパーがないことに気づき、「便所紙がありません」と言えば、大笑いされるに違いない。それほど日本では「英語」が日常語になっている。

若い男性がやってきた。「なぜ英会話を習いたいのですか?」と聞くと、「海外旅行が好きなんです」と答える。「海外旅行と英語の関係は?」と聞くと、「いろんな人たちと英語で会話したい」と答える。私が「例えば、ここはロサンゼルスで私は現地のアメリカ人、あなたは日本人旅行者。英語で話すつもりで日本語で私に話しかけてください」とリクエストする。一瞬、彼はためらい、「こんにちは」と私に言う。私は彼に「『こんにちは』は英語でなんですか?」と聞く。彼は「Hello?」と答える。私が「他に私に聞きたいことは?」と聞けば、沈黙の後に、「思いつきません」と答える。私が「日本語で思いつくことがなければ英語でも同じです」と言うと、彼は納得しながら「言われて初めて気づきました」と言って、去った。

「英語を話したい」「英会話ができるようになりたい」と言うことは何なのか?「英語で考えて話しましょう」「たくさん英語を話しましょう」「たくさん英語を聞きましょう?」などよく聞く。「語」をよくわからない上に、英語も分からない人にこういうことを言っても意味がない。

「日本語」も「英語」も「ドイツ語」も「フランス語」なども、「語」は同じはず。国が違うだけ。本来「語」とは言いたいことがあって成り立つもの。「英語を話せるようになりたい」ではなく「私が言いたいことを英語で話せるようになりたい」が本質のはず。。英語を学習する前に「私はこういうことを言いたい!」が欠けている気がする。

Those who know nothing of foreign languages know nothing of their own.
外国語を知らないものは、自分の国語についても何も知らない。byゲーテ

Wise men speak because they have something to say; Fools because they have to say something.
賢者は、話すべきことがあるから口を開く。愚者は、話さずにはいられないから口を開く。byプラトン

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