見出し画像

質問力

「聞く」という動詞はややこしい。「聞く」は「声や音を耳にする」だけど、「なにか変な音を聞いた」は「聞こえた」で、「人に情報を聞く」は「訊く」で、岸田さんがいう「聞く力」は相手を理解する力。ただ「聴く」よりも深い意味がある。いずれの「きく」能力も大切だけど、日本人には「質問する力」がない気がする。これは外国語学習でもビジネスでも大切なことだと思う。

日本人の性格として、相手から「ですよね?」と言われると何気なくうなずいたり、「ですね」と何気なく同意する。自分の正直な意見や異なる意見を言えば、相手から嫌われたり、なにか小さなトラブルになることを恐れるのかもしれない。「私はそう思いません」とは滅多に言わない。これは良い意味では「日本文化」で、悪い意味では「受け身の文化」。中途半端なことを言って後々トラブルになることも多い。元都知事の石原さんが「Noと言えない日本人」という本を書いた。読んだことはないけど、タイトルだけで彼が何を言いたいのかわかる。

日本人のこの性格は日本語の影響もあるかもしれない。日本語は「動詞」が最後尾に位置するので、結論を先に言う言語ではない。一方、英語は直ちに「Yes」「No」が来る。どちらでもない場合は「わからない」とすぐに反応する。いずれも結論は早い。この「Noと言えない日本人」とは「直ちに結論を出せない」のか、本当は「No」と言いたいけど相手に悪いので、ただ「No」と言えないなのかわからない。

「質問力」は、例えは相応しくないかもしれないが「刑事が容疑者に質問する」や、裁判で「弁護士や検事が原告や被告に質問する」、つまり相手の本音をサルベージする力。ただ、彼らのような「きつい言い方」はできない。これは「相手を説き伏せる」やり方で、社会ではまずい。如何に「ソフトで嫌われない言い方」での質問力をもつことができるかが求められる。

私はあるアメリカの番組をよくテレビで見ていた。インタビュアーが相手に賢くも鋭い質問を与える。マイケルジャクソンがうっかり本音を引き出されて話題になったことがある。日本では、相手は「しつこい」「うるさい」と怒るけど、英語圏?ではそうではないらしい。この番組に出たインタビュアーの「英語」での質問の仕方はとても参考になった。英語で話す場合は相手のご機嫌を伺う必要はないみたいだ。日本社会では難しいけど、英語を使う国の人たちと本音で話す場合、この「質問力」を磨く方がいい。相手は「This guy is street-smart!」と心で思うかもしれない。

自分に質問を投げかけ、自分で答える。これを英語でできれば、最高です。日本語英語ともに会話力が大幅に改善されます。質問には両言語とも、1H5W+which と yes/no しかありません。さらに、前提として 2,3文を言って質問する。高度な技術です。まず、日本語で試してください。かなり難しいです。

英語日本語関係なく、とにかく、「日本人は質問下手である」のは悲しいですね😢 日本語での会話力は伸びません。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?