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竹下通りで100人のスマホスクリーン覗いてみた

今回はティーンの流行の最先端をいく、原宿の竹下通りにいる女子中高生のスマホを覗いてみました...!!

過去記事はこちら
インドネシアでスマホスクリーン覗いてみた
深センでスマホスクリーン覗いてみた

スマホスクリーンの集計

原宿の竹下通りを歩く女子中高生100人(3月と8月の半年に分けて50人ずつ)に調査を実施しました。

「スマホのホームスクリーンを撮影させていただけませんでしょうか?」
とひたすらに竹下通りでインタビューを行いました。

ご協力いただいた女子中高生の皆さん、ありがとうございました!!
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集計したのは以下の2点です。
・アプリがインストールされているホームスクリーン
・(iosの場合は追加で)スクリーンタイム
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心折れながらも合計100人のインタビューを実施し、合計600枚を超えるスマホスクリーンの収集に成功しました!画像3

集計結果

まず、ios, androidの比率(%)です。

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なんと、90%以上がiosでした。
日本の平均や、過去の調査データと比べても特異な数字です。

”竹下通りを歩く女子中高生”というだけでかなりフィルターがかかるデータであることが想像できます。

このios比率の多さの背景には、ブランドイメージだけでなく、Airdropの有無も関係しているようです。

【Airdrop メリット】
・速度制限かかっても画像を送り合える
・画質が落ちない
・メタデータに日付が含まれる
→後日写真を交換しても、アルバム内でその日の写真の横に並ぶ

続いて、アプリの総ダウンロード数の分布です。

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全体として60~79個のアプリをインストールしている層がボリュームゾーンとなっています。

やはり存在する若者のFacebook離れ

5年ほど前から若者のFacebook離れという言葉が存在しますが、令和元年の今、一体どれほどの女子中高生がFacebookをダウンロードしているのか。

集計してみた結果、実際のダンロード割合はなんと8%でした...!!
Facebook離れは確固たるもののようです。流行の最先端をいく原宿の女子中高生ゆえにシビアな数字が出ています。

必須ツールとしてのLINE、Twitter、Instagram

Facebookが女子中高生の間では減退している一方、LINE, Twitter, Instagramの3アプリはかなり好調です。

LINE:97
Twitter:71
Instagram:82

スマホのホームスクリーンの初期ページにあるアプリはアクティブ率が高いと想定されますが、その初期ページに3つのアプリを入れているユーザーはかなり多く見られ、その数値なんと40%でした。

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半年で増加したアプリ

本調査は2019年の3月8月とで半年に分けて、50人ずつ調査した100人の集計結果をまとめております。半年前と比べ、流行に敏感な女子中高生の間で利用率が増えているアプリには一体どんなものがあるのかについても集計してみました。

増加率ランキングトップ3
(ダウンロード割合が5%を下回っているアプリは除外しています)

①カラオケまねきねこ(1/50→9/50)

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2人以上の高校生グループに対してカラオケルーム代が無料になるというサービスをカラオケまねきねこは提供しており、最近CMも出していることが影響していると予想されます。

②Snapchat(12/50→20/50)

2019年の5月に男女入れ替えや赤ちゃんフィルターが話題となったSnapchatが第2位にランクインです!

③Tik Tok(16/50→26/50)

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ByteDanceによるTik Tokが第3位でした!
女子中高生の間で流行りだしたのは一昔前ですが、今でもユーザー数を伸ばしているようです。


注目ジャンル・カメラ

女子中高生が利用するアプリの中でもカメラアプリの利用実態はかなり特殊です。今回の調査を通じて、合計20を超えるカメラアプリがインストールされていることがわかりました。また、今どきの女子中高生は1人あたり平均で3.78個のカメラアプリを利用していることも本調査からわかりました。

下のアイコン画像が今回の調査で集計できたアプリですが、名前がわかるものはいくつありますでしょうか?

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そんな数あるカメラアプリの中でも女子中高生が最も使うアプリは何なのかランキングにしてみました。

カメラ系アプリランキングトップ5画像19

80%近くがSNOWを利用しています。JC・JK流行語大賞にも今年ノミネートされたSODAの利用率もかなり増えてきているようです。

それぞれ利用用途が違うらしく、以下のような機能分けでそれぞれのカメラアプリを使い分けているとのことです。

・フィルターの多さ
・ぼかし機能
・メイク機能
・ライト機能

「加工する」という表現ではなく、かける時間やアプリの多さから考えると、「アプリでメイクする」という表現が正しいかもしれません。

インタビュー中に、「画面の中だけでも自分がポジティブになれればいい」と答えてくださった方がいました。素直に受け止めきれない方はオジさん認定ですね。

余談ですが、ぼかし機能専門ということでTouchRetouchをダウンロードしている女子中高生も何名かいました。

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有料アプリランキングで3位に位置するこのアプリ

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指で物体をなぞるだけで、簡単に消すことが可能なだけでなく、存在しないはずの背景色が追加される魔法のようなアプリです。ほんの数秒でPhotoshopを使用したかのような出来栄えです。。。

注目ジャンル・動画配信

今まで多くの場所で若者を中心にスマホ調査を行ってきましたが、原宿の竹下通りを歩く女子中高生に関しては動画配信系アプリにも大きな特徴があることもわかりました。

動画配信系アプリランキングトップ5画像19

Youtubeはどの年代層でも多いのですが、AbemaTVなどのスマホファーストな動画アプリや韓流系やライブ配信アプリなどがランクインしているのが特徴です。

AbemaTVとV-liveはJC・JK流行語大賞にもアプリ部門でノミネートされています。

F1/M1層向けのコンテンツ作り含めたマーケティング施策が見事にあたっています。

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V-liveはK-POPファン向けライブ配信アプリです。
昨今人気のBTSのライブを観られることからダウンロードしている女子中高生が多いようです。

Zenlyってそんなに多くない?

Zenlyとは、位置情報共有アプリです。
先程引用させていただいたJCJK流行語2018でもアプリ部門第3位にランクインしているアプリです。

アプリを開くと、地図上に友達がアイコンとして表示されるため、待ち合わせや合流がしやすいアプリとしてティーンを中心に人気が出ております。

そんなZenlyですが、意外にもダウンロード割合は9%とそれほど多くありませんでした。結局は浸透するには至らなかったのでしょうか。

流行に乗ろうと私もダウンロードしてみましたが。。。

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Facebook経由での友だち追加ができず、携帯の連絡先からのみしか追加できない関係で日本地図どこを見渡しても1人しか友達がいませんでした...

若者向けブランドを維持することが難しいことはSNSアプリで良く言われています。Facebook経由でのサインアップを認めないことは、SnapによるZenlyの買収が関係しているだけでなく、アプリイメージを維持するためのあえての策かもしれないですね。

余談ですが、マップUIで待ち合わせをするのであれば以下のwhat 3 wordsアプリもオススメです。

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イギリスのスタートアップが提供しているwhat3wordsですが、世界中の3メートル四方全てにそれぞれ固有の3つの単語を割り当て地球上を57兆個のマスに分割することで、3つの単語だけで探したい場所の正確な位置がわかり、シェアをすることが可能なアプリです。

マスの大きさは3 x 3mであるたあめ、既存の住所では指定できない「玄関前」といった細かな場所を特定することができます。

住所の曖昧さを解消し、モビリティ分野などでのビジネス活用も期待できます。タクシー内で住所を伝える会話も、3つの単語を口にするだけで完結すれば便利な世の中になりそうです。

海外では、山などの街区符号や住居番号がない地域にて遭難時に活躍した事例も出てきています。

ちなみに、ハチ公前は「ためす・おさらい・すめる」と表現されています。

Simejiって?

全アプリのダウンロード割合のランキングをみると、以下のようになっています。

LINE:97
Instagram:82
SNOW:79
Twitter:71
Youtube:57
LINEカメラ:45
Picsart:44
Simeji:40

SNSやカメラ系アプリが占める一方、40%の人がダウンロードしていたアプリSimeji。皆さんご存知でしょうか?

どうやらキーボードの着せ替えアプリのようです。
かわいい顔文字や絵文字が豊富に存在しており、女子中高生の皆さんは自分好みにカスタマイズしスマホを使用しているとのことです。

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これまた余談ですが、着信時の画面をカスタマイズできる米国発のアプリVyngをご存知でしょうか?

普段遣いのスマホを可愛くカスタマイズすることにおいてSimejiと共通点があるアプリです。インドなどグローバルに展開されていますが、10代の若い女性がユーザー層の大半を占めているそうです。

今どき女子は色ごとにフォルダ分けをする!?!?

スマホスクリーンはダウンロードしているアプリだけでなく、フォルダ分けの仕方も情報として入手できます。

どうやら昨今の女子中高生ではアプリを色ごとにフォルダ分けすることが多いそうです。
10人ほどのユーザーがアプリを色分けして下図のように管理していました。

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このような細部まで可愛らしさを追求し、Kawaii文化を育んでいる女子中高生の皆様には頭が上がりません。アプリ提供者側としては、アプリアイコンのカラーがアクティブ率に影響を与える可能性があることは頭の片隅に入れておきたいですね。

最後に

今回も収集データの一部を公開させていただきました。

QueueのBusiness Designではこれらの集計結果の考察を引き続き行っていきます。また、集計場所を変えて再度調査を実施し、引き続きスマホスクリーンに代表されるContextual Dataを収集し通常のワークへ活用していきます。

またブログでも紹介させていただきますので、是非楽しみにしていてください!😁


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